夫は自由奔放なB型人間。しかし教員の仕事に関しては大真面目で責任感の強い人です。そんな夫との間に授かったわが子の、初めての出産エピソードです。立ち会い出産後に夫が放った衝撃の一言とは…。
里帰り出産を予定
初めての出産だったこともあり、里帰り出産をすると決めていた私たち。私の実家に帰省する予定にしていました。当時住んでいた関西から実家までは、新幹線などで約3時間の距離でした。
夫と出産について話すなかで、
「立ち会い出産はしたい!」ということに。本音では、私が一緒にいてほしかっただけでもあるのですが…。
陣痛が来たら、いつでも実家に駆けつけることができるように
「泊まる荷物の準備をしておいてね」ということは何度も伝えて、私は実家へと里帰りしました。
陣痛が始まってまさかの事態に?!
そして遂に陣痛が始まりました。
すぐ夫には
「陣痛が始まった! もうすぐ産まれると思うから来て!」と一報を入れます。
ところが! まだ全く何も準備をしていなかったことが発覚。
出産予定日までまだ2週間もあるし、1人目は予定日よりも遅くなることが多いと先輩から聞いていたことで、準備を全くしていなかったというのです。
「え? あんなに前もって何度も伝えていたのに!?」と、思ってもみない展開に、私は悲しくなりました。
はじめてのお産
「パパが今向かってくれてるから、もう少し待っていてね」とお腹の子どもに話しかけ、私は初めての痛みと闘いながら夫の到着を待っていました。
産まれる前に、何とか夫も到着!
「間に合ってよかった」と嬉しそうでした。
そして、無事に出産をすることができました。陣痛が始まってからトータル約15時間のお産でした。夫は初めて見る出産の光景に終始
「感動した~! すごい!」と感動していました。
夫の信じられない一言
初めての出産。今まで感じたことのない痛みとの闘いを終え、家族が増えた幸せをかみしめながら、私と夫、わが子と3人で横になりしばし仮眠していました。
私は話す気力も食欲もなく、提供された食事も「残りは後で食べよう」とベッドの脇においていました。
しばらくすると、夫が私に声をかけ起こしました。
「どうしたの?」と私が返事をすると、
「ご飯もったいないと思ったから、食べといたで!」と言う夫。
「?!」楽しみにしていたデザートのケーキまで、見事にキレイになくなっていました…。
さらに続けて
「明日、仕事あるから俺もう帰るわ!」という耳を疑うような言葉を夫が発したのです。
時計を見ると夕方の18時。出産からまだ1時間しか経っていませんでした…。
「え!? まだ1時間しか経ってないよ? それに日帰りするなんて聞いてない…」
私は悲しいやら、虚しいやら、イラつきやらで心も頭もパンク寸前でした。
「明日はどうしても休まれへん部活の試合があんねん! 代わりの先生もおらへんし。また来週来るからしっかり寝て休みな!」
そう言って、本当に夫は帰ってしまいました。
親の自覚の差
夫は「立ち合い出産もできたし、母子ともに健康で良かった! また来週も会えるし、切り替えて明日の仕事頑張ろう」と思ったのでしょう。
でも私にとっては、この一連の言動は、裏切りに近い、心に深い傷をつけるものとなりました。
母親は妊娠してからすぐに“母親としての自覚”を持ち始めますが、「父親は育児に積極的に関わっていかないと父親だと自覚しない」というのは本当だなと思いました。
その後も子育てをしていくなかで私の不満は募る一方。そして、夫ではなく子どもに愛情を注ぐ一方になったので、夫も「これはヤバい」と思ったのでしょう。
今では家事も私以上に積極的にしてくれるようになりましたし、職も変えて育児にも協力的になりました。
めでたしめでたし!
(ファンファン福岡公式ライター / merry)