子どもは時に思いがけない行動に出ます。義母の家に遊びに来ていた小学1年生の甥っ子が、家を飛び出してしまったのですが、見つかったのはまさかの場所でした。
遊びに来た甥っ子
わが家は義実家の隣に住んでいます。そして義姉一家は、義実家から車で約25分の距離に住んでいました。当時、小1と年中の男の子、2歳の女の子の3人兄弟。義姉と義兄は働いていたため、長期休みに小1の甥っ子は1人で泊りがけで義実家に来ていました。
甥っ子は、物静かで人見知りな性格。隣の義母宅に遊びに来ても、特に一緒に何かをすることはありませんでした。
しかし、ある日大事件が起こります! その日は、たまたま私も夫も休みでした。
義母が慌ててやってきた!
もうすぐ昼食時間になろうとしていた頃、突然義母がわが家にやって来ました。
「〇〇(甥っ子)がいなくなった!」と慌てた様子の義母。話を聞いてみると、甥っ子に宿題をやるように言ったところ、なかなか始めない様子に
「もう知らない! 帰りなさい!」と言ったんだそうです。
義母は物事をはっきりと言う人で、孫であっても甘やかしません。そんな義母に強く言われ、甥っ子は黙ってうつむいてしまったそうです。
その後、義母がお昼ご飯の支度をし、ふと甥っ子の方を覗いたら… 甥っ子が居なくなっていたということでした。
義母が最後に甥っ子を見てから、10分ほど。まだ近くにいるのではないかと、私と夫で近所の公園や通りを探すことに。義母には家で待機してもらい、義姉に連絡をとってもらいました。
しかし、近所の公園や通りを探しても、甥っ子は見つかりません…。
車で探しに行くことに
義母の家に戻り、近くには居なかったことを伝えると、義母は不安な様子で
「〇〇(義姉)が言うには、1人で帰ろうとしてるんじゃないか… って。車で道を覚えてるらしいんだけど」と言いました。
義母宅と義姉宅は15キロほど離れています。小1が歩いて帰るには、どう考えても無理があります。
私と夫は顔を見合わせ、とにかく行ってみるしかないということで、車で義姉宅への道を探すことに。義母には家に居てもらい、そこでも見つからなかったら警察に届けることに決めました。
甥っ子が居たのは…
私と夫は車でゆっくり義姉宅への道を走り、甥っ子を探しました。
すると、2キロほど離れたところで、リュックを背負った甥っ子が歩いているのを発見したのです! 急いで車を止めて向かうと、急に泣き出した甥っ子。よく知らない道を1人で2キロも歩き、きっと不安だったのでしょう。
甥っ子が居たのは、ちゃんと義姉宅へのルートでした。義姉が言っていたことは間違いなかったということにも驚きましたが、小1で道を覚えていることにもびっくりしました。
すぐに義母に連絡すると、義母は安心した様子。義母宅へ向かう車の中で、甥っ子は泣きながらうつむいていました。
仲直りできた理由
義母宅へ戻ると、義姉が駆けつけていました。連絡を受けて、職場からすぐに来たようです。義姉を見た甥っ子は
「ママー!」と大泣きで、義姉に抱きついています。大きな声で泣き、ようやく安心したようでした。
その夜は、義姉も一緒に甥と義母宅に泊まることに。夕方には義兄に連れられて、年中の甥っ子と2歳の姪っ子も義母宅に来ました。その日は私たちも義母宅に呼ばれて、みんなで夕飯を食べました。
きっとあのまま帰ってしまうと、「甥っ子と義母との関係が悪くなる」と思った義姉は、義母宅で楽しい思いをさせようと思ったのでしょう。
夕飯の頃には、甥っ子と義母はいつものように話したり遊んだりしていました。義母も
「もうあまりきつく言わないようにするね」と義姉に言っていました。
その甥っ子も、今では高校3年生となりましたが、義実家に1人で遊びに来るほど義母とは仲良しです。気の強い義母を言い負かすときもありますが、基本的にはご飯の支度を手伝うなど優しくしている姿を見ます。
本当に、子どもは何をするかわからないなと思った驚きの出来事でした。何はともあれ、無事に甥っ子が見つかり義母とも仲良く過ごせて一安心したのでした。
(ファンファン福岡公式ライター / ちこた)