バレンタインと言えば「女性が男性にチョコをあげる日」という認識は、もう古いかもしれません。わが家の息子は、バレンタインを前に、友人たちと驚きの約束を交わしてきました。今回は、息子を通して知った「今どき小学生のバレンタイン事情」をお話しします。
2月14日はチョコを「交換」する日!?
世間はバレンタインムード一色。テレビでは有名チョコの特集が組まれ、百貨店やスーパーにはチョコのコーナーが設置されます。流行に敏感な子どもの間でも、バレンタインの話題が出ているようです。小4の息子は
「もうすぐバレンタインかあ」と口にします。
息子が幼稚園の頃は、クラスで仲の良い女の子や習い事が一緒の子にチョコをもらっていましたが、小学校入学と同時に新型コロナウイルスが蔓延し、食べ物のやりとりを控える傾向に。今年は、コロナ禍明け初のバレンタインです。
小学生の女の子を持つママ友は、
「今年はバレンタインに配るお菓子を手作りしたいって言われて大変」と嘆いています。その点、わが子は男児なので「もらったぶんを返せばいいや~」と、気楽に構えていました。
2月に入り、バレンタインまであと2週間。息子は学校から帰宅するなり
「お母さん! バレンタインの約束してきたよ!」と、嬉しそうに叫びます。きっとクラスの女の子にチョコをプレゼントされるんだろうな。私はそう思いながら、
「よかったね~! 誰にもらえるの?」と尋ねました。
「あのね、5人と交換するんだ!」息子は元気よく答えます。そっかそっか、5人もいるんだ… って、交換!?
バレンタインの認識をアップデート
聞き間違いでしょうか、息子はバレンタインに5人とチョコを「交換する」と言ったような。
「友達と交換するの? もらうんじゃなくて?」
「交換だよ! 放課後、クラスの友達と公園でチョコ交換するんだ。だから俺も準備しなきゃ」息子の顔には、やる気がみなぎっていました。やはりチョコを交換するつもりのようです。
私は首をひねりました。バレンタインは、女の子が男の子にチョコをあげる日だったはず。少なくとも、私の学生時代はそうでした。そのことを息子に伝えると、
「女子もくれるって。でも、もらいっぱなしじゃ悪いし、男友達とも交換したいし」と、自分もチョコを準備したい様子。
「お返しにはホワイトデーっていうイベントがあってね、3月14日なんだけど」
「じゃあホワイトデーにも交換すればいいよね」律儀なんだかお菓子がほしいのかわかりませんが、息子の決意は揺るぎません。さらに詳しく尋ねると、他の男の子もチョコを準備し、2月14日に交換会があるとのこと。
なるほど、今どきのバレンタインは男女の区別がない「友チョコ」が主流なのね!? たしかに「好きな子にチョコを渡すバレンタイン」よりも、「友達や大切な人に配るバレンタイン」のほうがカジュアルで親しみやすいイベントに感じられます。
息子の周囲だけかもしれませんが、最近の小学生のバレンタイン事情を把握し、私は驚きながらも認識をアップデートすることに。
かつて「女子」だった身からすれば、ドキドキしていたイベントがなくなる寂しさを感じつつ、時代とともに変化するものとして好意的に受けとめることにしました。
「手作りチョコ」の試練
「それでチョコは何を準備する?」私は息子に尋ねます。小学生同士ですし、チョコ系のお菓子を詰め合わせればいいかな、と考えていました。
しかし息子は、
「手作りしたい! チョコクッキーと生チョコ!」と、はりきっています。お菓子作りなど久しくやっていない私は、思わず固まりました。
家用ならともかく、人様に変なものを渡すわけにいかないのに、バレンタインまで時間もありません。
「お母さんはお菓子作りに慣れてないから、今年は市販のものじゃダメ?」
「俺、動画で作り方を検索するよ!」息子の手作り熱は冷めません。結局、親子でお菓子作りを練習し、本番に備えることに。バレンタインデー当日までの残り日数に震えながら、毎晩お菓子を作っています。まさか男の子ママでもお菓子作りスキルが必要になるとは…。
さらには、1カ月後のホワイトデーにもお菓子交換会が控えているようですが、「また手作りしたい!」と言われるのが怖いため、私からは話題にしないと決めています。
(ファンファン福岡公式ライター/芦谷)