福岡市では人権問題を身近に考えてもらうため、5分間の人権啓発ラジオ番組「こころのオルゴール」を制作しています。平成6年度から放送を開始し、30年目になります。
こころのオルゴールを放送
今年度の「こころのオルゴール」は、2023年12月と2024年2月に、それぞれ15日間放送します。身近な人権問題をテーマにお伝えし、人権作文も紹介します。
ナレーターは、福田愛依さん、土居祥平さん、立川生志さんです。
放送スケジュール
<CROSS FM>
◆令和5年12月1日(金曜日)~12月21日(木曜日) 毎週・月~金曜日 16時53分~16時58分
◆令和6年 2月 1日(木曜日)~ 2月21日(水曜日) 毎週・月~金曜日 7時52分~ 7時57分
●朗読動画:子どもの意見を尊重する、子どもアドボカシー(子ども)
シナリオ
皆さん、いかがお過ごしですか。福岡市がお送りする「こころのオルゴール」の時間です。今日は私、福田愛依がお届けします。今日のタイトルは「子どもの意見を尊重する、子どもアドボカシー」です。
皆さんは、「子どもアドボカシー」という言葉を知っていますか。「アドボカシー」はラテン語の「声を上げる」に由来し、「子どもが自分の意見や考えをきちんと表明できるようにサポートする取り組みのこと」です。
子どもの声を十分に聞いて対応しなかったために、子どもの命を救えなかったという虐待事件が相次ぎました。このような事件の再発防止に向けて、2022年に児童福祉法が改正され、すべての子どもの人権を保障する「こども基本法」が成立しました。2024年4月からは、施設や里親家庭で暮らす「社会的養護」を必要とする子どもに対し、子どもの意見を聞くための仕組みを整備することが盛り込まれました。
福岡市にあるNPO法人「子どもアドボカシーセンター福岡」理事長の安孫子健輔さんにお話を伺いました。
【安孫子さん役】助けを求める声が届かなかった子どもたちは、やがて諦めて我慢して、生きる力を失っていきます。まずは子どもたちがもっと声を上げられる場をつくり、SOSにいち早く気づくことが大事です。
そこで、私たちは、子どもに寄り添う「子どもアドボケイト」を養成し、施設や里親の元を訪問しています。アドボケイトは、時間をかけて子どもの話を聞いて、形にできない気持ちや思いを受け止めます。そして、子どもの本音や望みを周囲の大人に伝えるための手伝いをします。
さらに、私たちは、あらゆる子どもが尊重される社会を実現していきたいと考えています。そのために、声を上げにくい子どもたちが自分の気持ちを表しやすくなるよう、「決めつけないで」「たたかないで」といった言葉を書いた「権利カード」を作成し、一人一人の声を丁寧に聞くワークショップなども実施しています。
子どもであっても「自由に自分の意見を表す権利」があることを知ってもらうのもアドボケイトの重要な役割です。
(ナレーター)子どもの権利を守るのは、子どもに関わるすべての人たちです。どんな小さな声も、かき消されることのない社会をみんなでつくっていかなければなりません。
お問い合わせ
福岡市人権啓発センター
E-mail:jinkenkeihatsu.CAB@city.fukuoka.lg.jp