忘れ物が多い子どもに悩む親へ。元保育士おすすめの対策法やアドバイス

「うちの子持ち物の管理が上手にできないな」「また忘れ物している!」小学生の子どもに対してそんな悩みを持つ親も多いはず。元保育士ライターもそんな親の一人です。いつまで子どもの持ち物を確認するべきなのか、何か適切なサポートの仕方はないのか、今回は忘れ物が多い子どもへ対策法について考えてみました。

目次

なぜ忘れ物をしてしまうの?

写真AC

そもそも、子どもが忘れ物をしてしまうのはなぜなのでしょうか。その理由や背景はいくつかの要因が重なることで起きているかもしれません。性格?遺伝?まずはお子さんが忘れ物が多い理由を考えてみましょう。

整理整頓が苦手

自分の部屋や、机の中など整理整頓が苦手な子は、どこになにがあるかを把握しておらず、物の管理が上手にできていないことが多いです。

学校のプリントや提出物を机の中に入れっぱなしにしており、気づいた時には奥の方でぐちゃぐちゃになっているなんてこともあるでしょう。整理整頓ができていないと、持ち物は覚えていても、どこにあるのかが見つけられず結果忘れ物が多くなってしまうということも。

持ち物を確認をしない

めんどくさがりな性格や、楽観的な子は、前日に持ち物の確認をせず「大丈夫! 大丈夫!」「明日やるからなんとかなるよ」などときちんと持ち物の確認をしないことが習慣化しているかもしれません。

大人からしたら、数分で終わる準備がどうしてできないのかとも思ってしまいますが、本人が気にならないのですから持ち物チェックをしないのです。

忘れても気にしない性格

子どもの性格はさまざま。一度忘れ物をしてしまって先生に怒られたり、自分自身で困った経験をすると次からは直そうと思う子もいるでしょう。しかし、忘れ物して怒られてもあまり気にならずあっけらかんとしている子も。

そのような場合は、子ども自身が困らないのでなかなか治らず忘れ物が続いてしまいます。

時間がなくて急いでいる

朝起きるのが遅い子や、のんびり支度をしている子は登校時間がギリギリになってしまうことも多いのではないでしょうか。そのような時は親に急かされたりして子どもも慌ててしまい、うっかり忘れものをしてしまう場合も。

夜は習い事で忙しく、ゆっくりと前日準備ができないまま寝てしまうということもあるでしょう。

親の過干渉・過保護が原因

忘れ物が多い子の中には、小さな頃から親が持ち物や着る服などを準備しまっていて、本来自分でできるはずの身支度ができなくなっているということもあります。

子どもが困らないようにとついつい手をだしすぎてしまうと、子どもの自主性が育たず親にやってもらうのが当たり前と思い込んでしまう子もいるでしょう。忘れ物を親が学校まで持っていくなどの対応も、“どうせ忘れてもお母さんが届けてくれるし…”などと思い甘えてしまう子も。親の過干渉や過保護も忘れ物が多い原因になりかねません。

ADHDなど発達障害の特徴によるもの

何度言っても忘れてしまう時や、数秒前に言ったことを忘れてしまう・準備よりもやりたいことを優先しないときがすまないというような場合は、ADHDなどの発達障害が原因になっていることも。

忘れ物が多い=発達障害ということではありません。しかし、あまりにも忘れ物が続く場合や、整理整頓が苦手・整理の仕方にこだわりが強いというのは発達障害の特徴でもあります。

忘れものが多い子は将来どんなことに困る?

忘れ物が多い子は、今は親がサポートしてあげられることもあり日常生活であまり困難を感じていないかもしれません。しかし、今の状態のままでは中学生や高校生、大人になってから困りごとがぐっと増えてしまいます。

大事な場面で失態を

自分自身で持ち物の管理がきちんとできていない子は、大事な場面でうっかり忘れものをしてしまった!なんてこともなりかねません。学生生活での一番の懸念は受験の時。受験票や持ち物を家に忘れてしまった!なんてことになったら一大事ですよね。

社会にでても、提出期限を忘れてしまったり、約束の日程を確認していないなど仕事でも迷惑をかけてしまうこともあるでしょう。

時間にルーズになりやすい

忘れっぽい性格の子は、時間の管理なども苦手な傾向があります。大事なことを後回しにしてしまったり、スケージュール管理がうまくできずに困ってしまうことも。計画的に物事を進められないと、勉強や仕事でも苦労してしまいます。

人に頼りがちになる

持ち物を忘れてしまうことが多いと、ついつい親が届けてあげたり、友達や先生にものを借りることも多くなります。そのように忘れ物しても誰かが助けてくれる・なんとかなるという思考のまま大きくなると、困ったときに誰かを頼りがちになってしまいます。

自分自身で対策できるようなことも、すぐに第三者に助けを求めたりして自己解決能力が低下してしまう恐れも。

忘れ物が多い子どもへの対策法

元保育士ママ

忘れ物が多い子へのサポートはどのようにしたらよいでしょうか。忘れ物が多い子の原因の一つに、過保護や過干渉な親の要因を挙げましたが、まったく干渉しないのもNG。親は子どもの様子を見ながら自立を促せるような適度なサポートをする必要があります。

前日準備を習慣付ける

忘れ物をしないようにするには、まずは前日に持ち物の確認を。連絡ノートとお手紙の提出は必ずさせるように習慣づけ、なれるまでは親も持ち物の確認を一緒にしてあげるとよいでしょう。

特に1年生のうちは、持ち物も多く、何曜日に何が必要か分からない子もいます。親も一週間のスケジュールを把握しておきましょう。

持ち物の準備は余裕をもって

例えば、習字が木曜日にある場合、学校では水曜日の連絡帳に「持ち物 習字道具」と書かれることが多いです。しかし忘れっぽい子には前日ではなく余裕をもって早めに持たせるというのも一つの方法。

実際、元保育士ライターの家では習字道具は持ち帰ってきた日に洗って次の日には学校へ持っていくように声掛けしています。体操服や絵の具セットなども同様に使う日が分かっている場合は早めに持たせると忘れていても予備の日ができて当日の忘れ物が減ります。

忘れ物が多い理由を子どもに考えさせる

忘れ物が多い子には、親が一方的に言ってもなかなか改善しませんよね。そんな時は、親子で一緒に「どうしたら忘れ物が減るのか」を考えてみるとよいでしょう。

親が決めたルールよりも、子ども自身で対策を考えて行う方が責任感もつきますし、自主性を伸ばすこともできます。

整理整頓をこころがける

日ごろからお部屋の整理整頓をするのも忘れ物対策の一つ。何がどこにあるのか、子ども自身できちんと把握できるように子どもの部屋の整理は子どもと一緒に行うのがおすすめ。

きまったものを決まった場所へしまう習慣がつくと自然と物の管理も上手になっていきます。

元保育士ママ

子どもに整理整頓を促す前に、まずは親自身もお家の片づけを意識することも大切ですね。片付いた空間で生活することで綺麗なのが当たり前という気持ちにもなれそう!

チェックシートなどを活用する

忘れ物を口頭でチェックするのが難しい場合は、上の画像のようなチェックシートを作成して活用するのもあり。こちらは元保育士ママが作成したものですが、PCやホワイトボードなどで自宅でも簡単に作成することができます。

毎日必ずもっていく物を記載しておき、プラスで必要なものは書き足す形でもOK。チェックシートを前日準備の際に使うとうっかり忘れをふせぐことができます。

出発前には再確認!

前日にちゃんと準備していたのに、玄関に忘れてしまった!なんてこともあるあるですよね。それを防ぐためには、出発前に玄関で持ち物の再確認をすること。

時間に追われているとできないので、すこしゆとりをもってチェックできるように促してあげるとよいでしょう。

元保育士ママ

わが家の子どもは、朝玄関にランドセルを置いたまま学校に行ったという衝撃な忘れ物も!!これには怒るを通り越して大笑いしてしまいました。

年齢や子どもの性格に応じた手助けを

1から10まで親が一緒に持ち物の確認をすればよいかというとそうではありません。いずれは子ども一人できちんとできるようになるのが理想ですね。親のサポートは、子どもが一人ではできないところを補うのみ。

例えば、1年生のうちは前日準備も出発前も一緒にするのも良いでしょう。子どもが持ち物の管理になれてきたら、「今日はお手紙ある?」「明日の持ち物大丈夫?」などと声掛けのみで促すのもあり。

年齢や子どもの性格に合わせて適度な手助けをしてあげましょう。

元保育士ママ

忘れ物が続いて声掛けに疲れてしまった時には、ときにはそっと見守るのもあり。子ども自身が困ったり、恥ずかしい思いを体験することも成長過程には大切な経験です。

忘れ物が多くて心配な場合は

写真AC

子どもの忘れ物が多いことで何か発達に心配を感じる場合には、学校の先生や発達障害の相談窓口に一度相談してみるのもよいですね。

発達障害が心配な場合は病院や児童発達センターに

子どもの発達に心配がある場合には、一人で抱え込まずに子どもの発達に関する専門機関に相談するのもあり。

発達障害者支援センター・児童発達支援センターなどの児童の療育相談などは実施の場所が限られており、すぐに面談してもらえない場合も多いようです。気になる場合は早めに一度面談の予約や電話相談ができるかなど問い合わせしてみるのをおすすめします。

【参考文献】

忘れ物が多い子どもへの対策のポイントや具体例などを紹介します (litalico.jp)

・発達障害者支援センター・一覧 | 国立障害者リハビリテーションセンター (rehab.go.jp))

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

6歳と11歳の娘の育児真っ最中のママライターです。結婚前は保育士として私立保育園で約3年間勤務経験あり。保育士目線と母親目線で子育ての悩みに寄り添えるような記事を書いていきたいと思っています!

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