子育てには思わぬハプニングがつきものです。私には2人の息子がいますが、次男は特に好奇心旺盛でどこにでも行ってしまうような子。そんな次男が2歳のときに家族を巻き込む珍事件を引き起こしました。そのピンチを救った意外な人物とは?
休日に突然の訪問者
長男が5歳、次男が2歳の冬、ある休日のことでした。当時は戸建の借家に住んでいて、長男と夫は家から歩いて30秒ほどの公園で遊び、私と次男は家でまったり過ごしていました。当時2歳の次男は好奇心の塊。目を離すと10秒後には姿を消すような子でした。
すると突然「ピンポーン」というインターホンの音。てっきり長男と夫だと思い、鍵を開けて出たところ、それは訪問販売の男性でした。
普段、訪問販売はすぐにお断りしていたのですが
「1分だけ質問に答えてほしい」と言われ、面倒くさいと思いながらも玄関の外に出て、質問に答え始めました。
するとそのとき、「ガチャリ」と玄関の鍵が閉まる音がしたのです!
背後で閉まったドア
ハッとして振り向くと、玄関のすりガラス越しに次男の姿が。まさかと思い、ドアノブを動かしますが、時すでに遅し。中から鍵を掛けられてしまったのです。
慌ててポケットに手を入れましたが、もちろん鍵は無く、サーっと血の気が引くのを感じながらも
「お母さん中に入れないから、開けてくれる?」と冷静に次男に話しかけます。
しかし、相手は2歳。「鍵」という言葉の意味も分からないようで、次男はそのままリビングの方へ姿を消したのでした…。
どうする?! 次男が家の中に取り残された
訪問販売の男性も私の様子を見て
「大丈夫ですか?」と聞いてきましたが、
「ごめんなさい、今日は無理そうです」と言い、私は急いで公園にダッシュ。
「〇〇(次男)が中から鍵をかけてしまって家の中に入れない!」と言うと、夫と長男も驚き、皆で急いで自宅に戻りました。この時点でまだ鍵は施錠されたまま。そして夫も鍵やスマホを持っていないことが判明しました。
いよいよもって深刻な状況になり、「次男がケガしたらどうしよう」「隣の人に大家さんを呼んでもらう?」など私は焦り、パニック状態。すると、夫が一言。
「そういえば、トイレの換気してなかった?」
なんと、偶然にもその日、トイレの小窓を開けて換気をしていたのです。普段は寒くて窓を開けていないのですが、この思わぬ偶然にガッツポーズ。
ピンチを救った意外な人物
しかし、トイレの小窓は150cmほどの高い場所にあり、大人が入れるほどの大きさもありません。
考えは1つ。長男しかいない。
「お願い! 君しかいない!」と長男に言うと
「任せて!」と頼もしい返事が返ってきました。
そして夫が長男を担ぎ、家の中に潜入させることに成功! 玄関のすりガラス越しに今度は長男の姿が見え、無事鍵を開けることができたのです。
わが家のヒーロー
約15分ぶりのわが家に急いで入ると、そこにはテレビを見ている次男の姿が。「どうかしました
か?」と言わんばかりの表情に思わず笑ってしまいましたが、事故もケガもなくホッと一安心。
そして長男はピンチを救った“正義のヒーロー”として、夫と私から1日中褒められたのでした。
それからというもの、長男はことあるごとにこの話を
「あのとき俺がいなかったらどうなっていたかなぁ!」などと得意げに話します。
生きた心地のしなかった約15分間の出来事。私はこのときの教訓として、ゴミ捨てや玄関の来客時も必ず鍵とスマホを持ち歩くことにしています。小さなお子さんがいる方はくれぐれも気をつけてくださいね。
(ファンファン福岡公式ライター / おとうふ)