お正月が近づき、初詣を予定している方も多いのではないでしょうか。でも、正しい参拝の仕方はご存じですか? マナープロトコール検定の資格をもった松田が、初詣の参拝方法を解説します。初詣の由来やお参り方法を知り、新年が実りあるように祈願してみてくださいね。
初詣とは? いつまでに行けばいいの?
お正月の行事は、毎年なんとなく行っているものの、詳しい由来はよく知らないという方もいますよね。そこでまずは、初詣とはいったいどのようなものなのかを解説します! ※諸説あります
初詣の由来と意味
初詣は、その年はじめて神社仏閣へお参りをすることです。新年の無病息災や平安無事などを祈ります。家の近くの神社や氏神様へ行く方も多いでしょう。
もともとは大みそかにやる行事だった!?
時計がない昔は「日暮れ」を一日の終わりとしていました。そのため、日暮れから夕暮れが一年の始まりと考えられていたため、大みそかの夕方から元旦にかけてが「お正月」とされていたのです。つまり、初詣は大みそかから始まる行事だったのですね。
どんなことをしていたの?
そもそも、昔は家を代表する家長(かちょう)が、住んでいる土地の氏神様をまつった神社に泊まり込んで、夜通し祈願していた風習でした。豊作や家内安全などを祈る「年籠り(としごもり)」と呼ばれる習わしです。これが後に「除夜詣」と「元日詣」にわかれ、現代の初詣のかたちになりました。
家庭でおこなうお正月行事は?
お正月と言えば、家庭でも飾りをしたり、お正月料理をいただいたりしますよね。例えば、次のようなものがあります。年々簡素化していると思いますが、日本の伝統的な習わしとして、ぜひ行ってみてはいかがでしょうか。
・門松:年神様が家を見つけるための目印。
・しめ縄:不浄なものが入れない結界。門松同様、年神様の目印。
・鏡餅:年神様が宿るためのもの。
・おせち料理:年神様へのお供え料理であると同時に、神様とともにいただく縁起もの。
初詣の方法やマナーを解説!
新年を迎えたら、初詣に行き、新しい年の始まりが実り豊かで健康的なものになるように祈りましょう。でも、なんとなく「マナー」や「ルール」が難しそうですよね。そこで、神社やお寺の参拝マナーをご紹介します。
神社でのマナー(1) 神社に入るとき
神社は神聖な場所で、「鳥居」は聖域との区切りです。ここから先は神様がいる場所とされていますので、まずはご挨拶をします。鳥居の前で一度立ち止まり、一礼してからくぐるようにしましょう。
神社でのマナー(2) 神社の敷地内
神社内の道の真ん中は、神様の通り道=正中(せいちゅう)です。神様を敬って、人は左右の端によって歩くようにしてみてください。ただし、混雑しているときは、係員の誘導に従って安全に移動することが大切です。
神社でのマナー(3)手水舎でのお清め
神社には「手水舎(てみずや・てみずしゃ・ちょうずや・ちょうずしゃ)」と呼ばれる、手洗い場が設けられています。参拝の前に、ここで手と口を清めましょう。お清めの方法は次の通りです。
・ひしゃくを右手で持ち水をくむ
・くんだ水を左手にかけて清める
・ひしゃくを左手に持ち替えて右手にかけて清める
・再度、右手でひしゃくを持ち、少しの水を左手のひらに受ける
・受けた水を口にふくみ、かるくすすいで出す
・両手でひしゃくを持ち立てるようにしてひしゃくの持ち手部分を清める
神社でのマナー(4) 参拝の手順は?
本殿についたら参拝をします。お賽銭を投げ入れてから「二礼・ニ拍手・一礼」をして、昨年も無事に過ごすことができたことへのお礼と感謝を伝え、新しい一年の健康や安泰を祈願します。
・二礼:深いおじぎを二回
・ニ拍手:胸の高さで拍手(肩幅程度に両手を開く・右手を少し下にずらす)
・指先をそろえて手を合わせ、神様に感謝し祈る
・一礼:深いおじぎを一回
お賽銭の金額には決まりはありませんが、「五円=ご縁がありますように」など語呂合わせにする方も多いのではないでしょうか。また、出雲大社は「二礼四拍手一礼」など、参拝方法が異なる場合があります。それぞれの神社のやり方に従うようにしてみてください。
(※出雲大社 よくあるご質問 出雲大社での参拝|参照元:https://izumooyashiro.or.jp/faq)
お寺でのお参りの方法は?
初詣=神社のイメージもありますが、お寺へのお参りももちろんOKです。神社の鳥居のように、俗界との境界として「山門」があります。静かに合掌・一礼してくぐるようにしましょう。左右に、仁王像が安置されているときはそれぞれに合掌します。
お寺の参道は中央を歩いてもよいとされています。手水舎での清めは神社と同じです。本堂についたら、次のように参拝しましょう。
・ 一礼
・ 賽銭箱に手を近づけて、静かにお賽銭を入れる
・ (あれば)鈴を鳴らす
・ 胸の前で合掌して両手を合わせて合掌
・手を合わせたまま深くお辞儀
・会釈
初詣での参拝ルールを知ってしっかり祈願しよう!
昔から、年が改まる大みそかから元旦にかけては、1年の感謝と新しい年が豊かであるようにという祈りを捧げてきました。
難しそうに感じる初詣の参拝マナー。順番や意味を知り、正しく参拝することもさることながら、敬意と感謝の気持ちを持って行うことが一番大切です。まずは、神社やお寺を訪れて、新しい一年の充実と健康な暮らしを祈願してみてくださいね。
(ファンファン福岡公式ライター/松田)