こころのオルゴール(6)第三の性を生きる(性的マイノリティ)

 福岡市では人権問題を身近に考えてもらうため、5分間の人権啓発ラジオ番組「こころのオルゴール」を制作しています。平成6年度から放送を開始し、30年目になります。

目次

こころのオルゴールを放送

 今年度の「こころのオルゴール」は、2023年12月と2024年2月に、それぞれ15日間放送します。身近な人権問題をテーマにお伝えし、人権作文も紹介します。
 ナレーターは、福田愛依さん、土居祥平さん、立川生志さんです。 

放送スケジュール

<CROSS FM>
◆令和5年12月1日(金曜日)~12月21日(木曜日) 毎週・月~金曜日 16時53分~16時58分
◆令和6年 2月 1日(木曜日)~  2月21日(水曜日) 毎週・月~金曜日   7時52分~ 7時57分 

●朗読動画:第三の性を生きる(性的マイノリティ)

シナリオ
 皆さん、いかがお過ごしですか。福岡市がお送りする「こころのオルゴール」の時間です。今日は私、福田愛依がお届けします。今日のタイトルは「第三の性を生きる」です。 

 皆さんは「ノンバイナリー」という言葉を知っていますか。ノンバイナリーとは、男性、女性どちらにも当てはまらない性自認のことで、「第三の性」ともいわれます。福岡市で活動するシンガーソングライターの響子さんは、自身がノンバイナリーであることを公表しています。 

【響子さん役】私は小さい頃から、どうして何でも男、女の二つで分けるのか、なぜ恋愛対象が異性でなくてはいけないのかが理解できませんでした。好きな相手が女性だと告げると周りから「男性」だと決めつけられるのもつらく、性同一性障がいやレズビアンとも違い、自分の性自認が自分でも分からず苦しんでいました。 

 そして自分が存在するだけで相手を不快にさせるかもしれない、ノンバイナリーの私に嫌悪感を持っているかもしれないと、心が追いつめられていきました。女性でも男性でもない自分は「人間」として、いえ「生物」としてさえ間違った存在なのではないかと考えるようになり、自分の存在意義を見失って、死を考えたこともあります。 
 心が楽になったのは、音楽関係の大学に進学し、仲良くなった友達が性的マイノリティだと打ち明けてくれたときです。本人も他の人もごく自然な態度なのを見て、私も勇気をもらい「自分は自分でしかないんだ」と思えるようになりました。 

(ナレーター)生きづらさを抱えてきた響子さんにとって、音楽は自分を表現する場です。LGBTQのイベントなどでも思いを込めたオリジナル曲を歌い、「歌詞に共感した」「前向きになれた」という声が届くこともあります。 

【響子さん役】自分が性的マイノリティであることを言えずに、苦しんでいる人はまだたくさんいます。つらいときは戦わなくていいし、その環境から逃げることも大事です。今は孤独だと感じていても「自分自身」を見てくれる人は必ずいます。 
 音楽や絵画などは作品そのものを、ありのままに受け入れてもらえます。人も同じように、性別にとらわれずそのままの人間性や感性で認め合えたら、どんなに幸せだろうと思うのです。性別の枠を超えて、お互いに「心と心」でつながることが大切なのではないでしょうか。

お問い合わせ
福岡市人権啓発センター
E-mail:jinkenkeihatsu.CAB@city.fukuoka.lg.jp

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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