【香り】大名の「Dr. Vranjes Fukuoka」に創業者で調香師のパオロ・ヴラニエスさんがフィレンツェから来店

 福岡大名ガーデンシティ1階ビオスクエアの「Dr. Vranjes Fukuoka〈福岡直営店〉」(福岡市中央区)は、イタリア・フィレンツェ発のルームフレグランスブランド「DR. VRANJES(ドットール・ヴラニエス)」の直営店。ブランド創業者で調香師のパオロ・ヴラニエスさんが11月25、26日に来店し、歓談イベントを開きました。歓談は事前予約した人のみで1組約25分、ヴラニエスさんとぜいたくな時間を楽しんだようです。その合間にヴラニエスさんに調香師になったきっかけや福岡の印象などを聞きました。

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調香師になったきっかけは、おじいさんが集めた香水の瓶

「生まれたときから調香師の仕事をする運命だったと思う」とパオロ・ヴラニエスさん

―調香師の仕事を選んだきっかけは。

 6歳の頃、空気中のさまざまな香りや匂いに対して敏感だと気付いた。その頃、シルク商人の祖父が世界中を回ってコレクションしていたのが香水の瓶。その瓶を一つ一つ開けて嗅いだ香りに驚きと感動を覚え、それをきっかけに生涯の仕事として意識するようになった。おそらく生まれたときからこの仕事をする運命だったと思う。

―ブランドのフレグランスは現在、約30種類。どのようにしてつくるのですか。

 私のラボには香りの原料になるエッセンシャルオイルが2,200種類あり、それらを組み合わせて香りをつくるのでコンビネーションは無限。ただその香りのバックグラウンドには旅をした時の美しい景色や身近にいる人との思い出など、必ず私が体験した出来事やストーリーがある。

「フレグランスには私が体験した出来事やストーリーがある」

―それはフレグランスに付けられた名前にも関係していますか。

 体験したエピソードを名前にしているのは、例えば「ROSSO NOBILE(ロッソ ノービレ)」。米国のナパバレーでワインを造っている有名な映画監督が「僕のワインにはすてきな香りがあるけれど、ホームフレグランスにこういう香りはつくれないよね」と挑発してきたので、私が「つくれるよ」と返して2人で賭けをしたのが始まり。そのストーリーから赤ワインを意識し、高貴な赤の意味を持つ名前に。
 「CALVADO‘S(カルバドス)」はアップルブランデーの名前から。英国ロンドンのすてきなバーで、白い手袋をはめた給仕さんがカルバドスをついでくれた場面は忘れられない。初めてカルバドスの香りに出合った瞬間で、そのワンシーンを名前に込めた。また、原料の名前を付けた「VANIGLIA MANDARINO(バニラ・マンダリ-ノ)」にもストーリーがある。果物のマンダリンの香りは私にとってはクリスマスの香り。バニラを加えてクリスマスの温かく甘い思い出を表現しているよ。

福岡はエレガントな街、人間らしい生活が息づいているという印象

福岡は「フィレンツェとの共通点を感じる。住んでみたいと思わせる街」

―日本では東京、名古屋、大阪、福岡で直営店を展開しています。日本はどんな印象ですか。

 日本には7回ほど来ているけれど、とても清潔で整然としている印象がある。日本人は清潔感を持って過ごし、細かい部分まで気遣い、何かを生み出しているところに魅了されている。ギフトのパッケージなどもディテールにこだわり、きれいにつくり上げている。それは自分のブランドにも共通している。

―福岡市の印象は。

 福岡はエレガントな街で、人間らしい生活が息づいているような印象を受けた。フィレンツェも人口の規模としては小さな街。でもそこには人間の生活の高いクオリティーが存在している。そういうところに共通点を感じる福岡は、住んでみたいなと思わせる街だね。

ファンファン福岡の読者プレゼント用にサインするヴラニエスさん

―今回の歓談イベントで福岡のカスタマーと触れてみて。

 多くの方からたくさんの質問を受けて、ブランドを興味深く思ってくれていると感じた。夫婦やカップルで来て、男性のほうが家で使う香りを選ぶケースが多いのにも驚いた。

―フレグランスをどのように楽しんでほしいですか。

 日本のお客さまには家に香りを置くフィロソフィーを伝えたい。調度品になるように形も質も美しいボトルを採用しているし、家に帰った時にその香りで幸せな気分になってもらえるはず。部屋によって香りを変えるのもおすすめ。寝室には包み込むような香りで落ち着きを、書斎であればちょっとスパイシー香りで集中力を高める、玄関には帰ってきたという安心感とゲストを迎える温かさを感じる香りなど、部屋と用途によって使い分ける楽しみも知ってもらえれば。

異国情緒あふれる香り「LEATHER OUD」1/10デビュー

DR. VRANJESの新たなフレグランス「LEATHER OUD」

 DR. VRANJESの新たなフレグランス「LEATHER OUD(レザー・ウード)」が1月10日(水)に発売されます。中東のウードやトスカーナレザーの香りを基調に、中東の砂漠の曲線とイタリア・トスカーナの丘陵の曲線が溶け合うイメージを表現しているとか。この香りのストーリーは「比類ない才能とあふれる情熱によって、歴史にその生きざまを残すような唯一無二の存在にインスパイアされたプレグランスです」とヴラニエスさん。
 あらゆる空間をエキゾチックにぜいたくに包み込む、繊細と力強さを感じさせる香りは、Dr. Vranjes Fukuoka〈福岡直営店〉でお試しを。

Dr. Vranjes Fukuoka〈福岡直営店〉

住所:福岡市中央区大名2-6-50 福岡大名ガーデンシティ BIO SQUARE1階
営業:11:00~20:00
電話:092-707-0177

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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