例年、私の会社でも行っていた「義理チョコ制度」。しかし女性の人数が少ないなどの理由からその年は「やらない」と決めました。しかし、1人の女性がなんと抜け駆け! これなら最初から計画的に準備しておけば良かった、と心底後悔した話をご紹介します。
バレンタイン 義理チョコはやめよう
私が勤める会社は、従業員20名ほどの小さな会社。
しかし男女比が15:5で、女性の方が圧倒的に少ないため、毎年実施しているバレンタインの義理チョコ制度がやや負担になっていました。
いつもは1人 700~800円程度出し合ってお菓子を選ぶのですが、ホワイトデーのお返しはいつも3倍返しくらいの品!
有名ブランドのハンドクリームや焼き菓子など高価なものばかりのため、なんだか申し訳なく感じてしまい、その年は思い切って「バレンタインの義理チョコをやめよう!」と女性スタッフで話し合って決めました。
チョコレートを選ぶ手間も、集金の手間もなく、私個人としてもスッキリとした気分でバレンタイン当日を迎えました。
なぜ? 給湯室にチョコレートが
バレンタイン当日。出勤してみると、給湯室にはチョコレートの詰め合わせが置かれていました。そして受付スタッフのAさんが
「いつもありがとうございます」と笑顔でお菓子を配布しているではありませんか!
「え?」一瞬、私がびっくりして止まっていると、営業事務のBさんが来て
「まずいですよ、Aさんは個人的にあげたほうがいいと思ったらしくて、結局チョコレートを買って来たみたいです!」と慌てて言ってきました。
しかも男性スタッフは、例年のように「女性全員からもらった」と勘違いしているようで、すれ違いざまに「ありがとう」と声をかけてくれるのです。これは気まずい…。
確かにAさんは、仕事も常に完璧な人。
抜け駆けというより、気遣いとして配っているだけかもしれませんが、「言ってくれたらよかったのに…」と思ってしまいました。
昼休みにスーパーへ走る事態に
チョコレートをあげてもいないのにお礼を言われる気まずさから、私はBさんと一緒に昼休みに手分けして近くのお店へ買いに行くことに。
しかし、やはりバレンタインデー当日。
手ごろな価格のチョコレートが見つかりません。「こんなことなら計画的にやっておけばよかった」と後悔しつつも、近所のコンビニやスーパーをチェックしました。
結局、2人で合計8店舗ほどまわり、少し予算を超えてしまうけれど焼き菓子が人気のお店でクッキーの詰め合わせを購入することにしました。
冬なのに自転車で駆け回っていた私たちは、汗だくで帰社…。給湯室に既に置かれていたお菓子の隣に、さりげなく購入したクッキー缶を置きました。
クッキーを見たAさんは
「わざわざ買いに行ったの? 私が個人的に日ごろの感謝の気持ちをと思って置いただけだから会社のバレンタインとは関係ないよ」と言ってくれましたが、内心、「それがプレッシャーなんだよな…」と思ってしまった私たちでした。
翌年からは意思統一を徹底!
この件があって、翌年からはバレンタインの実施は必ず意思統一をすることに。
強制ではないけれど、「やらない」という選択をしたなら、全員が一切渡さないように足並みをそろえました。
そうでないと、渡していない人が気まずい思いをするから… と、ひと言添えて女性陣へアナウンスをしています。
新人スタッフは、「たかがバレンタインで、なぜここまで念を押されるのか?」と疑問だったそうですが、苦い経験をした私とBさんにとっては重要なこと!
一度は「やらない」選択をしましたが、「誰かが抜け駆けをするのでは?」という恐怖から抜け出せない私達。数年経ってアンケートをとったところ、結局「実施する」という意見が多いことが分かりました。今では、バレンタインの義理チョコ制度は復活しています。
チョコレートの準備は面倒なこともありますが、商品を選ぶのは意外と楽しみです。今年は、どんなチョコレートを渡そうか、実は楽しみにしています。
(ファンファン福岡公式ライター / なないろひまわりさん)