朝食をとるメリット! 子どもの成長にとって必要な理由とは?

子どもが朝食を食べたがらない日ってありますよね。そもそも朝食とは子ども成長にとってどのような意味があるのでしょうか?今回は管理栄養士が子どもにとっての朝食の重要性について解説しています。ぜひチェックしてみてくださいね。

目次

子どもにとっての朝食の大切さとは

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子どもの健やかな成長と発達において、朝食をとることは非常に重要なこと。しかし現代の子どもたちは、大人と同様に忙しかったり、なかなか起きれなかったりしてしまい、欠食になりがちです。どうすればこの問題を解決できるでしょうか。この記事では、2人の娘を育てている管理栄養士が子どもが朝食をとるメリットについて、欠食のデメリット、食事例などもあわせて解説します。

単なる栄養だけじゃない! 朝食の重要性

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朝なかなか起きることが出来なかったり、食欲がわかなかったりなどが理由で朝食を欠食してしまう子どもたちがいます。農林水産省の「2018年度食育白書」によると、朝食を欠食する子ども(小学生)の割合は、5.5%という結果も出ています。朝食の欠食率0%を目指すためには、まず親や子ども自身の意識を変えることが必要そうです。ここからは、子どもが朝食をとるメリットについて、欠食のデメリットについて詳しく解説していきます。

エネルギーの供給源

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子どもは大人よりもエネルギー代謝がよく、学校の学習や運動などでもエネルギーの消費が激しいです。そのため、朝食をしっかり食べることによって一日の活動に必要なエネルギーを供給することができます。欠食してしまうと、午前中の授業や活動に集中できないことが増え、全体的なパフォーマンスが低下してしまう可能性も。

脳に栄養を届ける

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脳もまた、栄養とエネルギーが必要です。特に、ご飯などの糖質源は脳にとって主要なエネルギー源。朝食に適切な量の糖質を取るということが大切になってきます。年齢や動く量によっても適切な量は異なってきますが、小学生だと1回の食事でご飯でいうと130〜200g程度になります。認知機能や集中力を向上させてくれる、強い味方となってくれるのが朝食。脳に栄養を行き渡らせるためにも、朝食が大切といえそうです。

栄養バランスを調える

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特に、成長期の子どもたちは、ビタミンやミネラル、タンパク質などの必要な栄養素を補うことが大切です。これらの栄養素を十分に摂取することで、骨や筋肉の健全な成長をサポートします。特に小学生に足りていないといわれている栄養素があります。それはカルシウム、鉄、亜鉛、ビタミンD、オメガ3脂肪酸、食物繊維です。この栄養素が含まれる食材は、後ほど詳しく解説していきます。

生活リズムの確立

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朝食を摂るという習慣は、一日のリズムを整える手助けをしてくれます。食事は、体内時計の調整に役立ち、睡眠の質を高めたり、日中の活動パフォーマンスを上げてくれる可能性も。子どもからの習慣が自立して大人になってからの習慣にも影響を与えます。そのため子どもの成長や学習において、朝食を食べることによって生活リズムを確立させることは非常に重要です。

コミュニケーション

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家族での朝食の時間は、一日の始まりを共有する大切なコミュニケーションの場となります。子どもにとって家族とは、最も身近な存在であるとともに信頼と安心できる存在です。子どもと親が、お互いに情報を共有したり、その日の予定や気持ちを話すことで、家族の絆を深めることができます。忙しい朝を有意義なものにするために、家族と一緒に食べることが望ましいです。欠食することで、栄養不足やエネルギー不足の原因を作ってしまう可能性も。また、子どもの心の健康にも影響を及ぼします。イライラや落ち込みが増えることで、友達との関係や家庭内でのコミュニケーションにも悪影響を及ぼすことが考えられます。

成長ホルモンの分泌

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成長ホルモンは、夜間に最も分泌されるといわれています。このホルモンは、子どもの成長や骨の健康、筋肉の発達、脂肪の代謝、および体のエネルギーバランスの維持に関与している重要なホルモンです。そのため、成長ホルモンの分泌を促すためにも、朝食をしっかりとることが大切といえます。

子どもに不足しやすい栄養素

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ここまで子どもが朝食をとるメリットについて、欠食のデメリットについて解説してきました。しかし、食べ物であればスナック菓子やインスタント食品などでもやみくもに食べればいいというわけでもありません。ここからは、子どもに不足しがちな栄養素6選について解説していきます。

カルシウム

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カルシウムは、ミネラルのひとつで骨や歯を形成したり、神経伝達系、筋肉を収縮するために必要です。不足すると、骨の成長と発育の遅れを引き起こす可能性があります。 

カルシウムが豊富に含まれている主な食材: ヨーグルトなどの乳製品、しらすなどの小魚、ほうれん草、アーモンドなど

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鉄は、酸素を肺から全身の組織や臓器へ運ぶはたらきがあるミネラルのひとつ。不足すると、貧血や成長の遅れを引き起こす可能性があります。 

鉄が豊富に含まれている主な食材:牛肉などの赤身の肉、レバー、ほうれん草、納豆、豆乳などの大豆製品、卵黄、プルーンなど

亜鉛

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亜鉛は、皮膚や髪の健康を保つ他に、特に子どもにとって細胞の増殖や修復、ホルモンの合成や機能に関与するミネラルのひとつです。不足すると、免疫機能や味覚の障害、成長の遅れなどの原因となる可能性があります。 

亜鉛が豊富に含まれている主な食材: 牛肉、鶏肉、魚、卵、大豆製品、全粒穀物、カシューナッツなど

ビタミンD

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ビタミンDは、脂溶性ビタミンのひとつで免疫機能の調節や骨の健康などに関与しています。不足すると、感染症などに対する抵抗力が低下したり、特に子どもの場合には骨の障害を引き起こす可能性があります。 

ビタミンDが豊富に含まれている主な食材: さんま、きのこ類、卵黄、牛乳など

オメガ-3脂肪酸

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不飽和脂肪酸のひとつであるオメガ-3脂肪酸は、脳の発達や視力の維持に関与しています。不足すると視力に影響が出たり、気分障害に陥る可能性があります。 

オメガ-3脂肪酸が豊富に含まれている主な食材: さんまやさばなどの青魚、亜麻仁油、クルミ、チアシードなど

食物繊維

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食物繊維は、消化器系の健康と機能に関与する栄養素です。不足すると、腸内環境が悪化し、便秘になる可能性があります。 

食物繊維が豊富に含まれている主な食材: 野菜、果物、海藻、全粒穀物、大豆製品、ひじき、わかめなど

望ましい朝食の食事例とは?

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不足しがちな栄養素から、望ましい朝食の例を考えてみましょう。

バランスよく摂る

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3大栄養素であるたんぱく質・脂質・炭水化物を中心に、ビタミン・ミネラル・食物繊維を加えた6大栄養素を網羅した食事がよいでしょう。一見難しいように感じますが、日本の伝統食である和食の一汁三菜が例です。私達の身近にある和食の要素を取り入れて朝食をいただきましょう。

夕食の残りものでもよい

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現代の親は共働きの家庭が多いのも事実。そんな中朝食を作るのは大変という方も多いのではないでしょうか。そのような時には、前日の夕食を多めに作っておくのがおすすめです。残りもののおかずや汁物で朝食とするのが楽に準備することができます。

家族で朝食を食べて、心身ともに健やかな毎日を過ごそう

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子どもにとって朝食は1日の活動のエネルギー源となるため、単なる食事以上の価値を持っています。身体的・精神的な健康、学業の向上、家族との絆など、多くのポジティブな効果が期待できるのです。親として、子どもの朝食を大切にし、その重要性を理解してサポートしましょう。

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

2019年1月に設立したフードコーディネーターと管理栄養士が在籍する料理研究家の会社。レシピの企画・開発から撮影、スタイリング、栄養計算、商品開発を中心に事業を行う。ミッションは、「好きな人を想う手作り料理で幸せな食卓づくりを。」

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