6歳・8歳の息子を持つママライター、永野栄里子です。
卒園、卒業シーズンである3月には「春分の日」という祝日があります。だんだんと春に向かうこの時期の祝日は、何をお祝いするものなのでしょうか。
今回は、春分の日の由来や親子でのおすすめの過ごし方を紹介します。お彼岸に関する情報もまとめましたので、ぜひ楽しい1日にするための参考にしてください。 ※記事で紹介する由来には諸説あります
春分の日はお彼岸の中日にもあたる3月の祝日
春分の日は3月後半にある祝日です。どのような日なのか、由来や意味を確認しましょう。
春分の日とは
春分の日は、1948年に公布・施行された「国民の祝日に関する法律(祝日法)」で制定された、日本の祝日です。この法律によると、春分の日の趣旨は「自然をたたえ、生物をいつくしむ」こととされています。
春分の日の由来
春分の日の由来は大きく2つあります。1つは「春分日」で、これは太陽が春分点を通過する瞬間の「春分」を含む日を指します。地球のどの場所でも、昼と夜の長さが同じになる「春分日」ですが、厳密には昼のほうが少し長いそうです。
また、もともと春分の日は「春季皇霊祭(しゅんきこうれいさい)」という宮中祭祀が行われていた日で、これを改称したともいわれています。「春季皇霊祭」は、秋の「秋季皇霊祭」とともに、年に2回の大祭として現在も受け継がれているものです。
春分の日にはさまざまな意味が
「春分日」や「春季皇霊祭」、「自然をたたえ、生物をいつくしむ」という目的など、春分の日にはさまざまな意味があります。また、春分の日を挟む数日は春のお彼岸で、ご先祖様を供養する日です。
お彼岸の中日(ちゅうにち)は「此岸と彼岸が最も通じやすい日」といわれており、そこにあたる春分の日を中心に、先祖供養を行うことも多いようです。
2023年の春分の日は3月21日|意味や由来、行事食などを解説 https://skywardplus.jal.co.jp/plus_one/calendar/spring_equinox_day/
春分の日は毎年変わる!その理由は
祝日法では春分の日の日にちを指定しておらず、「春分日」としています。なぜ春分の日は年によって日にちが変わるのでしょうか。
前述の通り、祝日法の春分の日の日程は「春分日」で、「1月の第2月曜日は成人の日」「2月11日は建国記念の日」のような、具体的な指定はありません。しかし、春分日は「毎年3月20日~21日ごろのいずれか1日」とされているので、3月20日、もしくは21日のどちらかになります。
ちなみに、2023年の春分の日は3月21日、2024年は3月20日です。20日か21日、どちらを春分の日とするかを決定するのは国立天文台で、毎年2月に公表する暦要項で翌年分の春分の日、そして秋分の日が確定します。
国立天文台によると、「地球の運行状態などが現在と変わらないと仮定すると、将来の春分日を計算で予想できる」とのことで、2050年までの春分日、秋分日の計算結果を公式サイトで参照できます。
各「国民の祝日」について https://www8.cao.go.jp/chosei/shukujitsu/gaiyou/kaku.html
何年後かの春分の日・秋分の日はわかるの? https://www.nao.ac.jp/faq/a0301.html
春分の日には何をする?子どもとのおすすめの過ごし方
自然をたたえ、生物をいつくしむ春分の日には、親子で祝日にふさわしい過ごし方を工夫しましょう。春の訪れを感じたり、おいしいものを食べたりしながら、春分の日がどんな日かを話すのもおすすめです。
春を探す
3月20、21日頃は、徐々に春らしい陽気に向かっていく時期です。子どもと一緒に外へ繰り出し、春探しをするのもよいでしょう。
3月後半頃には、牡丹や木蓮、タンポポなどが見られます。また、少しずつ活動を始める生き物も増えてきます。春の植物や生き物を写真に撮って記録に残すことはもちろん、図鑑で調べても楽しいかもしれません。
ぼたもちを作る・食べる
春分の日には、もち米をあんこで包んだぼたもちを食べる風習があります。春分の日に食べる「おはぎ」とは呼び方が異なるだけですが、地域によっては「ぼたもち」はこしあん、「おはぎ」は粒あんなど、作り方や材料に違いがあることも。
ぼたもちを親子で食べながら、春分の日や春の植物、生き物について語らうのも、春分の日の過ごし方の1つです。料理が得意な大人がいる家庭では、一緒にぼたもち作りに挑戦してみてもよいでしょう。
春にちなんだ絵や折り紙を楽しむ
まだまだ外は寒く、春を感じられない場合には、春の植物や生き物の絵を描いたり、折り紙で折ってみたり、室内で春分の日らしい時間を過ごすのもおすすめです。
ピンクや黄色、赤などの明るい色でお花を作れば、お部屋のなかが「春」で満たされます。家庭で卒業や入学のお祝いをする場合は、飾りになるようなものを作るとその後も活用できます。
果物狩りに行く
3月から4月にかけては、いちごやはっさくなどが食べ頃です。果物狩りに行ったり、購入して自宅で楽しんだりして、春の味覚に触れましょう。
最近は旬の果物以外も楽しめる果物狩りも増えています。厳しい寒さを抜けだし春に向かう季節に、子どもの好きな果物をおなかいっぱい食べるのもよいかもしれません。
春分の日ってなにするの?親子で楽しめる過ごし方や食べ物をご紹介 https://mama.chintaistyle.jp/article/vernal-equinox-day/
春分の日にはお彼岸の行事も意識しよう
春分の日はお彼岸の中日にあたるので、お彼岸に関する行事も意識すると、さらに春分の日の過ごし方の幅が広がります。
お墓参りに行く
「彼岸」とは煩悩から解放された極楽浄土を指し、煩悩に満ちた現世は「此岸」と呼ばれます。春分の日は、此岸と彼岸が最も通じやすくなる日だといわれており、仏教ではこの日に先祖供養をすると極楽浄土に行けると考えられています。
近くにご先祖様のお墓がある場合には春分の日にお墓参りに行き、心を込めて掃除をしたり、きれいなお花などをお供えしたりして供養しましょう。
仏壇のお手入れをする
ご先祖様の仏壇が自宅やその近くにある人は、春分の日に仏壇のお手入れも忘れず行いましょう。子どもにもできることをお手伝いしてもらいながら、ご先祖様とのつながりや思い出などを語るのもよいかもしれません。
精進料理を食べる
仏教には「不殺生」という教えがあり、これに基づいて作られるのが精進料理です。精進料理にはお肉や魚など、動物性の食材を用いず、野菜や穀物、豆などを調理します。
精進料理は調理が大変で手間がかかるので、自分で作ってみるのは難しいかも知れません。お墓参りのあとに精進料理のお店で家族で会食すると、ご先祖様の供養にもなり、伝統的な料理も味わえるでしょう。
春分の日はいつ?年によって違う理由と春分の日にまつわる行事や食べ物を紹介 https://web.hh-online.jp/hankyu-food/blog/lifestyle/detail/001343.html
春分の日は「春分日」や「春季皇霊祭」に由来!暖かい春を迎える準備も楽しもう
春分の日は、昼と夜の長さが同じになる「春分日」や、「春季皇霊祭」という宮中祭祀に由来する、国民の祝日です。日にちは毎年3月20日、もしくは21日で、国立天文台が毎年2月に翌年の春分日を発表することで確定します。
春分の日は、暖かな春がもうすぐそこまで来ていることを感じられる日でもあります。おいしいものを食べたり春を見つけたり、お彼岸にちなんでお墓参りをしたりと、親子で充実した1日を過ごしましょう。新年度の生活に向けた準備も、少しずつ進めていけるといいですね。