バーが改名したよ  「サ日記」

 大谷翔平選手がロサンゼルス・ドジャーズに移籍するという。誰だ、「監督が口をすべらしたから、ドジャーズは無くなった」とか「大谷選手は義理人情を重んじるから、エンゼルスに残る」とかテレビで力強く語っていたのは。ひとりやふたりじゃなかったぞ。あしたからどんな顔で言い訳するのか、今から楽しみじゃ。

 メジャーといえば、ヌートバー選手も日本のCMに出てたりして相変わらずよく見かけるが、うちの庭のヌーとバーはコンビ解消だ。

 なぜならば、片割れの↑このヌーが1か月以上全く現れないからだ。きっと、誰かの家に飼われてしまったに違いない。のろまなうちの飼い主にも捕まえられて抱っこされてたくらいだからな。

 ヌーもなかなか愛らしい野良ネコだったから、飼った人も喜んでるだろう。

 ヌーとバー、いいコンビだった。時々取っ組み合いのじゃれ合いをしていた。

 ヌーがいてこその、「バー」という名前だったので、飼い主が新しい名前を付けてやることにした。

 その名も「とら」だ。何の変哲もない名前じゃないか、と思うだろう。おれも芸がないと思ったが、「うし」の子どもだから、干支の次に来る寅にちなんだらしい。

 本人は名前が変わったのを知ってか知らずか、腕立て伏せをしてからだを鍛えているようだ。

 ここ何日か、妙にあったかいが、一時すごく寒くなったとき、とら(旧バー)用に猫小屋が用意された。ヌクヌクの毛布も入れてもらって、とらもうれしそうだ。

 とらは、昔牛小屋だった場所にある納屋にも入り込んだりして、庭を自由に活動しておる。

 何を思ったか、木戸にスリスリして甘えておる。牛小屋といえば、こいつらの父ちゃんであるうしが、先月の18日以来20日以上やって来てないぞ。最近は、母ちゃんのクミコもあんましいない。この家の庭はとらにまかせたんだろうか。

 顔が半分しかわからんが、このクロもとらの次によく庭にいる。一時、こいつもきょうだいと一緒に黒い母親に連れられてきていたが、いつしか一人になった。丸々と肥えているから、どこかの家でえさをもらってる飼い猫なのか。

 この梅棚の上は外敵に襲われる心配が少ないからか、いろんな猫が登る。ヌーもちょいちょいくつろいでいた。

 チョビもおれもこうやって庭の様子をうかがうのが日課だが、すきあらば出てやろうという冒険心は失っちゃおらんぞ。

 次から次へといろんな猫がやって来て、おれたちの縄張りを荒らすのを放置しておくわけにいかんからな。この白いやつもここひと月ほどよく見かける。目がなんかおかしいぞ。ケンカしてケガしているのか。ハチワレとかくまとか、喧嘩っ早い連中がのさばってるからな。

 手前みそのようだが、この近所の連中はどうもおれ様・サニには一目も二目も置いているような気がする。何しろ、この家に来て十年近い。他におれクラスの古参猫はいないしニャ。

 チョビの様子も、先生に教えを乞う生徒のようだろ。弟子であるチョビがおれを敬うのは当然だが。

 ということで、今回はきょうだいのヌーがいなくなって独り立ちした旧バーが新しい名前をもらって再出発している話だ。

 で、新年の門出の日も迫って、おれとチョビからの年賀状希望者を募っているが、まだ二人からしか来ていない。十枚くらいは書こうと思ってるので、よかったら応募しておくれ。

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jun.kanekozuki@gmail.com

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

福岡市南区在住。サバトラ柄。熟年オス猫。雑種だが、アメショーの血が入っていると思っている。
ふてぶてしさが身上の甘え上手。
推定5歳か6歳の頃、今の飼い主宅に上がり込み飼い猫に。それ以前は不明だが、数百メートル離れた公園にいたとの不確かな情報。おととしの暮れ、孫娘のようなキジ白猫チョビが弟子入り。
世の中の動きに敏感なものの、とくに行動はしない。

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