ピアノは何歳から始める?スタート前に注目したいポイントは

5歳・7歳の息子を持つママライター、永野栄里子です

男女問わず、ピアノを習い事にするケースは増えています。子どもに習わせようか迷っている保護者の方は、何歳から習うとよいかわからないということも、あるのではないでしょうか

今回は、ピアノを何歳から始めるとよいのか、理由とともに解説します。身につく力や教室の選び方のポイントもまとめていますので、参考になれば幸いです。

目次

【ピアノは何歳から?】ベストは4~6歳!その理由は

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結論からいいますと、ピアノを習うのにおすすめの年齢は4~6歳です。保育園・幼稚園などの年少から年長くらいで習い始めるとよい理由は、大きく3つあります。

絶対音感が身につきやすい

「絶対音感」という言葉はよく耳にしますが、音感には「絶対音感」「相対音感」の2つがあります。絶対音感は1つの音を聞いただけで音階がわかるもので、相対音感は、1つの音を基準に、音の高さがわかるというものです。

ピアノを4~6歳頃に習い始めると、絶対音感が身につきやすいといわれています。聴力は3歳を過ぎた頃から発達しだし、その成長は4~5歳でピークを迎え、8歳くらいでほぼ完成します。

ピアノを弾くためには、音が間違っていないか判断するための聴力も欠かせないため、自然と絶対音感が身につく可能性が高い、というわけです。

脳によい影響を与えやすい

聴力だけでなく、脳が急激に発達するのもこの時期です。20歳を最高値とした場合、発達度合は4歳で8割、6歳で9割にまでなっているといわれており、著しい発達を迎える4~6歳のあいだにピアノで指や頭を使うと、発達によい影響を与えます。

ピアノは両手を動かすので、右脳と左脳の両方に刺戟を与えることも可能です。脳の伝達がより円滑になることに加えてリズム感も養われるので、演奏はもちろん、ダンスのように体を動かす際にもピアノで培った力が生かせます。

落ち着いてレッスンを受けやすい

ピアノはじっと座って弾くものなので、落ち着いて座っていられるかも重要です。個人差もありますが、4歳を過ぎると指示を聞いたり長時間座っていたりすることが苦痛ではなくなってくることも多いでしょう。

落ち着いて集中できる時間が長ければ、その分上達のスピードもアップします。子どもが「できるようになった」と自信を持ち、さらに上のステップへ進む意欲を持って取り組めるのも、4~6歳頃にピアノを始めるとよい理由の1つです。

【ピアノは何歳から?】2歳、3歳で始めるのはよくない?

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何歳からしか始められないという決まりはないので、2歳、3歳などの低年齢からスタートしても、問題はありません。しかし、年齢の低い子どもはじっと座ったり指示を聞いたりするのが難しい場合もあります。

また、ピアノは子どもと大人でサイズが変わるわけではないので、手や指が小さな子どもには鍵盤が大きすぎてうまく弾けない可能性もあるでしょう。

ピアノ教室では年齢に応じた内容を用意しているので、年齢が低ければリズムや歌など、1人ひとりに合ったレッスンを展開してくれます。しかし、なかなかピアノの練習に移行しなければ保護者が不満に感じることもありますし、せっかくピアノの練習が始まっても、上達のスピードが緩やかだと達成感を得にくいかもしれません。

絶対にダメということはありませんが、適切な年齢でスタートしたい場合は4歳を過ぎてからをおすすめします。

こどもまなびラボ https://kodomo-manabi-labo.net/when-to-start-piano

ピアノを習うメリット

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長年、習い事ランキング上位にランクインしているピアノ。多くの保護者がピアノを習わせたいと思うのは、当然得られるメリットが大きいからでしょう。ここからは、ピアノを習うことで、どのようなよい影響があるのかを解説します。

授業での活躍シーンが増える

小学校1年生になると、音楽の授業で「ピアニカ」のテストをする学校も少なくありません。また、学年が上がれば合唱での伴奏など、ピアノを弾ける人が活躍する機会は増えていきます。

ピアノが弾ければ伴奏者や楽器隊に挑戦できるので、学校でも習い事で身につけた力を発揮できます。音感やリズム感は、合唱やダンスなどにも応用できるでしょう。

人前に立つ機会ができる

多くのピアノ教室では、発表会を実施しています。定期的に人前で演奏する機会があることで、「大勢の前で何かをすること」への不安や緊張に慣れていくのも、ピアノを習うメリットです。

また、発表会という1つの目標があれば、そこに向けて「頑張ろう」というモチベーションアップにもつながります。

演奏の土台作りができる

ピアノで培った音感やリズム感は、ほかの楽器の演奏にも応用できます。年齢を重ねると、ギターやドラムなど、さまざまな楽器に興味を持つことも増えますし、吹奏楽部に入部すればピアノ以外の楽器を任されることがほとんどです。

もちろん、初心者でも始めやすい楽器もありますが、ピアノで演奏の土台ができていれば、楽器が変わってもスムーズに演奏を楽しめる可能性が高まります。

記憶力・集中力が身につく

音符や記号が読めないと楽譜を見ても演奏はできないので、基礎知識を覚える必要があります。また、発表会やコンクールでは楽譜を持ち込まない(持ち込めない)こともあるので、自然と記憶力が高まります。

せっかく曲を記憶しても、集中力が途切れると間違えたり演奏が止まったりしてしまうため、ピアノには集中力も欠かせません。鍛えられた記憶力や集中力は、ピアノだけでなく生活のさまざまな場面で生かすことができます。

小林音楽教室 https://www.kobayashi-music.com/tips/kids-piano/

ピアノを習う前に保護者が知っておきたいポイント

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ピアノを何歳から習うとよいかということ以外にも、保護者が事前に知っておくとよいポイントはいくつかあります。よりよい教室で子どもの力を伸ばすためには、どういった点に注目するとよいのでしょうか。

月謝やレッスン頻度

どのような習い事においても、月謝やレッスン頻度は重要です。習い事はできれば長く続けたいものなので、あまり高いと経済的な負担も大きくなります。

教室にもよりますが、ピアノの月謝の相場は5,000円前後、レッスン回数は1回20~30分で月3~4回です。加えて、入会金やテキスト代、設備利用料などがかかる場合もありますし、発表会の出演にも費用が発生します。

先生との相性

評判のよい先生でも、子どもとの相性があまりよくないと、レッスンに通いたくなくなる、なかなか上達しないということにもなりかねません。子どもが楽しく通える雰囲気かどうかは、体験レッスンや見学で事前に確認しましょう。

厳しいほうが伸びる子どももいれば、のびのびとした雰囲気だと楽しいだけで上達につながらない子どももいます。どういった教室が合うかは十人十色ですので、周囲に複数の教室がある場合は、比較・検討するのがおすすめです。

子どものやる気

保護者の方がいくらピアノのよさを知り、通わせたいと思っても、子ども本人のやる気がなくては意味がありません。練習を怠ったことを注意しても、「自分がやりたいといったわけではない」と言い訳されてしまえば、それまでです。

子どもにピアノを習う意思があるかは、スタートのための重要なポイントだといえます。4歳を過ぎれば楽しいことややりたいことがはっきりとして、意思を伝えられる子どもも少なくありません。

低年齢では自分にやる気があるかわからない、やる気の有無を上手く伝えられない可能性もあるため、4~6歳はやる気の見極めにもベストなタイミングです。

ピアノを購入する必要があること

ピアノに限らず、習い事は週に1度通ったからといって上達するものではないことは、多くの保護者の方が理解しているでしょう。

余談ですが、筆者も小学校高学年から通っていた学習塾で、「ここは魔法の塾ではありません。週に2回来て座っていれば成績が上がるわけではないので自主学習をしてください」と、先生がお話されていたことをいまでも覚えています(笑)。

ピアノも、教室で習ったことを自宅で復習・定着させる必要があり、そのためにはピアノの購入も必要です。最近は電子ピアノが10万円以下で購入できるケースも多いですが、決して安い出費ではありません。

ピアノを習うならピアノを購入しなければならないこと、自宅のピアノを活用するためにも、子どもがやる気を持って取り組めるか判断することを、忘れないようにしましょう。

自宅での練習も欠かせないこと

前述の通り、自宅でのピアノの練習は欠かせないのですが、よっぽどピアノが大好きな子どもでない限り、毎日自主的に、決まった時間練習することはほぼないでしょう(好きだけどいわれないと練習はしない、という子どもはわが家にもいます…)。

自宅での練習を習慣化するには、保護者の方の努力も必要です。

声かけをすることはもちろん、タイマーを使ったり回数を決めたりしてメリハリをつけること、「ピアノの練習がおわったらおやつの時間にする」「練習をしたらシールを貼る」といったご褒美を用意することなど、さまざまな工夫で自宅でもやる気を引き出しましょう。

その他費用もかかること

月謝や諸費用のほかにも、ピアノは「お金がかかる」ことが多い習い事だといえます。たとえば発表会では、女の子はフォーマルなワンピースやかわいらしいドレスを着ますし、男の子もスーツのようなフォーマルな装いをするのが一般的です。

上達して、コンクールや発表会以外の演奏の場に出る場合は、出場料はその分かさみます。衣装も季節や子どもの成長に合わせて買い替える必要があるので、レッスン以外にかかるお金も考慮して検討することをおすすめします。

椿音楽教室 https://tsubaki-musicschool.com/blog/useful-column/22351/
ママソレ https://mama.chintaistyle.jp/article/piano-from-how-old/

ピアノは6歳までに始めると◎音楽を通してさまざまな力を磨こう!

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ピアノを何歳から習うか迷ったら、4~6歳のあいだがおすすめです。この時期の子どもは著しい成長を迎えるので、ピアノの存在がよい影響を与えてくれる可能性が高いといえます

わが家の息子たちは長男が5歳、次男が3歳からピアノを習っており、長男はみるみる上達しました。次男は1年半ほど「ド」の場所もわからない状態でしたが、5歳を過ぎた頃か簡単な曲なら覚えて弾けるようになり、6歳を目前にした最近になってようやく「リズム感」を意識して弾けるようになったところです。

個人の能力の差もあるため一概にはいえませんが(次男の成長ペースはゆっくりなほうだと思います)、早ければよいわけではないのは身をもって実感しています。しかし、小さいうちに音楽に触れる、習い事をするという習慣がついたのはとてもよいことだと思うので、ご家庭で相談し、ベストなタイミングでピアノを始められるとよいですね。

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

大学・大学院にて日本語学を専攻し、修了後は日本語学校に非常勤講師として勤務。2018年よりウェブライターに転身し、さまざまなメディアで記事を手がける。2人の子を持つ「ママライター」として、日々育児に仕事に奮闘中。

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