猫も涼しいほうがいい  「サ日記」

 サニです。おれたち猫にも10月がやって来た。みんなに公平にやって来た。

 いきなり涼しくなりました。猫は寒いのが得意だと思われがちだが、やっぱ死にそうな激アツより涼しい方が快適だ。

 忘れないうちに地域猫カレンダー10月分をお見せしますよ。

 まずは、「福岡ねこともの会」さんのカレンダー。色んな方の猫についての「名言」が書かれてる。

 どうやら、おれたちは小型のライオンらしいぞ。ネズミは愛したいところだが、残念なことにめっきりお目にかかりません。犬は時々やって来るが、嫌うほど付き合いはない。

 それにしても、蝶ネクタイをした猫は「ちびっこ紳士」のごたります。おれは皮膚が弱いんで、身体になにやら巻きつけるのは無理だが。下の三毛猫氏はなんかわからんが、ビックリしておるぞ。

 こちらは、「ピースキャット」さんのカレンダー。ハチワレ猫さんの体形はなんかカワウソかアザラシのごたります。見事に上の方はビッシリ黒々して、足元は足袋を履いたように白い。いまどきの人は足袋と言ってもわからんか。「タビ」と読む、昔風の靴下だ。

 うちの庭にも、クロシロのハチワレ猫がやって来る。チョビママのクミコとチョビの弟たち、ヌーとバーを脅かす存在だ。

 左下の猫は、ちと写真が小さくてかわいそうだが、肉付きがいい。おれの前にいた先輩猫・みぃさんに似ているような気がする。みぃ先輩は写真でしか見たことないが。

 最近、わが家の飼い主どもは庭にやって来る外猫に気を取られて、おれの存在を忘れがちな気がする。少し注目を集めようと思い、置物のように戸棚に入ってみた。

 こういう狭いところは心地よいが、チョコレートや飴はあっても、おれが食べられるえさは無いし、長居する場所でもない。

 すぐ飽きたので、コップの水を飲んでいたら、怒られた。飼い主がくすりを飲むのに置いてたらしいが、言っといてもらわんとわからんわ。

 チョビが退屈してガリガリと爪を研いでいる。

 何がしたいのかわからんが、おれが相手になるぞ。

 と言いつつ、すぐ寝てしまうのがおれだ。チョビも眠たそうではあるが、まだ遊びたいのか辛うじて目を開けている。

 そうこうするうちに、弟のバーが遊びに来た。おねえちゃんと記念写真が撮りたいのか。似ている。

 もうひとりの弟ヌーは、人間に魂を売りつつある。「えさよこせ」と足元にすり寄るようになった。

 外猫とは思えぬ毛づやの良さ。ヌーはメス猫と間違えられがちだがれっきとしたオスだ。

 チョビの一族はみんな鼻に模様がついてるからすぐわかるな。

 クマが久しぶりにやって来た。最近、北のほうでは、本物のクマが人里に現れるようだから、それに刺激を受けたのか。母猫のクミコはちゃんと間に入って、息子のバーを守っておるぞ。気丈な猫だ。

 しばらく佇んでいたクマが静かに去っていく。なんとなく寂しげだ。

 クマのなにか孤独な姿を見ていたら、おれも物憂げな気持ちになった。これも秋のせいか。

 きょうは、哀愁に満ちた表情でお別れするぞ。またニャ。

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

福岡市南区在住。サバトラ柄。熟年オス猫。雑種だが、アメショーの血が入っていると思っている。
ふてぶてしさが身上の甘え上手。
推定5歳か6歳の頃、今の飼い主宅に上がり込み飼い猫に。それ以前は不明だが、数百メートル離れた公園にいたとの不確かな情報。おととしの暮れ、孫娘のようなキジ白猫チョビが弟子入り。
世の中の動きに敏感なものの、とくに行動はしない。

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