常夏の国タイ南部のアンダマン海に浮かぶ世界有数のリゾート島、プーケットの魅力を伝えるシリーズの最終回は、街並みや観光スポット、グルメ。中国やポルトガルなどとの貿易拠点として栄えた往時の街並みが残るプーケット・タウン、トラと一緒に撮影できるレジャー施設などを訪ねました。この地ならではのグルメとの出合いも。見どころも料理も多彩なプーケットは、何度も足を運びたくなるようなステキがあふれていました。
中国ポルトガル様式の建物が残るプーケット・タウン
プーケットは16~18世紀にスズの採掘と交易で栄え、中国・福建省やポルトガル、インドなどから多くの人が行き交った歴史のある都市です。その名残といえるのが、島の政治と経済の中心であるプーケット・タウン。この地を訪れた中国人やポルトガル人がつくった街として、シノポルトガル様式の建築物やカラフルなショップハウス(店舗付き住宅)が立ち並び、映画やドラマの舞台にもなっています。
絵になる旧市街の街並みを撮影しながら最初に向かったのは、街のシンボルといわれるスリンサークル時計塔の近くにある福建麵(ミーホッケン)の名店「ミートンポー」時計台本店。福建麵とは福建省から移り住んだ中国人が広めた焼きそばで、プーケットの名物。エビやイカ、豚肉、野菜と太い麺に濃厚なソースを絡めています。
1946年創業の老舗で「ミーホッケンならここで食べなきゃ」と現地の人イチオシの同店の味は、魚介のだしが効いた味わい深さが印象的。ほかにも辛みを加えたスパイシーなタイプやスープタイプもありました。生卵トッピングは注文時に聞いてくれます。
レトロでかわいらしい旧市街の散策を再開。おしゃれなカフェや老舗の薬局、宝石店などが並ぶタラン通り、スイーツ店が多いディーブック通りなどは電線の地中化が進んだとのことで、映えるショットが撮影できます。脇道に入った話題のスポットはスマホで自撮りする若い観光客でにぎわっていました。
ランチは、パンガー通り沿いの白い壁と大きなロブスターのオブジェがシンボリックな「トゥー・カップ・カーオ」へ。タイ南部の家庭料理が味わえるお店で、2021年版「ミシュランガイド プーケット」のビブグルマンに選ばれ、タイ国内の旅行客にも人気とか。
この日はゲーン・プー(カニ肉入り南部カレー)ライスヌードル添え、アスパラガスとエビのオイスターソース炒め、バイリヤンの葉と卵の炒めものなど、シーフードや野菜を使ったオリジナルメニューが並びます。どの料理も「アロ~イ!(おいしい)」、特にゲーン・プー(カニ肉入り南部カレー)は辛み、酸味、甘みのバランスが絶妙な味わいでした。
トラのおりの中へ!「タイガーキングダム・プーケット」
タイといえばゾウのイメージを持っている人も多いと思いますが、プーケットにはトラと触れ合える「タイガーキングダム・プーケット」が。施設内にはトラの子どもから大人までサイズ別に分けたおりが設けられていて、見物客はその中に入ってトラの体に触ったり、一緒に寝そべったりと、貴重な体験と撮影ができます。
触ってはいけない部位や走ったり騒いだりしないなどの注意事項のレクチャーを事前に受けて、4人程度のグループで大人のトラのおりの中へ。台の上に乗っているトラに恐る恐る近づいて背中や尻尾を触ってみたり、地面に寝そべっているトラの後ろに添い寝してみたり。日本ではできないドキドキ体験でした。
子どものトラは台の上に横たわり、眠るようにじっとしていました。係の人が「尻尾を触ってみて」「足を持ち上げて」などガイドしながら撮影タイムも取ってくれるので、トラとの触れ合いをしっかりスマホやカメラに収めることができました。