福岡市地下鉄薬院駅2番出口から南へ徒歩約6分。白金交差点近くに4月1日にオープンした「ポコムーチョ」(中央区白金)は、オーガニックのドライフルーツや無添加のスナックなどが豊富にそろう量り売り専門店です。
大きなガラス窓にたっぷりの日差しがふりそそぐ開放的な店内に、ずらりと並べられているのは、ドライフルーツやナッツ、オイルやはちみつなど。これらを別売りの瓶や袋、または持参した容器に詰めて持ち帰るスタイルで提供しているのが「ポコムーチョ」の特徴です。 サスティナブル(持続可能)な暮らしが注目されている今、そんなライフスタイルを目指す人たちの間で話題になり、足を運ぶ人が増えているそうです。
商品の多くがオーガニックで、オーナーの柳瀬基喜さんが現地に足を運んで買い付けたり、生産者の思いに共感して取り扱っている物ばかりです。 柳瀬さんは、高校時代から環境大国であるニュージランドやオーストラリアで過ごした国際人。物を大切にしたり自然と共存する重要さを感じながら暮らしていましたが、日本に帰国してIT業界で働きはじめると、目の前の仕事に追われるばかりの生活になっていたといいます。
「カフェインドリンクやコンビニ弁当を胃に入れて、徹夜する毎日。こんなジャンクな日々に見切りをつけたい」と仕事を辞めてインドへ。その後、岡山県で自然食について学び、この店のオープンにいたりました。店には柳瀬さんの食への思いがふんだんに詰まっています。
この店ならではの人気商品は「搾りたてナッツバター」。無糖、無塩、保存料など入らない“ナッツだけ”を機械の圧力で搾って作るバターで、10g55円(税込み・瓶代込み)。現在はピーナツバターとアーモンドバター(アメリカ産)の2種類を販売しています。 「特注のナッツバターマシーンで搾りたてを小売りしています。ナッツの粗さを調節できる機械は、日本ではここだけだと思います」と柳瀬さんは胸を張ります。
瓶を持参すれば50円オフと聞いていたので、ジャムの空き瓶を渡して詰めてもらいました。迷いに迷って選んだのはアーモンドバター! アーモンドは不飽和脂肪酸やビタミンEが豊富で美容に良い食材の代表格です。
柳瀬さんがレバーを押すと、見事にペースト状になったアーモンドが瓶に流れ込んできました。これは口の広い瓶が入れやすそうです。同時にふんわりとナッツの香りが広がり、思わずゴクリ。 「スムース」「ミディアム」「クランキー」の3つの食感が選べますが、少量の場合はあまり変わらないのでミディアムがおすすめとのこと。ひと口味見すると、口の中がナッツの香りでいっぱいになりました。
「このままパンに塗って食べてもいいですが、はちみつと混ぜたり、酢やしょう油とブレンドしてディップにしたり使い方はさまざま。巣ごもり継続中の方は、家でお菓子を焼く時や料理に使うなど自分なりに研究してアレンジしてみては」と柳瀬さん。スムージーなどに混ぜると栄養価がぐっと上がりそうですね。
量り売りのナッツは14種類、ドライフルーツは約20種類並んでいます。 「おもしろい素材を見つけたら入荷しますし、季節で入れ替わることも。品切れの場合もありますので、最新情報はFacebookを見てくださいね」と柳瀬さん。どれも1gから値段設定されていますのでどんな少量でも大丈夫です。
他にも収穫から24時間以内に搾ったオリーブオイルや、熱を加えず抽出した香り高いはちみつ、卵や小麦、白砂糖不使用の自然派おやつ「カリカリ」などこだわりの食材ばかり。 食材だけでなく洗剤も量り売りしていました。
「消費ばかりしていくと、今後お金を出しても欲しい物が買えない時代になるかもしれません。いまの私たちに必要なのは“適正な量を知る”ということではないかと思います」という柳瀬さんの言葉にドキリ。コロナ禍で無駄な買い占めが起こったニュースが思い浮かびました。必要な物を必要なだけ手に入れる。この店が、そんなライフスタイルに取り組むきっかけになるかもしれませんね。 「夏頃、兄が薬院大通りにそば店をオープンする予定なので、そこでうちの商品を使ったワークショップなども展開したいですね」と柳瀬さん。店先では包丁研ぎのサービスを行うことがあり、イベントのお知らせは店のSNSで確認を。
ポコムーチョ
住所:福岡市中央区白金1-10-30 電話:092-525-0025 営業11:00~19:00 月曜休 ※営業時間が変更される場合あり。詳しくはインスタグラムなどで確認を インスタグラム @pocomuchojp