次男が生まれるまで、長男がかわいくてしかたがなかった私。しかし次男を出産すると一変。怒られてばかりになった長男は、ストレスのあまり保育園に行きたがらなくなるように。私は長男に向き合うため、2人きりで過ごすことを考えました。
一変した長男への感情
私の長男は好奇心旺盛。1~2歳の頃は見るものすべてに触りたがるので、付き合うのは大変でしたが、目を輝かせる息子が愛おしくてたまらず、一緒に過ごせる時間はとても幸せでした。
長男が3歳のとき、私は2人目を妊娠しました。出産予定日が近づき、時間も愛情も長男だけに100%注げるのはもうすぐ終わりなんだ、と思うととても寂しくなったものです。ネットでは「下の子が生まれると、ホルモンバランスの乱れで上の子をかわいく思えなくなる」という話を見かけましたが、自分がそうなることはとても想像できませんでした。
しかし次男を出産すると一変。公園でなかなか帰ろうとしないことに怒ったり、赤ちゃんの次男に触ろうとすることにもイライラしたり。息子の行動に対して許容範囲がとても狭まってしまいました。
「あんなにかわいいと思っていたのに、こんなにイライラするなんておかしい」と当時はとても悩みました。自治体や子育て支援施設などへの相談、運動などでのストレス解消、など手を尽くしましたが、解決しないまま気づけば1年以上も経ってしまいました。
そのうちに長男は
「保育園にいきたくない」と言うように。それでも
「保育園に来ちゃえば楽しそうにしてますよ」という先生の話を聞いて安心し、長男の気持ちにきちんと向き合わないまま過ごしていました。次男のことは可愛がっており、ヤキモチを妬いている様子はなかったので「まだ大丈夫」とも思ってしまっていたのかもしれません。
しかしついに、息子の気持ちが爆発します。
ある日、保育園の前で
「いかないー!!」と大声で泣きながら、一歩も動かなくなってしまったのです。いくらなだめても動かない息子。その日は結局登園することができませんでした。
長男と2人だけで過ごす時間
私はようやく、長男と向き合うことを考えました。
振り返ると、次男が生まれて以来、お出かけは常に家族みんな一緒。次男がいると、ミルクやお昼寝の時間が気になって、長男を思う存分遊ばせることができていませんでした。
そこで私は、夫に次男を預けて、実家に遊びに行くことにしました。息子と2人だけで長時間出かけるのは、次男が生まれて以来初めてのこと。
その頃、気持ちが不安定だった息子でしたが、
「お母さんと2人で行くよ」と伝えると
「やったー!」と喜び、顔つきが少し穏やかになったような気がしました。
そして当日。実家に到着するなり、おじいちゃんとおばあちゃんへ話が止まらない長男。久しぶりに独り占めできてうれしかったのでしょう。そんな光景を、私もゆったりとした気持ちで眺めていました。
すると息子から
「お外にでかけたい」というリクエストが。いつもなら億劫な気持ちになってしまうところですが、この日は
「2人で公園行こっか」と快く応えてあげられました。
その日は平日だったので、公園に行くと誰もおらず、貸し切り状態。私と長男しかいない空間では、時間の流れをとてもゆっくり感じられました。そんな感覚は久しぶりで、繋いでいた息子の手をとても愛おしく思えました。
「愛おしい」という気持ちがちゃんとある。次男が生まれて以来、長男への愛情がなくなってしまったのではないか… とずっと悩んでいた私にとって、それはとてもうれしいことでした。
笑顔で保育園へ
翌日の保育園。
息子は「行きたくない」とは一言も言わず、笑顔でバイバイができました。
大人の私は、楽しい休みの次の日は「仕事に行きたくない」と思ってしまいますが、子どもは心が満たされると、前向きになるような気がします。
その後、私がずっと穏やかな気持ちで過ごせているかというと、残念ながらそうではありません。ですが、長男と過ごした日のことは、何かあるたびに振り返る思い出の1つになりました。
今朝も
「早く着替えなさーい!!」と怒りながら息子を保育園へ送り出しましたが、こうしてあの日のことを思い出すと、少し優しくできそうです。
(ファンファン福岡公式ライター/れな)