くもんは何歳から何歳まで続ける?長年人気を集める理由も解説

5歳・7歳の息子を持つママライター、永野栄里子です。

子どもの習い事について悩む保護者の方も少なくありませんが、特に学習系の習い事は「いつ始めるか」「どのような習い事を選択するか」が難しいもの。塾や通信教育など選択肢も豊富ななか、長年学習系の習い事として人気なのが「公文(くもん)」です。

子どもを通わせる場合、何歳から何歳までがベストなのでしょうか?

今回は、くもんを始めるのにおすすめの年齢や、何歳まで続けるかを解説します。人気の理由や何歳から始めると続けやすいか知り、学力アップを目指しましょう。

目次

【くもんは何歳から何歳まで?】くもんのサイトによると…

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くもんを何歳から何歳まで習うとよいかは子どもの成長にもよります。くもん公式サイトでは、年齢制限についてどういった説明がされているのでしょうか。

年齢制限は「ない」

くもん公式サイトの「よくあるご質問」を見てみると、「何歳から入会することができますか?」という質問に「年齢制限はございません。ただし幼児さんの学習については受け入れ教室が限られますので、お問い合わせください」と回答しています。

また、「教室で大学生や社会人も学習できますか?」という項目には、「公文式学習は、年齢や学年に関わらず、その方にとっての「ちょうど」の段階から学習を始め、各自のペースで徐々にステップアップしていくことができる学習法です。関心を持たれたタイミングで、ぜひ学習をご検討ください。」という回答があり、乳幼児から成人した方まで、幅広い年齢に対応した学習を提供していることがわかります。

もちろん、幼少期から継続して習うことで身につく力もあるでしょうが、中高生からくもんを始めるのも「遅すぎるということはありません」と説明が。何歳からでも始められ、何歳まででも続けられるのは、くもんの魅力の1つです。

KUMON(年齢・学年に関するご質問 https://www.kumon.ne.jp/qa/top/gakunen.html

何歳からでも始められる、工夫を凝らした学びを提供

何歳からでも習える理由は、くもんの「学び」のスタイルにあります。くもんというと、教室に行ってレベルに合ったプリントをこなすというイメージを持っている方も少なくないでしょう。

実際、幼児もプリント教材を使った学習をメインとしますが、色を塗ったり線を引いたりと、小さな子どもでも楽しめる内容です。また、0~2歳児向けの「べびーくもん」では、絵本やカードなどを教材とし、1人ひとりの年齢やレベルに合わせた学習を実現できます。

ただし、くもんは全国に多くの教室を展開しており、べびーくもんをはじめ、年齢の小さい子どもの学習への対応の有無は教室によって異なります。赤ちゃんのうちからくもんを始めたい場合は、近くの教室に相談しましょう。

大学生、社会人が通える環境も用意

前述の通り、くもんでは子どもだけでなく大人になっても学習できる環境を用意しています。通える曜日や時間帯に対応している教室を紹介してくれたり、状況に応じて通信学習を提案してくれることも。

また、通常の学習や書写のように子どもと同じ内容が受講できるだけでなく、フランス語やドイツ語、脳の健康教室など、大人の学習に特化したものを用意しているのも、くもんの魅力です。

くもんが長年人気を集めるのはなぜ?

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くもんは1954(昭和29)年に、「公文 公(くもん とおる)」という高校の数学教師が生み出した学習法です。自学自習をメインとしたスタイルが特徴の公文は、人気の学習系の習い事として長年多くの方に利用されています。

くもんが高い人気を集めるのには、大きく5つの理由があります。

短時間の集中学習で続けやすい

くもんでの学習は、「渡された教材を100点にする」というスタイルです。決まった授業時間を設けておらず100点にできたら終了なので、1教科にかかる時間は長くても30分程度。1教科あたり短時間の学習なので子どもも集中でき、習い事として続けやすいといえます。

ちなみに、小学生の学習塾での授業時間は、「45分×2回」のように、学校の授業と同程度であることが多い傾向です。

個々の学習レベルに合った教材を提供

くもんは「ちょうど学習」というスタイルで、1人ひとりの学習レベルに合った教材を提供してくれます。はじめは簡単なレベルから始まり、難しい問題へと細かくステップアップしていくので、「できない」と諦めたり劣等感を抱いたりすることが少ないのも、くもんの魅力です。

計算力が高くなる

くもんでは国語・算数(数学)・英語の3教科を受講できますが、なかでも人気が高いのは算数(数学)です。教材の大半が計算問題で、繰り返し問題を解くことで正確に計算ができるようになります。同時に計算スピードもアップすることも多く、算数(数学)から始める、最後まで続ける子どもも少なくないようです。

教室が多く通いやすい

2023年3月現在、くもんの教室数は国内14,500、指導者数は13,700名です。全国のさまざまな場所に教室があるので、「遠くて通えない」「住んでいる地域にくもんがない」ということが少ないのも、くもんを選択する人が多い理由だといえます。

ちなみに、くもんは海外でも人気が高く、2023年現在の海外教室数は8,300、教室指導者数は8,000です。世界で信頼されている学習法というのも、子どもを安心して通わせられる要素となるのではないでしょうか。

KUMON(会社概要) https://www.kumon.ne.jp/corporate/company/index.html

学習塾よりも費用負担が少ない

くもんの幼児・小学生の月謝は1教科につき7,150円(東京都・神奈川県のみ7,700円)です。集団学習塾の月々の授業料の相場は2教科で10,000円前後ですが、「英語は追加料金が必要」「春夏冬期講習は別途費用が発生」というケースも多く、くもんよりも高くなるケースも少なくありません。

個別学習は集団よりも高い授業料がかかりますし、そもそも学習塾は幼児や低学年を受け入れてないことも…。年齢が低いうちから良心的な費用で続けられるのも、くもんが選ばれる理由の1つです。

【くもんは何歳から?】おすすめは5~6歳!その理由は

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0歳から受け入れ可能な教室もあるくもんですが、何歳から始めるか迷っている保護者の方におすすめの年齢は、5~6歳です。とはいえ、この時期は生まれ月によっても成長度合いが異なるので、「年中では早すぎる」「年長だと遅い」ということはありません。

「5~6歳」というのもあくまで目安ですが、なぜこの年齢がおすすめなのかという3つの理由を解説します。

学習習慣が身につく

小学校に入学すると、毎日学校から宿題が出されますが、学習習慣が身についていない子どもは、短時間でも机に向かっているのが「つらい」と感じることもあります。

くもんは教室で取り組む課題のほかに自宅用のプリントも多く配布されるため、入学前から始めれば「机に向かう」習慣を身につけることが可能です。

言葉が理解できてステップアップしやすい

5歳、6歳頃になると言葉の理解も深まり、問題を理解して自分で解いていくことも難なくできるようになります。理解ができれば早く次のステップの教材に進めるので、前向きに取り組めるでしょう。

小学校への準備につながる

くもんで取り組む国語・算数の学習は、どちらも小学校の授業に欠かせないもの。保育園・幼稚園のうちから取り組むことで入学に向けた準備ができ、くもんでの学習を授業に生かせます。

もちろん、入学後からくもんを始めても遅すぎるということはありません。しかし、小学校に入ると環境や生活リズムが大きく変わることも多いです。新しいことを始めると大きな負担になり、結局時期を逃してしまう可能性も考慮すると、入学前がよいタイミングだといえます。

低年齢での開始はだめなの?

前述の通り、くもんでは低年齢の子どもの受け入れを行っていることを公式サイトでも好評しています。もちろん、保護者の方が子どもにとってよい習い事だと判断すれば、べびーくもんから始めたり、3.4歳から受講したりしても問題はありません。

ただし、あまり年齢が低いと理解ができず、日々プリントに取り組むのが子どもの負担になる可能性があります。問題が理解できないうちは保護者の方が一緒に進める必要もあるため、子どもだけでなく「親の負担」も大きいといえるでしょう。

低年齢からスタートするのは「だめ」ではありませんが、子どものやる気や保護者がどれだけ時間やお金をかけられるかなどを踏まえての検討をおすすめします。

元教育のプロがこっそり教える子供教育ブログ https://children-one.com/kumon-from/

くもんは何歳まで続ける?辞めるタイミングはどう決める?

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学習習慣や授業に「ついていく」という観点から、小学校入学前からのスタートがおすすめのくもん。調べて見ると「何歳まで続けるか」を悩むケースも少なくないようです。

最後に、くもんを何歳まで続けるとよいか、辞める決断をするタイミングなどを解説します。

「何歳まで」という縛りはない!しかし…

大人も学べるくもんなので、「何歳までしか通えない」ということはありません。「くもんで学びたい」という気持ちがあれば、何歳になっても学習の場を提供してくれるのは、くもんの魅力の1つです。

しかし、実際は中高生になってもくもんに通い続けるケースは少ないといえます。学年別の会員数データなどは公表していませんが、以下の2020年のアンケートの回答者データをご覧ください。

KUMON公式サイトより


未就学児や低学年の回答数が多く、高学年になると徐々に減少。実際の会員数とは異なるものの、中高生の会員は非常に多いわけではないことがわかります。では、具体的にどういったタイミングでくもんを続けるか辞めるかを判断するとよいのでしょうか。

KUMON https://www.kumon.ne.jp/

学習塾への切り替えタイミングで辞める

集団授業の学習塾は、小学校4年生や5年生から対応しているケースが多いので、学習塾に行ける時期は、くもんを辞める大きなタイミングの1つだといえます。

低学年のあいだはくもんで学習習慣や計算力の定着を、高学年になったら授業と連動した学習塾の授業でより学校の成績に反映される内容を学ぶというのもよいでしょう。

キリのいいところまで学習が進んだら辞める

学習進度の区切りがつくところで辞められるのは、1人ひとりの学習ペースに合わせた教材を提供してくれるくもんならではだといえます。算数の中1レベル(G過程)を修了したら辞めるなど、予め親子で目標を決めておくのもよいでしょう。

最終目標だけでなく、「○歳までに~過程」と細かな目標を設定すると、日々の学習意欲アップも見込めます。

中学受験対策のタイミングで辞める

中学受験を希望する場合は、小学校3、4年生くらいで辞めて受験対策にシフトするのもよいでしょう。くもんは中学受験対策に適しておらず、公式サイトにも「KUMONの教材は、受験用に作られたものではありません。」と書かれています。

しかし同時に、「高度な基礎学力や自学自習力はもちろん、読解力、数学的分析力、論理的思考力といった中学受験に必要な力も身につけられます。」とあり、幼少期からくもんを続けること自体が「中学受験をするにあたって無駄」ではなく、むしろプラスに働きます。

くもんだけを続けて私立中学に合格した例もあるようですが、やはり受験対策向けの学習塾ならではのメリットもありますので、「受験」を1つの区切りとするのも選択肢の1つです。

習い事の数やスケジュールで判断するのも◎

くもんは、週2回の教室学習が基本です。家庭の都合で週1回にすることもできなくはないようですが、月謝が安くなることもありませんし、回数が少ないぶん1回の課題が多くなる可能性もあります。

習い事の数が少ないうちは、くもんに週2回通うのも問題ないでしょう。しかし、「子供の習い事図鑑」のアンケートによると、小学生の習い事の平均数は2.39個。2つ以上の習い事をしている子どもも少なくなく、その習い事も週に1度とは限りません。

勉強ももちろん大切ですが、スポーツや芸術系の習い事に打ち込む子どももいます。新たに習い事を始めたい、習い事のスケジュールが変わるタイミングも、くもんを辞める1つの区切りになるのではないでしょうか。

都心で3人子育て https://3ninkosodate.com/education/000051/
子どもの習い事図鑑 https://startoo.co/topics/73672/
KUMON https://i-kumon.kumon.ne.jp/i-kumon/articles/kaiketsu/87
 https://i-kumon.kumon.ne.jp/i-kumon/articles/kaiketsu/107

くもんは何歳から何歳まで習ってもOK!タイミングは子どもの成長や意思も重視しよう

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0歳から大人まで、幅広く学びの場を提供してくれるくもん。何歳から始めるかは子どものやる気次第というところもありますが、ベストな年齢は5~6歳だといえます。

何歳まで続けるかは「何かしらの区切りで」と決めておくと、目標に向かって頑張りやすくなるのではないでしょうか。もちろん、くもんの学習スタイルが合っていれば中学生・高校生まで続けるのもおすすめです。

私自身、年長から小学校2年生までくもんに通っていました。習い事が増えたため早々に辞めてしまいましたが、続けていたら苦手な算数ももう少し得意になっていたのかな、と思うこともありますが…。ほかに頑張りたいことがある状況では結局続かなかった可能性も高いので、本人のやる気は重要だと実感しています。

子ども自身が学ぶ意欲があるかも確認しながら、学力アップにくもんを活用しましょう!

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

大学・大学院にて日本語学を専攻し、修了後は日本語学校に非常勤講師として勤務。2018年よりウェブライターに転身し、さまざまなメディアで記事を手がける。2人の子を持つ「ママライター」として、日々育児に仕事に奮闘中。

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