サンタクロースはトナカイのそりに乗ってやって来て、煙突から入ってプレゼントを置いてくれる… と絵本にもよく描かれています。しかし煙突のない家にサンタはどうやって入るのでしょう。そんな疑問をもった4歳長男は、サンタを家に呼び込むためにある作戦を考えたのです。
保育園で知ったサンタクロースの事実
ある年の12月、わが家ではリビングにクリスマスツリーを飾り、子どもたちはクリスマスを楽しみにしていました。そんなある日、保育園から帰ってきた息子はぐるりと家中を見渡しました。そして、焦った様子で私に言ったのです。
「ママ、サンタはえんとつから入ってくるんだって!」
焦っている息子を見て笑ってしまいましたが、息子の顔は真剣そのもの。保育園の読み聞かせでクリスマスの絵本を読んでもらったようでした。
わが家に煙突はありません。息子はサンタが来てくれないと心配しているようでした。
サンタクロースが来るか心配する息子
その頃から、息子はよく
「サンタさん、うちにこれるかな」とつぶやくように。そのたびに
「大丈夫だよ!」と言っていたのですが、息子は納得していないようでした。
絵本やチラシなどに描かれるサンタを見ては
「やっぱりサンタさんはえんとつの家に行ってるね…」と不安そうな顔でよく言っていました。
わが家では、サンタクロースへの手紙を書いて、ツリーの上に置くようにしています。その年も息子はサンタクロースに向けて手紙を書きました。字は書けないので、欲しい物の絵を一生懸命に描いていました。
ツリーの上に手紙を置くときにも
「どうかおうちに来てください」とお願いしながら置いている息子。息子は心配でたまらないという表情なのですが、親からしたら可愛いなという思いでいっぱいでした。
24日の夜 まさかの事態が!
そして24日の夜。息子はツリーを気にしながらも、2階の寝室へ。
息子が眠りについた頃、私はこっそり起き出してリビングへ行きました。毎年ツリーの下にプレゼントを置くことにしているからです。
しかし、プレゼントを持ってリビングに降りると、リビングがとても寒いのです。わが家は24時間空調なので、そこまでリビングが冷えることはありません。それなのにこんなに寒いのはどうしてかと不思議に思いました。
そして、ツリーに近づいてようやく気付いたのです。なんとツリーの横の掃き出し窓が全開に!
開けたのは息子で間違いないでしょう。サンタクロースのために開けたのかなと思うと、驚きと可愛さとで思わず笑いがこぼれてしまいました。
窓を閉めてそっとプレゼントを置き、翌朝の息子の反応を楽しみにしてまた眠りにつきました。
長男の様子にほっこり
翌朝、いつもよりも早く起きてきた息子。早速ツリーの下へ行くと
「プレゼントあった!」と大喜び。
それから、ブラインドをずらして窓を確認していました。窓が閉まっていることに気付いた息子は
「サンタさん、しめていってくれたんだね。ありがとう」と、外に向かってお礼を言っていました。
「サンタさんのために窓を開けておいたの?」と聞くと、息子は満面の笑みで
「そうだよ! サンタさんがちゃんとはいってこれてよかった」とほっとした様子。
そんな私も、息子の喜ぶ姿を見てほっとしました。
息子は私に
「ママはプレゼントもらえないの? かわいそう」と言ったことがあります。しかし、私は子どもの喜ぶ顔が親にとってのプレゼントだな、と毎年思っています。
(ファンファン福岡公式ライター / ちこた)