私には90歳近くになる父方の祖母がいます。祖母は昔から人の気持ちを考えずに持論を展開する人。他からの意見は受け付けないタイプで、上から目線でものを言う“毒祖母”です。今回は私が帝王切開で出産し、痛みに苦しんでいるなかお見舞いに来たときに放った、衝撃の一言を紹介します。
昭和世代の子育て論
まだ私が子どもを妊娠する前、20代の頃だったと思います。まだ私自身子育ての知識が無い中で、あるネットの記事を見かけました。それは「昭和世代から若い子育て世代に対して、古い知識を押し付け上から物申してくるのが迷惑!」という内容の記事でした。
親世代や祖母世代の人から、今の時代にそぐわないような
「帝王切開は楽をしている」や「母乳が当たり前。ミルクはちゃんと育たない」という昭和の子育て論をぶつけてくるという内容でした。
その時は「そんなこともあるんだ。おばあちゃん世代の子育てはもう50年以上前の知識だったりするものね!」と、他人事に感じていた私。
前置胎盤で緊急入院! そして緊急帝王切開へ
そんな私も30代になり、妊娠。妊娠後期にはいった頃「前置胎盤」と診断され、緊急入院となったのです。胎盤が赤ちゃんの出口を覆っ てしまう状態のことで、少しのことで大出血を引き起こして母子ともに危険な状態になる可能性があったので、絶対安静を言い渡されました。ベッドから動くこともできず、30日ほど病室で過ごしました。
そしてある日、大出血をし緊急手術となったのです。
母子共に無事に出産はできたものの、多量の出血をして術後はかなりの痛みと戦っていました。そして2日ほど経った日、“毒祖母”が病院へ来たのです。
びっくり! 祖母から言われた昭和全開毒発言
手術2日後の朝、母からメールが届きました。
「ごめん。おばあちゃんが今そちらに向かってる。電話で『ひ孫が産まれた』って伝えたら、こっちの都合も聞かずに『今からひ孫を見に行く』と言って向かってしまった」という内容でした。
母は、私の都合を聞いてからにしましょうと提案してくれたらしいのですが
「関係ないでしょ。もう産まれてるんだから大丈夫よ」と聞く耳を持たなかったというのです。そして数時間後、私の叔母と、問題の祖母が到着しました。
第一声は
「良かったじゃない、手術で楽できて! 普通分娩だったら大変だもの! 私の時なんてほんと大変だったわよ。数時間も苦しんで! 寝てる間に産まれてるなんてラッキーだわねえ」と、まるで良かれと思って言っているかのような表情で、信じられない言葉を放ったのです!
まず帝王切開は、ほとんどのケースで全身麻酔じゃないので意識があります。さらに術後に切られた子宮が収縮するので激しい痛みが襲ってきます。私の場合は出血も止まらず、丸1日本当に苦しい思いをしました。
さらに祖母は病室にある哺乳瓶を見て
「赤ちゃんは、絶対母乳がいいわよ。ミルクなんてもってのほか!」と持論を展開してきました。
ついにブチ切れた私
術後の痛みで満身創痍のなかで言われた毒発言だったので、私は怒りが収まらずに
「よくもそんなことが言えるよね? もう帰って! 早く帰って!」と怒鳴ってしまいました。
しかし当の毒祖母は、何が悪かったのかわからないという表情。
「なんでそんなに怒ってるのよ? せっかく来てやったのに」と言うち、気まずそうにしている叔母と一緒に帰っていきました。
時代錯誤で失礼なことを言われるとは思っていなかったので、本当に悲しかったです。
その後は、毒祖母の家には必要最低限しか行かないようになりました。そしてまた違うトラブルが起こり、今は毒祖母とは縁を切りました。
普通分娩、帝王切開、どちらも「命をかけて赤ちゃんを生む」という大変な出来事です。まずは出産した人には「お疲れ様!」と優しく伝えてあげたいものです。
(ファンファン福岡公式ライター / ペソ美)