福岡市地下鉄姪浜駅から北方向に徒歩約6分、民家を改装した一軒家ダイニング「コピルストア」(福岡市西区)を訪れました。レトロなインテリアの中で本格的なイタリアンが楽しめますが、この店の魅力は「子連れ大歓迎」とうたっているところにもあります。
「コピルストア」のオーナーシェフ奥野陽城さんは、勤務していた飲食企業の福岡店に転勤になったことから福岡を気に入り、この地で独立することを決意したといいます。
アンティークが大好きという奥野さんの趣味がたくさん詰まった店内は、つい「ただいま」と言ってしまいそうな雰囲気です。昭和中期に使われていたレジスターや黒電話は今も現役で使われていて、ディスプレーされた古い扇風機、スピーカーや足踏みミシン、昭和の花柄が懐かしい炊飯器など、レトロな雰囲気が好きな人にはたまらない世界観です。
一見「キッズフレンドリー」とは思えない大人の雰囲気ですが、実は店の2階に6畳ほどのキッズルームが設けてあり、子どもたちはおもちゃや絵本、お絵かきやままごとなど、用意されたグッズで自由に遊ぶことができます。
「私たちも小学生の男の子がいる子育て世代です。だからこそ子どもがいると外食もままならない、という方の気持ちもわかります。そこで、“頑張っているパパやママがおいしいものを食べて息抜きできる店、子どもも一緒に気兼ねない雰囲気であること”を目指しました」と奥野さん。
今回紹介するのは、奥野さんが自信を持って提供している「コロッケランチ」(税込み1,320円)。店の一番人気のメニュー「蟹クリームコロッケ」(1個410円)をメインにしたお得なランチで、この時の前菜はタマネギとゴボウの濃厚なポタージュ、オリジナルドレッシングでいただく旬の野菜があふれそうなほど盛られたサラダ、自家製のくるみパン付き。くるみパンは持ち帰り用(1斤410円)も販売されていてファンが多いそうです。
ランチのメインのカニクリームコロッケには、妻の貴子さんの故郷である愛媛県の温暖な瀬戸内地方で育ったタマネギをたっぷり使用。この時期の新タマネギは水分が多いのですが、手を抜かずにひたすら時間をかけて炒めているそうです。注文を受けてから生パン粉を付け、じっくり低温で揚げられたコロッケは、極薄の衣をサクッとかんだ瞬間に、アツアツのクリームが口の中にあふれ、カニとタマネギのうま味が圧倒的です。
今回のデザートは無農薬レモンのグラニテ。甘酸っぱいレモンのシャーベットに手作りのレモンピールが添えられています。選べるドリンクは、愛媛県のJAが県内独自のブレンドで販売し、県外ではほとんど飲めないという「えひめのポンジュース」を選んでみました。香り高く、爽やかでとても甘く、みかんジュースは酸っぱいものと思い込んでいたのでうれしい驚きでした。
「化学調味料などは一切使わず、なるべく無農薬の食材や生産者が分かる素材を使い、子どもが安心して食べられるようにしています」というので、安心して子どもとシェアできますね。ランチ、ディナーどちらともにキッズプレート(未就学児用)が用意され、キッズルームでも1組だけですが食事できる座卓とベビーチェアがあります。
2階で遊ぶ子どもの声がほかの来店客に響きそうで、ママやパパはハラハラするかもしれません。けれど奥野さんは「もし、子どもに静かにしてほしいという方がおられたら、その方に“別の静かなお店へどうぞ”とお願いするつもりでいます。それくらい私たちは子連れファースト。周りを気にせず、おいしい食事を楽しんでくださいね」と笑顔で語ってくれました。 自慢のコロッケをはじめ、さまざまなメニューが現在テークアウト可。最新情報はfacebookで告知されるので要チェックです。
【チェックポイント】 ・キッズルームあり ・ベビーチェアあり ・おむつ替えベッドあり(2階) ・キッズメニューあり
コピルストア
住所:福岡市西区姪の浜4-3-3 電話:092-407-2232 営業:11:30~15:00、18:00~21:00 ※現在ランチは平日のみ、ディナーは予約のみ。随時facebookで告知 日曜休、不定休