ランドセルを寄付する方法は?支援団体や注意点も紹介

6歳・8歳の息子を持つママライター、永野栄里子です。

6年間の小学校生活を子どもと共に過ごしたランドセルも、まだまだきれいな場合は処分に困ることがあるのではないでしょうか。そんなときは、寄付をするのも1つの方法です。

今回は、ランドセルの寄付方法を解説します。受け付けている団体や注意点を知り、セカンドハンドを活用しましょう。

目次

使わなくなったランドセルを寄付しよう!

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使わなくなったランドセルも、もとはわが子が大切に使ったもの。手放す前には寄付の方法や、その後、どのように活用されるかを知っておきたい保護者も多いのではないでしょうか。

まずは、ランドセルを寄付する方法や用途を確認しましょう。

ランドセルの寄付方法

「ランドセルを寄付しよう」と思ったら、まずは寄付を受け付けている団体を調べましょう。後述する団体や企業のほかにも、寄付を受け付けている団体はありますので、「ここならよいだろう」と思う寄付先を選んでください。

続いて、寄付先に問い合わせて送り方を確認します。ランドセルが傷つかないよう梱包し、指定の住所に発送するのが一般的です。

寄付したランドセルはどうなる?

寄付したランドセルは、国内・海外のさまざまな場所で活用されます。国内の場合、児童養護施設などに寄付され、新入学生が使用します。

しかし、毎年新品のランドセルが寄付される施設もありますし、新入学生の人数は限られているので、国内で活用されるランドセルの数は非常に多いわけではありません。

海外では、アフガニスタンやミャンマー、フィリピン、カンボジア、ベトナムなど、発展途上国を中心に、貧しい子どもたちに送られます。貧困が理由で、通学カバンを購入できない子どもも少なくありません。

学用品を手で持つ、ビニール袋に入れるなどして持ち歩く子どもたちがランドセルを受け取れば、毎日の通学に活用できます。また、性別による教育格差がある国や地域では、男女問わずランドセルを使用することで、「平等に学校に通うのは当たり前のこと」だという意識が根付くともいわれています。

寄付は無料でできる?

ランドセルの寄付そのものは、基本的に無料でできます。しかし、指定の送り先までの送料や海外に輸送するための送料を、「寄付金」「送料」として求められるケースが多いです。

「完全0円」で不要なランドセルを手放せるわけではありませんので、注意しましょう。

ランドセル寄付は無料でできる?迷惑にならない方法と支援団体まとめ https://humming-earth.com/iikoto/school-bag-donation/
子どもにランドセルを届けたい!5つの寄付先や支援方法を解説 https://gooddo.jp/magazine/donation/20746/

ランドセルの寄付を受け付けている団体

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ランドセルを寄付しようと思ったら、どの団体に受け取ってもらうかを決める必要があります。多くの支援団体が寄付を受け付けているので、考え方やランドセルの使い道などをよく調べて決めるのがベストですが、「よくわからない」「迷ってしまう」という人は、次の団体から選ぶのも1つの方法です。

国際協力NGOジョイセフ

国際協力NGOジョイセフは、女性の命と健康を守る活動を行う団体です。「身の回りにあるものでの女性支援」を活動の軸としており、ランドセルの寄付も受け付けています。寄付されたランドセルはアフガニスタンに送られ、特に女の子の就学に活用されます。

ランドセルを男女平等に配るという国際協力NGOジョイセフの活動は、アフガニスタンにおける女の子の就学促進の1つです。

ランドセル寄付の際には、海外輸送のための費用が1個につき1,800円かかります。寄付は通年受け付けているので、思い立ったタイミングで送れるのはメリットでしょう。

国際協力NGOジョイセフ https://www.joicfp.or.jp/jpn/donate/support/omoide_ransel/

特定非営利活動法人ワールドギフト

ワールドギフトは、海外途上国への物資支援のほか、リユースや再資源化による収益の寄付を行う団体です。また、障害者や高齢者の支援、幼稚園・保育園への物資寄付なども実施しています。

ランドセルを寄付する場合は、メールで事前に申し込みをします。内容確認のメールが届いたのち、希望日時に集荷にきてくれますので、集荷翌日までに送料を振り込みましょう。料金は段ボールのサイズによって異なります。

ワールドギフト https://world–gift.com/kihu/schoolbag-1.html

NPO法人 JIYU

NPO法人 JIYUは、ベトナムをはじめ、東南アジアの子どもたちを支援する団体です。高価なランドセルが出回ることの少ない地域に、ランドセルのほか、文房具の寄付なども行っています。

NPO法人 JIYUは、ピースボートや物流会社などの協力を得て、海上輸送のコストカットを実現。また、人の手でランドセルや文房具を届けるなどの取り組みも注目を集めています。

ランドセルを送る場合は、段ボール1箱につき1,000円以上の寄付が必要です。寄付金入金後、申し込みフォームから寄付の旨を連絡し、ランドセルを送りましょう。

NPO法人 JIYU https://www.jiyu-jin.org/stationery

特定非営利活動法人国際子供友好協会

特定非営利活動法人国際子供友好協会は、東南アジアの発展途上国の子どもたちを支援する団体です。リサイクル用品回収や、海外でのボランティア活動に加え、国内外での災害救助活動などにも尽力しています。

ランドセルや文房具などの学用品のほか、ぬいぐるみやカバン、おもちゃなどの寄付も受け付けており、幅広い品物を寄付できるのも特徴です。

寄付の際には指定の送付先への送料がかかります。申し込みや海外への輸送料などについては、公式サイトに記載がありませんが、気になる場合は事前に問い合わせるとよいでしょう。

特定非営利活動法人国際子供友好協会 http://npo-icfa.org/profile.html

NPO法人グッドライフ

NPO法人グッドライフは、家庭の不用品寄付を受け付けている団体です。まだ使える品物を、寄付とリユースを通して世界中に届けることをモットーに活動しています。

そんなNPO法人グッドライフが運営するセカンドライフでは、全国から集まった不用品をほぼ100%再利用しています。ランドセルは国内のほか、ヨーロッパや東南アジア、中東などにも送られます。

ランドセルを寄付する場合は、公式サイトから申し込みましょう。申し込み時に段ボールのサイズを記入するので、事前に梱包しておくとスムーズです。送料は段ボールのサイズによって異なり、送料の振込確認後に専用伝票が届きますので、段ボールに貼り付けて発想してください。

NPO法人グッドライフ https://www.ehaiki.jp/second/randoseru/

特定非営利活動法人もったいないジャパン

特定非営利活動法人もったいないジャパンは、「もったいない」精神を活動の軸とする団体です。フードバンクや寄付などを通し、国内外で支援を行っています。

ランドセルのほか、文房具やぬいぐるみ、絵本、おもちゃなど、子どものために活用できる品物のほか、食料品や介護用品、インテリアなど、寄付を受け付けている品物の幅が非常に広いのが特徴です。

ランドセルは状態のよいもののみ寄付を受け付けており、事前の申し込みなどは不要です。指定の住所に元払いで送れば、受け取ってもらえます。

特定非営利活動法人もったいないジャパン https://mottainai-japan.com/item/item0134/

ランドセル寄付は企業でも実施している

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ランドセルの寄付は、支援団体だけでなく一般企業でも受け付けています。

ランドセルの素材で知られる「クラリーノ」を製造するクラレでは、毎年1月~3月頃にランドセルの寄付を実施しており、その取り組みは2023年で20年を迎えました。

クラレのランドセル寄付は専用フォームから申し込みを行い、受付確認メールが届いたのちに、指定の住所(倉庫)に発送します。倉庫までの送料は自己負担です。

また、全国でショッピングモールを展開するイオンも、各店舗のキッズ売り場でランドセルを回収しています。寄付されたランドセルは、前述の国際協力NGOジョイセフの倉庫に送られ、アフガニスタンへ届けられます。

近くにイオンがある場合は、送料ゼロでランドセルを寄付できるのがメリットです。2019年から始まったこの取り組みは終了未定ですが、2023年も4月1〜30日に実施されたので、2024年も募集があることが期待されます。

クラレ https://umigoe-randoseru.com/
イオンリテール https://www.aeonretail.jp/campaign/omoide_ransel/

ランドセルを寄付する際の注意点

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ランドセルを寄付する前には、確認したい点が3つあります。素材や状態によっては送れない可能性がありますし、多くの場合送料がかかるので、注意しましょう。

状態が悪いランドセルは寄付できない可能性がある

6年間使っても新品同様の状態のランドセルもあれば、使い方によっては傷がついたり、ボロボロになったりしていることもあるでしょう。多少の傷や擦れなどは問題ない場合が多いですが、あまり状態の悪いものは、寄付を受け付けてもらえないので注意が必要です。

大きな破損がなければよい、記名があるものはNG、傷が1つでもあればNGなど、基準は団体によってさまざまなので、事前に確認しましょう。

素材によっては送れない国もある

ランドセルの素材も、注意したいポイントの1つです。ランドセルによっては豚革が使用されていることもありますが、アフガニスタンなどでは宗教上の理由から、豚革のランドセルを受け取ってもらえません。

豚革のランドセルでもOK、という団体もありますので、家庭にあるランドセルの素材を把握するとともに、豚革の場合は受け付けている団体もチェックしてください。

送料は自己負担のケースが多い

ランドセルは指定の住所まで宅配便で送ります。この際の送料は、自己負担となるケースが多いです。また、今回紹介した団体のなかにもあるように、自宅からの送料に加え、海外輸送費などの寄付を求められる場合もあります。

ランドセル寄付は、不要なランドセルを無償で引き取ってもらえる便利な手段ではありません。しかし、自己負担が大きすぎるのはいやだという場合は、イオンのように持ち込みできる寄付先や、自宅からの送料のみでよいという団体を選ぶのも1つの方法です。

ランドセルを寄付するには?注意点を解説!無料の送り先団体も https://www.hakura-randsel.jp/column/2125

寄付以外にも!使わなくなったランドセルはどうする?

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使わなくなったランドセルをその後どうするかは、家庭によってさまざまです。最後に、寄付以外にどのような選択肢があるのかを紹介します。

思い出として自宅で保管する

小学校6年間の思い出が詰まったランドセルを手放すのは心苦しいという人は、自宅で保管するのもよいでしょう。ランドセルに寄せ書きをしてもらえば、ランドセルを見るだけで小学校生活や卒業式を思い出せます。

保管する前には天日干しをして、できれば購入時に入っていた箱や袋に入れておくのがおすすめです。ランドセルは湿気に弱いので、乾燥材を一緒に入れておくと、腐食などを防げるでしょう。

リメイクする

ランドセルには良質な素材を使用していることも多いので、リメイクして使い続けるのもおすすめです。財布やパスケース、小物入れ、筆箱など、生活のなかで活用できるアイテムにすれば、卒業後も思い出を新たな形でかみしめられるでしょう。

ランドセルがかさばる場合は、小さなランドセルにリメイクしてくれる業者もあります。余談ですが、筆者が小学生の頃にもこうした業者は存在しました。ミニランドセルを作りたいと家族に話したところ「いいよ」といわれたのですが、比較的きれいに使っていたので学校から「寄付してほしい」と相談を受け、最終的に「せっかくならほかの人に使ってもらおう」と、寄付をした記憶です。

リサイクルショップなどで売る

中古でも状態がきれいなランドセルは、リサイクルショップやフリマサイトなどで売ることもできます。寄付したランドセルは海外で活用されるイメージですが、国内でも新品のランドセルを購入するのが難しい家庭などに需要があります。また、牛革やコードバンなど、ランドセルの素材が欲しいという人も少なくありません。

状態や素材によっては、予想以上の価格で買い取ってもらえる可能性もあります。

処分する

ランドセルの状態が悪く寄付やリメイクなどが難しい場合は、思い切って処分するのも、選択肢の1つです。一般ごみで処分できる地域も多いですが、自治体によって基準は異なります。処分前には、ごみの区分のチェックも忘れないようにしましょう。

卒業後のランドセルはどうする?保護者アンケートの結果と活用法まとめ https://randoseru-kyousitsu.com/recycle/sotsugyou/

寄付したランドセルは世界で再活用!注意点を守って支援しよう

不要になったランドセルは、さまざまな団体に寄付できます。寄付したランドセルは発展途上国を中心に、世界各地の子どもたちが活用します。ランドセルを寄付する前には、必要な費用やランドセルの状態、団体への申し込みの有無などを確認することも重要です。

筆者の息子や近所の子どもたちはランドセルにカバーをつけており、6年間使ってもシワ1つなくきれいな状態、というケースも少なくありません。4月から小1、小3となる息子たちのランドセルを数年後どうするかはまだ決まっていませんが、息子たちが特にこだわらないようであれば、寄付も視野にいれたいと思います。

卒業後のランドセルの最適な行き先は、親子で話し合って決められるとよいですね。

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

大学・大学院にて日本語学を専攻し、修了後は日本語学校に非常勤講師として勤務。2018年よりウェブライターに転身し、さまざまなメディアで記事を手がける。2人の子を持つ「ママライター」として、日々育児に仕事に奮闘中。

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