「お金の心配をさせない」が口癖のママ友 子どもが成人する頃には驚きの結果に…

20年以上付き合いのあるママ友は、「子どもにお金の心配をさせない」をモットーに4人の子どもを育てました。一方、「お金がない」を口癖に子どもを育てた私。大人になった子どもたちは、驚くような違いが現れたのです…。

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家族のために時間とお金を惜しまない

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 私には大切なママ友がいます。出会いは幼稚園の父母会。私は初めての子育て、対する彼女は4人のママ。年齢差は15歳ですが、決して先輩風は吹かせず1年間力を合わせてハードな役員を務めたのでした。

 その後もお付き合いが続きます。彼女は大らかで前向きな人。子育てだけでなく、自分の親や兄弟のことまで、常に精力的に世話をやいていました。よく、
 「クヨクヨ考えても仕方ない。やれることをやればいいのよ!」と私を励ましてくれた彼女。
 「心にザルを用意して肝心なこと以外は流せばいい」という助言は、今も私の中で手本となっています。

 ある時、お茶をしていると珍しく真剣な面持ちで彼女は
 「子どもにお金の心配をさせてはいけないよ」と言いました。その理由は
 「父は『女に学など必要ない』と言って、机一つ買ってくれなかったの。だから自分の子どもは全員大学に行かせるつもり」ということでした。

教育費は早いうちからかけるのが良い?

 彼女はよく「小学校から国立の付属。それがダメでも中学からは私立に入れるべき」と言っていました。

 その目標を達成するべく塾と習い事の送り迎えもしながら、教育費工面のために仕事を始めたそうです。ご主人は一流企業勤めで、「子育ては母親の仕事」という古い考え方の持ち主。彼女はワンオペ育児を見事にやってのけていました。

 家計は自転車操業でしたが、子どもにはお金の心配をさせず、塾や習い事で必要だと言われればポンポン支払っていました。

 それに反して、「子どもにお金をかけすぎない」が持論だった私は、習い事は月5千円まで。塾は通わせず、自分で勉強する習慣を身につけさせ
 「うちはお金がないのだから頑張ってね」とわが子を励まし、高校受験までは勉強をみていました。

お金を惜しまなかった子どもたちは・・・

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 子ども達はあっという間に大人に。そして彼女の子ども達は、聞いて驚くほどお金がかかりました!

 1人目は2浪して入った大学が気に入らず中退。他の大学に入り直すも、その大学も辞めてしまいフリーターに。

 2人目は専門学校を出てレストランシェフを目指していたはずが、ホストに転職。稼いだお金でビジネスを始めたものの、今は音信不通だとか。 

 3人目は大学在学中に彼女ができて、半同棲状態に。大学は留年し、更に学費がかかります。彼女との交際は続いているようですが結婚の予定はないそうで
 「孫は見られないかも」とがっかりしていました。

 4人目は「金銭感覚が唯一まとも」に育ったそうで、アルバイトで携帯電話料金や遊ぶお金などを自分で稼ぐようになったとか。でもなぜか大学卒業後はフリーターに。

 ちなみに一流企業勤めだったご主人は、何の相談もなく早期退職。しかも退職金の一部を投資詐欺にあててしまったそうです。家のローンを完済できず、家計は彼女が支えています。

 介護の仕事に就く彼女は
 「夜勤とか割の良い仕事だけ引き受けるようにしたわよ!」とこれまで以上のパワーで、私を含めた友人達の心配を一蹴したのでした。

親の言葉と行動が一番の手本

 お金の心配をさせなかった子どもたちは、親の懐事情を気にせず成長。
 「どの子も親の期待や苦労に応える結果ではないわね」と彼女は残念そうでした。『良い大学、良い就職先、結婚して孫を抱かせてくれる』それが彼女の望んだ未来。
 家計を支える彼女は、70歳が近づいた今も仕事を頑張っています。

 一方、お金をかけないをモットーに育てたわが息子は、塾に通わずそこそこの県立高校に進学し、大学も特待生で授業料免除。
 就職してからは毎月8万円もの生活費を入れる孝行息子になりました。

 彼女は
 「どうしたらそんな息子になるの?!」と驚いていました。頑張ってきた彼女に「子どもにお金の心配をさせたから」とは言えませんでしたが…。

 お金の教育は本当に大切です。彼女のように自由にさせすぎず、私のように縛りすぎず、ちょうど良いさじ加減はわかりませんが、まずは私たち親のお金の使い方が、一番の手本なのかもしれないと感じます。

(ファンファン福岡公式ライター / 文月)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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