私が住んでいる地域は、超がつくほどのド田舎。周りの友達にも「よくこんな何もないところに住めるね」と言われるほど。旦那さんが兼業農家のため、仕方なく嫁いだ先が超ド田舎だったのです。生活面でも精神面でも意外にハードな毎日。そんな土地で、初めての育児をしていた頃のびっくり体験談です。
嫁いだ先は超ド田舎
結婚後に引っ越したのは、旦那さんが住む田舎。旦那さんは数年前に両親と死別しており、私達夫婦ふたり住まいで新生活がスタートしました。
周囲は、田んぼ・川・山々と数軒の家、限界集落と呼んでもおかしくない土地でした。
最初は特に生活に困ることもなく、車があれば市街地に遊びに行ける距離。そこまで深刻に悩むこともありませんでした。
そして、半年後に第一子の息子を出産。そこから精神的にだんだんときつくなっていったのです。
出産後、引きこもりに
息子が生まれてからは、慣れない育児に奮闘! 周囲に同世代のママもおらず、平日の昼間はほとんど赤ちゃんと二人きりの生活。
孤独感を感じる日々が続き、赤ちゃんといるのが苦痛に感じることもありました。
実家に帰ろうにも距離があるのでなかなか帰省することができず、誰とも会わずに一日が終わることも。「どうして田舎に嫁いでしまったんだろう…」と、このときになってようやく後悔の気持ちが芽生えました。地元なら友達も親も近くにいて、いつでも話し相手がいるのに…。
仕事をして帰宅する旦那さんは疲れているため、日中のツラい話を聞く余裕もない様子。私はますます孤独感を感じることが多くなりました。
育児相談は近所のおばあちゃん?!
赤ちゃんの首も座り、ベビーカーに乗せて外へ散歩に行く機会も増えた頃、転機がおとずれました。
少し歩けば、近所のおばあちゃん、おじいちゃん達が畑仕事をしている姿を目にします。その横を通るたびに
「どこの子かね~?」と呼び止められます。
初めは驚きましたが、どのお年寄りも赤ちゃんの顔が見たいようで
「ちょっと顔みせてね」
「抱っこしてもええかいの?」など積極的に声をかけてくれたのです。
おばあちゃん達はとにかく赤ちゃんがかわいいようで、抱っこして大声で泣かれても
「元気がええのう。肺が強くなる!」や
「今日の夜はしっかり寝れるぞ〜」
「いっぱいミルクを飲んでるね〜 ええの〜」などと、いつも前向きな言葉をかけてくれました。
ある日、子育てに悩んでいた私が
「最近この子夜寝なくて、ミルクもあまり飲んでくれないし… 身体も小さいみたいです」と悩みを打ち明けると
「今だけ今だけ! そのうちしっかり寝て勝手に大きくなるわい!」とおばあちゃんは力強く言ってくれました。
その言葉を聞き、今まで一人で思い悩んでいたことが嘘のように吹っ切れました。「良い意味で単純! 明快!」そう思うことができたのです。
会ったばかりの母親と赤ちゃんに対して積極的に声をかけてもらえるなんて… 地元だったらまずあり得ません。田舎ならではの他人との近い距離感も、育児する母親にとっては大事だな、と感じました。
それからも散歩へ出ると元気なおばあちゃん達に会えるのが楽しく、相手も赤ちゃんの顔を見ると元気がでるようで、みんな笑顔になるのがとても嬉しかったです。天気の良い日はなるべくお散歩へでかけていました。
育児を前向きにしてくれた言葉
一人ぼっちだった田舎育児も、おばあちゃん達の前向きな言葉のおかけで、思い悩むことが少なくなりました。
はじめは顔も知らないお年寄りに囲まれてビックリしましたが、徐々に慣れ、顔を覚えてもらえたことがすごく嬉しかったです。
今でも、小学生になった子どもと私を見かけると必ず声を掛けてくれます。出産後は一人でふさぎ込み、赤ちゃんのちょっとした変化でも不安に思うことが多かったですが、おばあちゃん達の力強い言葉が育児を前向きなものに変えてくれました。
誰でも育児に悩むことがあると思います、はじめての育児だとなおさら。
そんなときは育児の大先輩! おばあちゃん達のポジティブな言葉で育児をラクに捉えてほしいです。
(ファンファン福岡公式ライター / ゆラッコ。)