今年で70歳になる実家の母は、とにかく世間知らずのお嬢様。働いた経験がないからか、社会の常識がなく、いつもとんちんかんなことをしでかす人です。そんな実母が、孫にお年玉を送ってくれたのですが、なかなか届かず大事件に! 大事なお年玉を紛失したらどうしよう… と新年早々ヒヤヒヤしたわが家のお正月エピソードをご紹介します。
世間知らずなのにプライドだけは高い母
今年70歳になる実母は、とにかく世間知らず。
都内で生まれ育ち、短大卒業後すぐに父と結婚したため社会で働いた経験が少なく、プライドだけは高いけどどこかズレている人です。
埼玉県にある、私の家に初めて訪れたときも、近くのドラッグストアに駐車場があることに驚き
「スゴイわ、ここが本店なの?」と言う始末。
そんな母に長年困らされてきた私…。それは私が結婚・出産をしてからも続いていました。
新年早々事件発生 お年玉が届かない!?
娘が6歳になったお正月の話です。コロナ禍だったため、実家への帰省は自粛していました。
新年を迎え、3日ほど経ったある日のこと。
「直接渡せないから、お年玉を郵送した」と気を利かせた母から電話が来たのです。
しかし数日待ってもお年玉は届きません。
書留なら翌日くらいには届くだろうと思った私は、ポストを覗いて不在票が入っていないか確認しましたがそれもなく、娘も楽しみにしていただけにがっかり…。
もしかして運悪くどこかに紛れてしまったのかも… と新年早々不安に思ってしまいました。
まさか… 普通郵便で送っていたことが判明!
結局、翌日になっても届かなかったので、実家の母に問合せをした私。
「いつ送ったの?」
「確かに先週金曜日に投函したはずよ」と母。
「投函って… ポストに?」と聞くと
「そうよ」と自信満々!
そうです。お金なのに、現金書留ではなく普通郵便で送っていたことが発覚! やっと届かないことに納得がいきました。普通郵便だと土日は配送がないし、年賀状もあることかから郵便が遅延していたら後回しかも? と思いました。
私は母に
「ダメだよ、お金なんだから現金書留で送らないと! もし紛失されても追跡できないよ」と注意。電話口の向こうで母は納得のいっていない様子で
「大丈夫よ、ここは日本なんだから盗まれる心配もないし…」と食い下がります。
「いやいや、故意じゃなくとも郵便物が失くなる恐れもあるから、大事なものは書留郵便で送るものなんだよ!」呆れてしまった私は、新年早々イライラしてつい強い口調で言ってしまいました。
プライドの高い母は「届かないわけないじゃない…」とぶつぶつ独り言を電話の向こうで言っていました。
その日は月曜日。明日もしまだ届かないようなら郵便局に問合せようと心の中で決めていました。
無事届いたお年玉… 開けてびっくり大爆笑!
翌日、夕方ポストを覗いてみると、無事お年玉らしき郵便物が届いていたのでホッとひと安心。
早速娘に
「おばあちゃんからだよ」と渡したのですが、開けてびっくり!
お年玉というからには、数千円~1万円くらい入っているのかと思いきや、なんとたったの1,000円だったのです! 今までと同額ではあったものの、さすがに今年は小学1年生。もう少し金額アップを期待していたわが家としては、残念な気持ちに。
わざわざ郵送してくれたことは嬉しいのですが、この1,000円のために新年早々ヤキモキしていたのかと思うとどっと疲れが出てしまい、先日の母とのやり取りが急に馬鹿らしく思えた私は爆笑してしまいました…。
それを見て、よく分からない娘も
「何で笑ってるの?」と不思議な顔をして一緒に笑ってくれました。
その後、無事お年玉が届いたことを母へ報告し、娘からもお礼の言葉を伝えさせ一件落着。
母は懲りていなかった!
この件で、少しは常識をわきまえてくれたかに思えた母でしたが… 翌年はレターパックで2,000円のお年玉を送ってきました。
たしかにレターパックは追跡可能ですが、少額とはいえ、そもそも現金を書留以外で送付することは郵便法に触れるためNG行為!
母に理解してもらうのが先か、自粛ムードが解けるのが先か… と頭を抱えました。今は自粛が明け、毎年ありがたくお年玉をもらいに実家に帰っています。
(ファンファン福岡公式ライター / なないろさん)