忙しすぎる双子育児の助けになればと、利用した「産後サポート事業」。しかし、意外と使いこなすことが難しく、かえって疲弊してしまう結果になってしまったのです…。実際に産後サポート事業を利用したからこそ分かる、体験談を聞いてください。
双子育児は大変!
初めての妊娠出産が双子だった私にとって、双子育児は本当に大変なものでした。とにかく、何をするにも人手が足りないのです。
そんな時、知人に「産後サポート事業」という自治体のサービスがあることを教えてもらいました。子どもが1歳になるまでの期間、リーズナブルな価格でヘルパーさんを派遣していただけるというありがたいサービスです。
「猫の手も借りたい」状態だった私は、双子が生後半年の時、思い切って利用してみることにしました。
利用登録までの長い道のり
しかしいざ登録しようとすると、実際に利用するまでが長い道のりであることが判明。事務手続きの都合上、利用を希望する事業者が決定するまで3カ月以上かかるのです!
もっと早く登録すればよかった…。そう後悔しつつ慌てて利用を申し込みましたが、事業者が決定したとき、双子は既に生後9カ月になっていました。
その後、事業者とサービス内容を調整したところ、週に2回ほど利用することになり、双子のお風呂介助や子守りをお願いすることになりました。そして、私はドキドキしながら利用初日を迎えたのです。
ヘルパーさんがやってきた!
「はじめまして! ○○サービスの□□です!」
早速家にヘルパーさんが来てくださり、笑顔でハキハキとサービスについて説明してくれました。なんて頼もしいんだろう、と思いながら、いよいよ双子の面倒を見ていただこうとすると…。
「ギャアァー!」
ヘルパーさんのニコニコ顔と対面した瞬間、双子は泣き叫んで部屋の隅に逃げていきました。そう、双子は人見知りの時期に突入してしまっていたのです。
これでは子守や入浴どころではありません。双子はヘルパーさんが滞在した2時間ずっと泣き続け、私とヘルパーさんで必死に双子をあやしただけでその日の利用は終わってしまいました…。
後日、別のヘルパーさんが来たときも同様に双子は泣き続けました。私まで泣きそうでしたが、ヘルパーさんに謝り、やむなく契約内容とは違う簡単な掃除などをしてもらったのでした。
ヘルパーさんは
「大丈夫ですよ」と優しく言ってくださいましたが、私は申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
ついに運命の出会い!?
双子の人見知りはその後も変わらず、もう利用をやめてしまおうかと悩んでいた時、運命の出会いがありました。なんと、双子が泣かずに懐いたヘルパーさんが現れたのです!
その人は、私の母に年齢が近く、背格好が少し似ていたため、双子は「ばぁばの仲間」だと認識したのかもしれません。
ヘルパーさんがニコニコと、しかし毅然とした態度で双子に話しかけると、たちまち双子は笑顔になりました。双子が楽しそうにヘルパーさんと遊んでいる間に私は溜まっていた家事や掃除をすることができました。
「私、今とってもヘルプしてもらってる!」利用を始めて2カ月、やっとサービスのありがたみを実感することができたのでした。
しかし、そのヘルパーさんとの出会いからわずか1カ月後、双子は1歳を迎え、産後ヘルプ事業は終了となってしまいました…。
残念でなりませんでしたが、そのヘルパーさんとはその後も交流が続き、今でもたまに双子の顔を見に来てくださいます。
なかなかうまく使いこなせなかった産後サポート事業でしたが、最後に素敵な出会いをもたらしてくれました。色々あったけれど、利用してみてよかったと今では思っています。
(ファンファン福岡公式ライター / はやしグラタン)