「小4の壁」に悩むあなたへ 親子で乗り越えるための対策法

小学校生活にも慣れた頃に訪れるのが「小4の壁」。それっていわゆる反抗期のこと?何がそんなに大変なの?と思っている親御さんもいるかと思いますが、人によっては入学時に陥る小1の壁よりも悩みが多いことも。つまづきやすい小4の壁について原因と対策方法を元保育士ママが考えてみました。

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小4の壁とはどんなもの?

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「小4の壁」とは、思春期の入口に入る9歳~10歳の子どもたちが抱える勉強面や対人関係の悩みのこと。また、放課後の居場所がなく育児のサポート面などで親の負担が増えることを指します。

学校の授業も難しくなり、得意科目や苦手科目がはっきりとしてくるのが小学4年生の頃。自信がなくなり自分に否定的になってしまう子もいるなど情緒面でも心配事が増えてきます。これから高学年になるにつれ勉強面でのつまづいたところでさらに差がでないようしっかりと対策をして支えてあげたいですね。

小4の壁の原因と問題点

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小4の壁の問題は大きく分けると「勉強面」「生活面」「情緒面」の3つに分けられます。それぞれの問題点や原因についてまずは知っておきましょう。

勉強の難しさがUP

小学4年生になると、3年生の頃よりも勉強もグッと難しくなっていきます。特に算数においてつまづく子が多くみられます。4年生の算数の内容をみてみると、九九の範囲を超える割り算からはじまり、小数の掛け算・割り算や、分数などの項目を学んでいきます。

学習指導要領では、4年生は整数の計算の能力を定着させそれを用いる能力を伸ばすことや、交換法則・結合法則・分配法則などの四則に関して成り立つ性質の理解を深めることが挙げられるなど、より深く数ついて学んでいくことに。(参照:第2章 各教科 第3節 算数:文部科学省 (mext.go.jp)) 

身近な数だけでなく、小数や分数、さらには億や兆などの日常生活においてイメージしづらい数を学ぶようになるため、混乱してしまい計算が難しくなってしまう子もいるでしょう。

クラス内での学力差が大きくなる

また、4年生になると中学受験をするために進学塾へ通う子も出てきます。特に東京都や首都圏在住の子どもの間では受験組と公立組でクラス内での学力差が顕著に表れるように。

学習指導要領を超えて先取り学習が進められる塾に通う子達の中には、4年生の間に5年6年の算数もマスターしている子も多く計算速度も速いため、他の子が劣等感を感じやすくなる原因にもなっています。

反面、勉強ができる子にとっても学力差が表れるこの時期は、学校の勉強がつまらない思ったり、授業ペースが遅いなどのストレスから行き渋りが出てくるという問題も。

放課後の居場所がない

生活面においては、4年生を境に放課後児童クラブの利用ができなくなる場合があり、共働き世帯の子どもの居場所がなくなってしまうという状態に。学童に通える場合でも、友達が辞めていったり、公園で遊んで過ごす友達を見て、自分も学童へ行きたくない!と主張する子どももみられます。

時短勤務から通常の働き方にも戻したいという時期にも差し掛かるため、仕事と育児の両立が難しくなり親の中にも悩んでいる人がおおいのではないでしょうか。

元保育士ママ

4年生とは言えまだまだ1人で留守番させるのは不安な年齢ですね。友達関係も含め放課後の過ごし方は親の大きな悩みの一つです。

思春期の入口へ

小学4年生になると心身の発達から、思春期や反抗期の入口にさしかかるように。この時期の子どもたちは「ギャングエイジ」とも呼ばれており、親や教師などの大人たちに反抗したり、友達関係が何よりも大事に感じる頃です。グループの結束が強くなる一方ケンカや仲間外れなどのトラブルも増えていきます。

また、自我の芽生えから、相手と自分を比べて優劣をつけたくなるように。自分が苦手意識をもつものに対してより自信をなくしてしまい、自己肯定感が低下してしまうという問題もあります。 

自分のことを客観的にみられるようになる時期だからこその悩みが増えていくのが小4の壁の原因の一つです。

身体的な発達面での悩みも

9歳10歳のお子さんのなかには身体的な成長が早い子もいて、女の子は4年生で初潮を迎える子も。心と体の発達が伴わず、自分だけ生理がくることや発育が早いことにとまどってしまうこともありますね。

学校での保健の授業に関しても4年生で思春期の身体の変化や異性への関心の芽生えなどを取り扱うようになりますが、学校によっては5年生になってから指導を行うなどまだまだ十分な知識が身についていないこともあります。(参照:【体育編】小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 (mext.go.jp))

親ができることは?小4の壁の対策法

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小4の壁問題は、先に挙げたように生活面・勉強面・情緒面等さまざまな場面で見られます。これから高学年に向けてしっかりとサポートしていけるよう、親ができること・対策法をご紹介します。

勉強面でのサポートは通信や塾などの利用も視野に

4年生の勉強でつまづく場合は、宿題を見てあげたり、苦手な分野をドリルや問題集などで自宅学習をさせるなど親のケアが必須に。とはいえ、毎日勉強をみる時間も、本人のやる気もないという状況に悩んでいる家庭も多いでしょう。 

そんな時は、一人でも意欲をもって学習できるような通信教育を取り入れたり、算数アプリなどで遊びながら学べるようなものをさせてみては。時間がある時は、親子で計算対決やクイズ形式で問題を解くなどして勉強嫌いにならないような配慮ができるとよいですね。

親だけではサポートが難しい・学校の授業を超えた勉強もさせてあげたいという場合は集団塾や個別塾への通塾も視野にいれておくのもありです。

まずは、学校のテストや先生との面談で今わが子がどこでつまづいているのかを把握することが大切です。先生にも教育相談などをしてみるのもよいですね。

元保育士ママ

テストの点数がよかった!苦手な問題が解けた!などできたことはしっかりと褒めてあげ、子どもが自信を持てるようにサポートしてあげましょう。

放課後の子どもの居場所作り

小学校の学童に通えなくなってしまった4年生には、放課後一人ぼっちにならないような新たな居場所を探してあげたいですね。近所にある民間の放課後児童クラブの空き状況なども早い段階からチェックしておくのがおすすめ。

仕事のスタイルを今一度見直すのも良い時期です。お子さんが心配な時には、週に1回でも2回でも在宅ワークに切り替えるなども方法の一つ。家事代行サービスや小学生でも頼めるベビーシッターなどを利用するという手段もあります。

学童に行きたがらない子どもなら、学校の部活動や習い事などで子ども自身が楽しく活動できるものを一緒に探してみましょう。親の帰りが遅い場合には、塾を利用しているという家庭も。放課後友達と公園などで過ごす場合は、行く場所や帰宅時間などの確認、約束事を親子でしておくとトラブル防止につながります。

子どもの気持ちに寄り添う

自我の芽生えから、他者と自分を比べて劣等感をもったり、自己肯定感が低下してしまう子どもたち。親は子どもの気持ちを尊重し、「こうしたほうがいい」「ああしなさい」などの命令や指示ではなく、時には子どもの気持ちを代弁して共感してあげるとよいでしょう。

他の友達と比べることはNGです。どうしてもできないことや苦手な点ばかり目がいってしまいますが、良い所も沢山ありますよね。少しづつでも苦手な部分を克服できるようにサポートしながら、良い部分はもっともっと伸びるように沢山褒めてあげましょう。

身体的な成長の不安は一度受診するのもあり

周りの子に比べて成長が早すぎる or 遅すぎるなどの悩みがある場合は、小児科で一度相談してみるのもあり。実際に初潮が早すぎる時はホルモン注射などの治療が受けられる場合もあります。

何か心配ごとがあるとインターネットなどでいろいろ検索してさらに不安に陥ってしまう保護者もいるでしょう。まずは専門家に相談してみるのがお母さんお父さんも安心できるのではないでしょうか。

小4の壁は子どもの成長を感じる時!温かい目でサポートしよう

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大人が心配している以上に子どもは壁を乗り越える力を持っています。時にはうまくいかずつまづくこともあるでしょう。そんな時には「いつでも見守っているよ」「応援しているから大丈夫」と優しくそばにいてあげてくださいね。

必要な時には周囲のサポートも積極的に活用して親子で頑張りすぎないのがポイント。勉強だけでなく自然の中で遊んだりさまざまな体験を通して子どもたちの成長を見守ってあげましょう。

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

6歳と11歳の娘の育児真っ最中のママライターです。結婚前は保育士として私立保育園で約3年間勤務経験あり。保育士目線と母親目線で子育ての悩みに寄り添えるような記事を書いていきたいと思っています!

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