ある日、私がインフルエンザにかかり、2歳の娘を抱えながらも寝込んでしまいました。そこで私の両親が娘を公園へ連れて行ってくれることになりましたが、好奇心旺盛な娘は勝手に一人でどこかへ行ってしまいます。そんな孫を見て、両親は木の陰に隠れて少し様子を見てみる事に。迷子になったと気付いた娘が取った驚きの行動とは…。
インフルエンザに罹ってしまった
普段から風邪をひくことがほとんどない私は、体調を崩して寝込むことなんて他人事だと思ってました。ところが、人生で初めてインフルエンザで寝込んでしまいました。
当時2歳になったばかりの娘は好奇心旺盛の超アクティブ派。放っておいたら、家の中で何をしでかすかわからないといった性格です。食事はレトルトで何とかなりましたが、頭痛と関節痛で起き上がることも精一杯の私には、これ以上娘のお世話をするのはお手上げ状況になってしまいました。
祖父母が公園へ連れ出してくれることに
そこで、救いの手を差し伸べてくれたのが私の両親です。ちょうどこの時、私の実家の近くに引っ越してきたばかりだったので、さっそく娘をお願いすることにしました。「実家の近くって助かるなぁ」とつくづく思いました。
お願いする前は、寝込む私を患者に見立ててお医者さんごっこをして遊んでいた娘。さすがに体力が有り余っていたようで、
「お外にあそびにいきたい」と言ったので、車で30分ほどの場所にある芝生の広がる公園へと出掛けてもらうことになりました。
隠れて娘の様子を見てみることに
その公園は、広大な芝生が一面に広がる気持ちのいい場所で、初めて来た娘も大興奮! ちょうど歩くのが楽しいお年頃だったこともあり、ひたすら歩き回ったり、転げ回ったりしていたそうです。
午前中から遊びまわったこともあり、お腹がすいてお昼ご飯に。木陰にレジャーシートを広げ、自分で選んだパンを夢中で食べている娘を、両親は微笑ましく眺めていました。
しかし、少しすると立ち上がり始め、楽しい事を探しに食べながら動き出す娘。とにかく全然じっとしていないんです。そんな訳で早々に昼食を終え、遊び再開です。
急いで両親がレジャーシートを畳んだり、荷物をまとめたりと、ちょっと目を離した隙にどんどん一人で歩いて行ってしまいます。両親は近くにあった太くて大きな木の後ろに隠れて、そこから娘の様子を見てみることにしたんだそうです。
迷子だと気付いてからの対応がすごかった
しばらくして、振り返ると誰もいないことに娘は気付きました。キョロキョロとあたりを探し始めます。
「さぁ、ここからどうするかな… 泣き出すかな?」と両親は様子を伺いながらも、泣き出す前には木の後ろから出ていこうとしたその時! ちょうど近くにいた老夫婦に、娘が声をかけました。少し離れた木の陰からでもはっきり聞こえる大きな声で
「Aちゃんの、じいじばあばは、どこにいきましたかぁ~?」と、どこで覚えたのかカタコトな敬語で質問していたんだそうです。泣くでもなく、悲しむでもなく、ひょうひょうと話しかけている娘を見て驚きつつ、もう少し様子を見たくなった両親はまだ隠れていました。
親切な老夫婦が
「えっ?! 迷子になっちゃったのかな?」とあたふたしてしまい、申し訳ないので早々に両親が登場したところでまた娘が一言、
「じいじ、ばあばいましたぁ~!」と、すごいものを発見した時のように喜びながら、老夫婦に報告したんだそうです。
この一言に、老夫婦も両親も思わず笑ってしまったそうです。落ち着きはない娘ですが、生き抜く力はすごいと感じた出来事でした。
両親は今でも大笑い
一連のやりとりを見ている間、両親はびっくりしながらも、木の陰で笑いをこらえるのに必死だったそうです。
私が小さい頃は、不安だとすぐ泣くか、黙ってしまうような子だったので、孫のこの肝の据わっている感じは私の両親からしてみると、とても新鮮なようで関心していました。
現在10歳になった当の本人に聞いてみると、
「私ってすごいね~」と笑っていますが、その動じない気質は今でもしっかり残っています。三つ子の魂百までですね。
(ファンファン福岡公式ライター / めめこ)