福岡の書店員さん、君の推薦する本が読みたい【第61回福岡キミスイ本】

 福岡の書店員さんに福岡ゆかりの本を紹介してもらうファンファン福岡の「福岡キミスイ本」シリーズ。61回目は紀伊國屋書店 福岡本店(福岡市博多区)の八尋マキさんを訪ねました。あわせて、この時期に読みたい話題の6冊を紹介します。

目次

97歳料理家・桧山タミさんの丁寧な生き方に触れる

「97歳 料理家タミ先生の台所おさらい帖」桧山タミ著

紀伊國屋書店 福岡本店の八尋マキさんに聞きました

―こんにちは! 今回八尋さんが紹介される本を教えてください。
 桧山タミさんの「97歳 料理家タミ先生の台所おさらい帖」(2023年5月文藝春秋発行、1,870円、税込み)です。福岡出身の料理研究家・桧山タミさん(以下、タミ先生)が長年使用してきた道具の紹介やレシピが写真とともに掲載されています。

―この本を手に取ったきっかけは?
 元々料理本を読むのが好きで、タミ先生のことも知っていました。「だし巻き卵」や「チキンカレー」など、他の料理本にも載っているレシピが掲載されていますが、本書ではそれら全てが“タミ先生流”。ページをめくっていくうちに、タミ先生の家庭料理や道具のことをもっと知りたくなり、本書を購入しました。

「97歳 料理家タミ先生の台所おさらい帖」桧山タミ著

―実際に読んでみた感想は?
 長年愛用してきた道具からエプロン、くつまで載っていますが、どれも古さを感じさせず温かみがあってオシャレ。丁寧に大事に使われてきたのがよく分かります。掲載されている道具や料理一つ一つから、タミ先生の丁寧な暮らし、生き方が垣間見えますよ。

 自分では思いつかないような生活の知恵や心がけ、物の手入れなどが載っているので、私も日々の暮らしに少しずつ取り入れていけたらと思います。

―どんな人にオススメしたいですか?
 どんな世代の人にもオススメですが、特に若い方に読んでもらいたいです。エコとはまた違った物を長く使うことの大切さ、すてきさに触れるきっかけになるのではないでしょうか。

博多バスターミナル6階にある紀伊國屋書店 福岡本店

―紀伊國屋書店 福岡本店について教えてください!
 1995年に開店し、今年で28年を迎えます。書籍はビジネス書、専門書が特に充実。もちろん、文庫本や雑誌、コミックなども多く取り扱っています。今の時期は来年に向けた手帳、カレンダー、日記帳も◎。シンプルなデザインから、動物、占い系のものまで幅広く取りそろえています。

ビジネス書が充実◎

―現在「BOOKUOKA2023」が開催中ですが、関連イベントなどは?
 当店では11月20日(月)まで「福岡の書店員が選んだ激オシ文庫フェア」を実施中です。「ノンフィクション」をテーマに、福岡の書店員が選ぶ“激オシ文庫”がコメント付きで掲示されています。文庫コーナーにあるため、本を探す際の参考にしてもらえたら。

八尋さんの“激オシ文庫”も掲示

―八尋さんも選書をしたとか?
 はい。吉村昭さんの「高熱隧道(こうねつずいどう)」を選びました。実際にあったトンネル工事の話です。自然の猛威により何百人もの人が亡くなるも、それでも止められない工事に震えます。このほか30冊以上の本が並んでいるので、ぜひ手に取ってみてくださいね。

―ありがとうございました! あなたも料理や道具を通して、タミ先生の生き方に触れてみては。続けて話題の6冊を紹介します。

「脳科学が実証! 川島隆太教授の運転免許認知機能検査 合格対策脳ドリル」【Gakken】

川島隆太 ドリル監修、長 信一 検査監修/1,375円(税込み)

提供:Gakken

 75歳以上の「認知機能検査」は川島教授の運転脳トレで合格!と本書。最新脳科学による運転免許の認知機能検査対策本が日本で初めて登場しました。検査に必要な認知機能(記憶力・視空間認知力・情報処理力)を向上させる対策ドリルや、本番検査の64種イラスト問題も完全網羅。これ一冊で検査対策は万全となるのでは。

「ちょっと変えれば人生が変わる! 部屋づくりの法則」【青春出版社】

高原美由紀 著/1,650円(税込み)

提供:青春出版社

 心理学×脳科学で一級建築士が見つけた住まい空間の「しかけ」で人生が好転!「ソファの向きを変えただけで、家族の会話が増えて、家族関係がよくなった!」「机まわりを変えただけで、集中力がアップし仕事がうまくいくようになった!」など、そこで過ごしているだけで幸せになる“部屋づくりの心理学”が詰まった一冊です。

「新書100冊」【光文社】

高橋昌一郎 著/1,298円(税込み)

提供:光文社

 膨大な量の情報が、目まぐるしく流れる現代。その奔流にのまれ、本当に必要な知識を見失わないためには、何を読めば良いのでしょうか? 多彩な領域の専門家が、各分野の核心をコンパクトにまとめる「新書」はうってつけです。本書では、近年に刊行された5,000冊の新書の中から、いま読んでおきたい100冊を厳選。学問の最先端から、気になるニュースの背景まで現代のエッセンスが一冊に凝縮されています。

「ずぼら瞬食スープダイエット」【小学館】

松田リエ 著/1,540円(税込み)

提供:小学館

 カリスマ保健師の”瞬食ダイエット”第2弾は、脂肪がみるみる落ちる「ずぼら即効やせスープ」を大紹介! ”瞬食”とは、簡単ですぐに身につく「やせる食習慣」のこと。「味変」や「追い食材」で飽きない作り置きスープや即席の便秘解消スープ、下半身太り解消に最適な血行促進スープなど今すぐできる”瞬食”レシピが満載です!

「おひとりさま日和」【双葉社】

大崎梢、岸本葉子、坂井希久子、咲沢くれは、新津きよみ、松村比呂美 著/748円(税込み)

提供:双葉社

 “私を楽しませるのは、私─。他人にどう思われようと、自分にはこの暮らしがあっている”。主人公は48~84歳のいずれも一人暮らしの女性。人気女性作家6人が日常に起きたちょっとしたドラマを共感たっぷりに描いた6編が収録されています。発売後、即重版が決まった「おひとりさまのススメ」短編集を楽しんで。

「風景をつくるごはん」【農文協】

真田純子 著/2,200円(税込み)

提供:農文協

 農村は都市に「おいしく安全な農産物」や「快適な余暇を過ごす自然環境」を提供するだけの場ではありません。農村だけに一方的に努力を求めるのではなく、地域資源や文化の保全に配慮する各地域の「まっとうな経済活動」が報われる基盤をつくる必要があります。農村環境の文化保全に資する、農業を価値化する仕組みを考察、提案します。

 いかがでしたか? 冬に向けて心温まる一冊を見つけては。次回もお楽しみに!

著者情報

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