「お小遣い」は子どもにとっては嬉しい制度ですが、親にとっては心配がつきもの。わが家もお小遣いがきっかけで、10歳の娘と大喧嘩をしてしまいました。しかし、喧嘩の後にはまさかの出来事が。クリスマスに起こった、素敵なサプライズの話を聞いてください。
10歳の娘、待望のお小遣い
10月に誕生日を迎えた娘は、10歳になりました。
誕生日ケーキの火を消し、バースデーソングを歌った後に誕生日プレゼントを渡す。それがわが家流の誕生日の祝い方ですが、今回の誕生日にはもうひとつサプライズプレゼントを用意していました。
それは、子どもの憧れ「お小遣い制度」。お金の使い方に少しずつ慣れてほしいため、月に1,000円ずつおこづかいを渡すことにしたのです。
娘は嬉しそうな表情で驚いたあと、
「大切に使うね!」と約束をしてくれました。私も
「何に使ったかは教えてほしいけれど、好きなように使っていいからね」と笑顔で伝えました。
しかし、娘は一切お小遣いを使う様子がありません。12月になり3,000円にまで増えたおこづかいをみつめながら、ただニコニコと微笑んでいるのです。
どこかに消えた3,000円! 娘と大喧嘩
しかし12月の中旬、娘とショッピングモールに出かけた日に事件が起こりました。
娘が
「10分だけ1人でお買い物がしたい」といったので、私は快諾。娘が雑貨屋で買い物をしている間、近くのベンチに座り、ゆっくりとくつろぎながら待っていました。
しばらくすると、娘は買い物袋をにぎりながら戻ってきました。私は深い意味もなく
「何を買ったの?」ときいたのですが
「秘密!」としか答えない娘。
“秘密”という言葉に違和感を感じた私は、
「いくら使ったの?」と尋ねました。すると娘は笑顔で
「全部使っちゃった!」と答えたのです。
怒るべきことではなかったものの、“買ったものを秘密にされたこと”と“3,000円を1度に使っても平気な言動”に苛立ってしまい、私はつい
「お金を大切に使えないなら、もうおこづかいはあげられないからね!」と娘を叱ってしまいました。
すると娘は
「私のお小遣いなんだから黙っててよ!」と激怒。その後私達は黙り込み、不穏なまま家路につくことになりました。
クリスマスのサプライズ
それから2週間、私達の関係はぎくしゃくしたままでした。もちろん仲直りはしたいのですが、ムスッとしている娘をみると、優しい言葉がなかなかでてこないのです。
そんな状態で迎えたクリスマス当日の朝。私は衝撃の真実を知り、涙が止まらなくなったのです。
朝目覚めると、私の枕元に、大好きなキャラクターのぬいぐるみが置かれていました。
夫は単身赴任で家にいないため、サンタクロースの正体はおそらく娘! 私が欲しかったぬいぐるみの金額は2,700円前後なので、プレゼントの金額も娘のお小遣いと一致しています。
疑ってしまった申し訳なさと喜びでいっぱいになり、涙がとまらなくなった私。
すると、隣のベッドで眠っていた娘が私の泣き声で目覚めました。そして、恥ずかしそうに
「いつもありがとう。ママもがんばっているからサンタさんが来たんだね!」と微笑んでくれたのです。
一生忘れられないクリスマス
私は嬉しくなり、娘を強く抱きしめました。
「痛いよ〜」と笑う娘。
私はこの日まで言えずにいた
「本当にごめんね。お小遣いの使い道をうたがってしまって、理不尽に責めてしまって…」という言葉をやっと伝えることができました。
私達親子はこの日にやっと仲直り!
娘がプレゼントしてくれたぬいぐるみと、娘に届いたクリスマスプレゼントで楽しく遊んだ“一生忘れられない 娘がサンタクロースになった日”になりました。
(ファンファン福岡公式ライター / 綿毛たんぽぽ)