建国記念日とはどんな祝日?記念日と記念“の”日、どっちが正しいの?

6歳・8歳の息子を持つママライター、永野栄里子です。

令和という新しい元号に変わってから、2月は祝日が2日に増えました。そのうちの1つ「建国記念の日」は、どのような祝日なのでしょうか。

今回は、建国記念の日について紹介します。「記念日」なのか「記念の日」なのか、具体的に何を記念しているのかなど気になる情報をまとめましたので、祝日を迎える前にぜひチェックしてみてください。※記事で紹介する由来には諸説あります

目次

建国記念日とは?正式名称は「建国記念の日」!

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まずは、建国記念の日とはどんな日なのかを確認しましょう。「建国記念日」といわれることも多いですが、正式名称は建国記念「の」日です。

建国記念の日とは

2月11日の建国記念の日は、国家の基礎確立を記念した祝日です。1948年に交付された「国民の祝日に関する法律(祝日法)」改正により、1966年(昭和41年)に新たに国民の祝日に制定され、翌年の1967年(昭和42年)より適用されました。

建国記念の日は「紀元節」に由来

建国とは「その国ができたこと」を指しますが、日本の建国記念の日の由来は神武天皇の即位日である紀元節です。桓武天皇は日本の初代天皇で、「古事記」や「日本書紀」などの歴史書にも登場します。

日本書紀では桓武天皇の即位について「辛酉年春正月庚辰朔」と記されており、これは現代のグレゴリオ暦で換算すると、紀元前660年の2月11日にあたります。そこで、1873年(明示6年)2月11日を「紀元節」として祝日に制定。これが建国記念の日の始まりです。

正式名称は「建国記念“の”日」

前述の「紀元節」は第二次世界大戦に敗戦したことで、1948年、GHQの意向により廃止となりました。しかし、その後も紀元節復活を願う国民が多かったことから、1966年に再び祝日に制定。「建国記念の日」という名前がつきました。

日常会話のなかなどでは「建国記念日」ということもあるかもしれませんが、正式な祝日の名称は「建国記念の日」です。なぜ「記念“の”日」というのか、気になる人もいるでしょう。

日本以外にも「建国記念日」を定める国はありますが、世界的に「建国記念日」というと、史実上で建国した日を指します。しかし、日本の建国記念の日である2月11日はグレゴリオ暦で換算した日付であり、史実上正しいかどうかは定かではありません。

よって、「神武天皇(初代天皇)の即位から続く皇統と、日本国の建国をお祝いする日」として、「建国記念“の”日」とされたそうです。

日本の建国年数はギネス認定も!

歴史ある国というと、中国やエジプトのような古代文明が栄えた場所を想像するかもしれません。しかし、実は建国年数でギネス認定を受けているのは日本で、2024年で建国2681年になります。

日本の建国は紀元前660年の2月11日。その後も現在まで王朝が続く国で、2番目に建国の歴史が長いデンマークとも約1600年の差があります。建国記念の日は昭和41年に制定された祝日ですが、日本の長い歴史を象徴する、大切な日であることがわかりますね。

建国記念の日 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BB%BA%E5%9B%BD%E8%A8%98%E5%BF%B5%E3%81%AE%E6%97%A5
現存する世界最古の国はどこか知っていますか? https://sisin.info/oldest-country/

世界でも“建国”にちなんだ祝日が存在する

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国の始まりをお祝い、記念する建国にちなんだ祝日は、世界にも存在します。5つの国の例を見てみましょう。

アメリカ:独立記念日

アメリカの建国記念日は7月4日で、「独立記念日」と名付けられています。独立記念日は1776年7月4日に、大陸会議でアメリカ独立宣言に署名されたことに由来します。

独立記念日を含む1週間、アメリカではコンサートなどのイベントが開催されたり、空に花火が上がったりと、国民たちは各地で賑やかにお祝いをします。

フランス:革命記念日

フランスの建国記念日である7月14日の「革命記念日」は、フランス革命の始まりとなるバスティーユ牢獄襲撃と政治犯解放が起こった、1789年7月14日に由来します。日本でも「パリ祭」という名前で知られる記念日の1つです。

革命記念日にはパリで軍事パレードが行われるのが恒例で、パリ以外の場所でも各地で花火が打ち上げられます。

イタリア:共和国建国記念日

イタリアの建国記念日は6月2日で、「共和国建国記念日」という名称です。イタリアは第二次世界大戦後の1946年6月2日に、それまであった王政を廃止。国民投票で、共和制になることを決めました。

毎年6月2日が国民の祝日とされており、ローマでは軍事パレードが行われます。また、各地で記念のイベントやアトラクションが開催され、お祝いムード一色になる1日です。

中国:国慶節

中国の建国記念日は、1949年10月1日の国家成立宣言に由来する「国慶節」です。当時、毛沢東が天安門広場で、国家成立を宣言しました。

中国では国慶節を含む1週間ほどを大型連休とし、盛大にお祝いをします。国慶節当日は各地でイベントが開催され、花火はもちろん爆竹を鳴らす人も多いようです。

韓国:開天節

韓国の建国記念日は10月3日で、「開天節(開国記念日)」と名付けられています。韓国の「檀君神話」に基づいており、伝説上の古朝鮮の王・檀君が即位し、檀君朝鮮を建国したことを記念した日です。

人々は天符経天舞やアリラン合唱など、伝統的な公演で、記念日をお祝いします。

建国記念日とは?意味・由来や子どもと一緒に楽しむアイデアを解説 https://hoiku.mynavi.jp/contents/hoikurashi/childminder/knowledge/8634/
イタリアと共にお祝い。イタリア共和国建国記念日レセプション https://italianity.jp/culture/italian-national-day-reception-2019

日本の建国記念の日には、各地でお祝いのイベントも

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世界の建国記念日には各地でお祝いの行事が行われ、お祭りムードになることも多いようですが、日本では「建国を盛大にお祝いする」という人は多くはないのではないでしょうか。

調べてみると、東京では建国記念の日に、神宮外苑から明治神宮のあいだで奉祝パレードが行われています。また、各地の神社のなかには、現在も紀元節の式典を行うところもあります。

伝統的な日本の儀式を受け継いだイベントも存在するので、興味を持ったら足を運んでみるとよいでしょう。

建国記念の日とは日本ができた日ではない!過ごし方や海外の例 https://www.sanyo-stylemagazine.jp/life-style/20220211/

親子で建国記念の日を知る!祝日の過ごし方例

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建国記念の日を家族で過ごすという人は、ぜひ親子で記念にちなんだ過ごし方を実践してみてください。一緒に本を読んだりクイズを出したりと、小さな子どもも楽しめる過ごし方を紹介します。

式典に参加する

前述の通り、日本でも建国記念の日をお祝いする式典などが開催されています。東京近郊の人は、年に1度の貴重な奉祝パレードを見に行ってもよいでしょうし、近くの神社の式典を見学に行くのも1つの方法です。

建国記念の日がどのような日かを説明する

建国記念の日は具体的に何を記念しているのか、祝日の由来を子どもに説明するのもよいでしょう。祝日法について話せば、ほかにはどんな祝日があるかなど、さまざまな方向へ話が広がる可能性もあります。

日本の神話についての書籍を読む

建国記念の日の歴史は紀元前にまで遡るので、日本の神話を楽しむのもおすすめです。「ヤマタノオロチ」や「あまのいわと」などの有名な神話は、教訓もあり、子ども向けの絵本も多くあります。

日本地図や国旗に関連する絵本を読む

どのように日本という国ができたのか、日本地図を見て一緒に考えるのも、親子でのコミュニケーションにつながります。小学生の子どもとは、地形の変遷、国旗の成り立ちなど、日本の歴史に関するこども向けの書籍を読むのもよいでしょう。

日本についてのクイズを解く

日本の神話や歴史、建国記念の日の由来などを親子で話したあとには、日本に関するクイズを出題すると、さらに盛り上がるかもしれません。話した内容を思い出したり考えたりすることで、建国記念の日の記憶がより強く残ることも期待できます。

世界の建国に関しても話す

「建国記念日」は日本だけでなく、世界のさまざまな国でも制定されています。世界の建国記念日の日にちや名前、その由来などを話すと、日本だけでなく国境を越えた土地にも興味を持てるようになるのではないでしょうか。

建国記念日とは?由来や建国記念の日と呼ぶ理由、子ども向けの伝え方や遊びアイデア https://www.hoikushibank-column.com/column/post_2126

建国記念の日は紀元節に由来!当日は親子で日本の歴史や文化に親しもう

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2月11日の建国記念の日は、祝日法改正により1966年に制定された国民の祝日です。桓武天皇の即位に由来した紀元節が名前を変えたもので、日本の建国の歴史はギネス記録にも認定されています。

世界各国でも建国記念を祝う日が存在し、お祝いの方法もさまざまです。建国記念の日には、ぜひ親子で日本の歴史や文化に親しみ、楽しい時間を過ごしてください。

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

大学・大学院にて日本語学を専攻し、修了後は日本語学校に非常勤講師として勤務。2018年よりウェブライターに転身し、さまざまなメディアで記事を手がける。2人の子を持つ「ママライター」として、日々育児に仕事に奮闘中。

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