子どものプログラミングは何歳からがベスト?タイミング別のメリットも解説!

5歳・7歳の息子を持つママライター、永野栄里子です。

「英語」や「プログラミング」など、自分が小学校の頃にはなかった授業が実施されている昨今。「学校以外の場所に習いに行ったほうがいいのか」「習うとしたら、何歳から?」と考える保護者の方も少なくないでしょう。

今回は、プログラミングを何歳から習うとよいのか、開始タイミング別のメリットやデメリットを踏まえて解説します。どういった力が身につくかなども知り、習い事の選択肢として検討してみてください。

目次

小中学校で必修化にもなったプログラミングとは

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「プログラミング」と聞くと、システムやアプリケーションなどの開発を連想する方もいるかもしれません。しかし、小中学校で必修化となったプログラミングの授業は、こうした専門的な知識を学ぶのではありません。

プログラミングとは

コンピュータ用語で「プログラミング」は、計画実現のために手順を作成・実行させることをいいます。たとえば、ゲーム機やゲームソフト、家電、ウェブサイト、乗り物、ロボットなど、私たちの生活のあらゆる場所でプログラミングが活用されています。

こうしたプログラミングを行う仕事を、「プログラマー」といいます。「SE(システムエンジニア)」とプログラマーは同じだと思っている人もいますが、SEはプログラムの設計をする人で、実際にプログラミングをするのはプログラマーです。

小中学校でプログラミング教育が必修化

小学校では2020年度、そして中学校では2021年度から、プログラミング教育が必修化となりました。などというと、「小学校からプログラミングのための専門的な用語や技術を学ぶの!?」と思われるかもしれませんが、目的は「プログラミング的思考」を養うことだといえます。

「プログラミング的思考」とは、意図する活動や目標を達成するために、どのように記号を組み合わせたらよいかを考えたり、さらに発展させるにはどうしたらよいのかを考え、実践したりする力です。こうした思考力をアップさせることで、物事を論理的に考えて課題解決に向かうことができるようになります。

プログラミングを学ぶのはなぜ?

プログラミング教育で、コンピュータに触れながら「プログラミング的思考」を学ぶと、私たちの生活のさまざまな場所に、プログラミングが活用されていることがわかります。

日常的に「この機械にはどんな指示が与えられているのだろうか」「こう動かすにはどう指示したらよいのか」を考えられるようになれば、さらに「プログラミング的思考」が養われるでしょう。

「プログラミング的思考」の活用はコンピュータだけに留まらず、自分の生き方や社会をよりよくするためにはどうしたらよいかを論理的に考える手助けもしてくれます。プログラミング学習は、小中学生にとって「生きるための力」を学ぶ時間だといえるのではないでしょうか。

みらいい https://miraii.jp/programming-59

プログラミングは何歳から習うといい?

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小学校から始まるプログラミング教育に備えてプログラミング教室などに通うとしたら、何歳から始めるとよいのでしょうか。前述の通り、子どものプログラミング教育はプログラマー養成講座ではないので、低年齢から活用できるスクールや教材も多くあります。

対象年齢を「4歳以上」としているスクールや教材もあるので、年齢の低いうちにスタートを切りたい場合は、4歳を過ぎたら習い始めるとよいでしょう。プログラミング教育は楽しみながら子どもの「考える力」を刺激してくれる内容も多いです。

しかし、問題や先生の指示の意味がわかる年齢でなければ難しいといえます。「早ければよい」というわけでもないので、2歳、3歳など年齢が低すぎる頃よりも、聞く、考える、意思を伝えることができるようになってからがおすすめです。

反対に、遅すぎるからといって意味がないわけではありません。小学校入学後、プログラミング教育が学校で始まってからスタートしても、「プログラミング的思考」を磨くことはできますので、子どもが興味を持ったタイミングでスタートするのも、選択肢の1つです。

QUREOプログラミング教室 https://qureo.jp/class/blog/blog-14479

【プログラミングは何歳から?】開始タイミング別のメリット・デメリット

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プログラミングは小学校入学前から始めても、入学後から始めても身につくことが多い習い事だといえます。いつ始めようか迷っている保護者の方は、開始タイミングごとのメリット・デメリットを知ると、お子さまにとってベストな時期を見極められるのではないでしょうか。

未就学児(4歳頃~)から習うメリット・デメリット

プログラミング教育を開始できる4歳頃から、小学校入学前までにスタートすると、小学校の授業に向けた事前準備ができます。遊びを通した学習で、楽しくプログラミング的思考を身につけられるのも、メリットの1つです。

しかし、年齢が低いとやっていることの意味がわからなく、いやになってしまうことも。この時期の子どもの成長スピードには個人差があるので、保護者の方が「4歳だしわかるだろう」と決めつけてしまうと、子どもにとってプログラミング教育が苦痛なものになる可能性があるので、注意が必要です。

小学校1、2年生から習うメリット・デメリット

小学校低学年になると、自分でパソコンやタブレットを操作できる子どもも増えてきます。身近なものがプログラミングによって動いているといった興味・関心から、前向きにプログラミング教育に取り組み、力を伸ばしやすいのは、この時期からスタートするメリットだといえます。

しかし、低学年からプログラミングの授業がある学校の場合は、「授業の先取り」にはなりません。また、小さな子どもも多いスクールに入ると、自分よりも小さな子どものほうが進んだ学習をしていることに、劣等感を抱いてしまうこともあります。

小学校3年生ぐらいから習うメリット・デメリット

小学校3年生以上になり、学校の授業が楽しくてスクールにも通いたいと思った場合は、習い事を通してプログラミング的思考をさらに高めることができます。プログラミング教育が子どもの特性に合っていれば、その他の教科の学習にも応用され、学力アップなども期待できるでしょう。

しかし、「プログラミングの授業が苦手」だという理由から習い事を始めると、より高度な学習についていけないことも。また、スマホやタブレット、ゲームなどのコンピュータの操作が苦手な子どもは、年齢が高くなってからゼロから学ぶことに抵抗感を持つ可能性もゼロではありません。

プログラミングは、年齢が上がってから習い始めることも可能です。しかし、子どもが前向きではないのに無理に通わせるのは、おすすめできないといえます。

LITALICOワンダー https://wonder.litalico.jp/news/column1906-04/

【プログラミングは何歳から?】習い事として通う魅力

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プログラミングスクールは昨今人気を集めており、習い事として選ばれることも増えています。プログラミング教育によって、子どもはどのような力を身につけられるのでしょうか。

デジタル機器を使いこなしやすい

デジタル機器の発展により、私たちの生活とコンピュータは切っても切れない関係となっています。学習にタブレットを導入する学校も増えており、いまやデジタル機器は、子どもたちにとっても身近な存在です。

プログラミング教育を通して、子どもたちはデジタル機器の仕組みを理解したり、よりよい活用法を考えたりできます。また、スクールでタブレットなどを使うことも多いので、自然と操作にも慣れるでしょう。

学校の授業で差がつく

プログラミング教育は必修化となったので、どの小中学校でも実施されます。学校の授業でプログラミングが登場したときに、スクールに通っていれば周りと差をつけられるのも、魅力の1つです。

学校での成功体験が自信となり、さらにプログラミングに興味を持つ、積極的に取り組むようになるといったよい効果も見込めます。

論理的思考力が身につく

習い事として深くプログラミングを学ぶうちに、論理的思考、つまり「プログラミング的思考」がアップします。筋道を立てて考える、ゴール達成のための手段を選択するという経験を重ねるうちに、生きていくなかで必要な力が自然と身についていくのも、プログラミング教育のよいところです。

大学入試にも影響が!

プログラミングと受験は関係ないと思われがちですが、2025年1月より、大学入学共通テストに「情報」が基礎科目として導入されます。恐らくですが、「情報」科目では、プログラミング的思考が必要となる問題も出題されるので、小さなうちから力をつけておくことは大切です。

また、論理的思考は国語や英語の読解、数学や理科の文章題、小論文の問題の理解と執筆など、さまざまな教科に役立つ力です。もし「情報」科目であまり求められなかったとしても、年齢の低いうちから磨いておいて損はない力だということがわかるのではないでしょうか。

デジタネ https://digitane.jp/online/topics/programming/12289/

プログラミングはどこで習えばいいの?

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学校以外の教育で、子どものプログラミング的思考を養いたいと思った場合、方法は大きく3つです。プログラミングスクールが近くにない場合も、オンラインや保護者の方の協力で、子どものプログラミング的思考アップを目指せます。

プログラミングスクール

プログラミングスクールは、教室に通って学ぶ「対面」スタイルです。先生が直接指導してくれますし、同じスクールに通う子どもとコミュニケーションを取りながら学べるので、理解も深まり楽しく続けられるでしょう。

スクールに通う場合、授業料の相場は月2回で6,000円前後、月4回だと7,000~18,000円ほどかかります。また、教材費や機材のレンタル料などの諸費用がかかることも多く、費用面や送迎など、保護者の負担が大きいのがデメリットです。

オンラインスクール

オンラインスクールは、自宅にいながらオンラインで学べる形態のプログラミングスクールです。送迎不要、移動時間ゼロで宿題やごはん、お風呂などの合間に習えるのは、オンラインスクールのよい点でしょう。

しかし、オンラインスクールの費用相場は、対面式のスクールとあまり変わりません。にもかかわらず、オンラインは基本的に先生と自分のみなので、習い事を通して友達ができる可能性が低く、また「自宅」というリラックス空間で、集中力が持続しにくいのは、デメリットだといえます。

近くにスクールがないなど、通えない事情がない限りは、対面でのスクールのほうがおすすめです。

保護者の指導

費用がネックだという場合は、保護者の指導でプログラミングを学ぶことも可能です。最近は、無料でスタートできるプログラミング教育アプリも多くリリースされており、希望のアプリへの課金代だけで手軽に学習を始められます。

しかし、子どものプログラミング学習のために保護者の方が時間を作る必要がありますし、どのようなアプリや教材がよいか、どういったステップで学習を進めればよいかなどを調べなければなりません。

忙しくて時間がない方、デジタル機器に慣れていない方は子どもよりも先に親が挫折してしまう可能性があるということも覚えておきましょう。

LITALICOワンダー https://wonder.litalico.jp/news/column1904/
コエテコ https://coeteco.jp/articles/10025

プログラミングは何歳からでも遅くない!+αの学習で力をつけよう

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必修化となったプログラミング教育は、「プログラミング的思考」を身につけ、磨いていくためのものです。4歳や5歳から通えるスクールもあるので、小学校の先取りで始めるのもよいでしょう。

プログラミングは何歳から始めても、遅すぎることはありません。子どもが興味を持ったら、ぜひ「よいよい生き方」を学ぶ意味も込めて、スクールを探してみてください。

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

大学・大学院にて日本語学を専攻し、修了後は日本語学校に非常勤講師として勤務。2018年よりウェブライターに転身し、さまざまなメディアで記事を手がける。2人の子を持つ「ママライター」として、日々育児に仕事に奮闘中。

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