思春期真っ只中の小学5年生の息子。ハグの回数も昔に比べるとめっきり減ってしまいました。しかし、ある日仕事から帰ると息子とのハグが成功!… したかと思いきや、やはり小学5年生は一筋縄ではいかないのでした。小学5年生とママのリアルなハグ事情とは。
まるで別人になった息子
小学生の息子さん、とりわけ4年生~6年生の息子さんがいるご家庭に尋ねてみたいことがあります。お子さんは、まだ素直にハグをさせてくれますか?
わが家の息子は、昔は、まるでマンガに出てくるようなママ大好きっ子で、
「しょうらいはママとけっこんするー!」という夢のような言葉を、呼吸をするかのような頻度で言ってくれていました。ところが小学校の高学年になり、どっぷりと思春期につかった息子は、今ではまるで別人のようにあっさりとしています。
昔は、名前を呼ぶと
「はーい♪」と答えてくれていたところが、いまとなっては息子を呼んでも、ゲームをしながらこちらをチラっと見るだけ。
「今日は学校どうだった?」と聞いても、以前なら情景が目の前に浮かびそうなほど細かく様子を教えてくれていたのに、今は
「いつも通り」とひとこと返すだけ。いつまでも幼児のように可愛いままでいるはずがないし、これもひとつの成長だと喜ばなければいけないのは分かっているつもりですが、やはりなんとも言えない寂しさを感じるのです。
母は息子を抱きしめたい
ある日、スーパーで買い物を済ませて公園の横を通りがかったときに、幼稚園児を抱っこして笑うママさんの姿を見かけました。
なんとも幸せそうな姿にあてられた私は、「もしかするとこのままでは、これから先もうずっと息子のことを抱きしめられなくなるのでは?」と、とてつもない不安と寂しさに襲われました。
私は日に日に息子を思いっきりハグしたい欲にかられ、ことあるごとに息子を抱きしめようと試みました。息子が帰宅したときには、両手を広げて
「おかえり~」。テストの点が良かったときには両手を広げて
「やったね!」。学校へ行く前には両手を広げて
「いってらっしゃい」。息子にいろいろなシーンでハグをねだってみましたが、そんな母の姿を見て、息子は鼻で笑うだけ。なんとも冷たいものです。
ハグに成功する!?
ある日、仕事中に発生した理不尽なクレーム対応でぐったり疲れて帰宅すると息子が先に帰宅していたので、
「ママ疲れたよー」と言って、両手を広げていつものように息子にハグを求めてみました。
するとどうでしょう! いつもは鼻で笑うだけの息子が、いつにない優しい笑顔で両手を広げ、素直に私を抱きしめてくれたのです! 久しぶりの息子のハグは、記憶に残っている幼少期のハグよりもずっと力強くたくましく、腕も長くなっていて…。
知らず知らずのうちに、しっかりと成長している息子の姿に感動! と思いきや、次の瞬間、息子は私の腰にしっかりと両手を回し、
「どすこいどすこい」と言って、私を部屋から押し出したのです。
せっかくの久しぶりのハグが息子のひとことで台無しに。これには思わず、私も
「誰が力士やねん!」と笑ってしまいました。笑いながらも、確かに最近太ったし少しダイエットしなきゃいけないなぁと反省しつつ、それでも息子としっかりハグできるなら、ママ力士のままでもよいかなと思ったりもするのでした。
息子のハグは理想のハグとは全く異なる様子でしたが、応じてくれるだけありがたいとも思うのです。いつまで応じてくれるのかはわかりませんが、また息子とハグがしたいです!
(ファンファン福岡公式ライター/猫にコバヤシ)