共働きの家庭にとって、小学生の子どもの夏休みをどう過ごさせるかは大事な問題ですね。主に低学年の内は多くの方が学童保育を利用するのではないでしょうか。普段の学童は放課後から夕方までと短時間ですが、夏休みは朝から一日中になりますので、どのような過ごし方になるのか親も知りたいところでしょう。
今回は、そんな夏休みの学童保育の実態について調査しました。一日のスケジュールやメリット・デメリットもご紹介します。
学童保育とはどんなところ?
学童保育とは、親の就労などにより子どもの見守りができない親に代わり放課後の居場所や遊びを提供する保育事業のこと。児童福祉法における第6条の3第2項における「放課後児童健全育成事業」の通称でもあります。
学童保育は、学校の敷地内や児童館に隣接されている公設公営型と、民間企業に運営を委託している公設民営型があります。今回の記事では、主に公設民営型の学童保育に通う児童を対象として執筆しています。
学童を利用できる年齢
学童保育は、原則1年生から6年生までの児童が利用できます。しかし各学童クラブには定員があり、定員以上の申し込みがあった場合は1年生が優先になるなどのルールもあります。
実際に学童に通う児童は1年生から3年生の低学年の子ども達が中心。高学年になると親がいなくても子どもだけで留守番ができるようになったり、塾や習い事などで忙しく放課後に過ごす場所が別にある子も増えていきます。
学童保育は夏休みも毎日利用できるの?
学童保育の開設日は、一般的に月曜日から土曜日まで。日曜祝日はお休みです。夏休み期間中も就業式の日から学童を利用できますが、お盆時期(8月13日~15日)はお休みのところも多いでしょう。
夏休みの利用可能時間は通常の土曜日のスケジュールと同様の場合が多く、朝8時~開所し、夕方は6時~7時くらいまで。各市町村によって開所日や時間は異なるので利用前には確認しておくとよいですね。
夏休みの学童スケジュール例
8:00 登校 各学童保育室へ
身支度後自由時間
9:00 朝の会 出欠確認
9:15 学習時間
10:15 クラスごとの主活動(外遊び・水遊び・ゲーム等)
12:00 昼食
13:00 自由時間(学習時間に隔てる場合も)
15:00 おやつ
自由時間
17:00 順次下校
夏休みの学童時間は長い子になると10時間ほどいることもあります。子ども達が退屈に感じないように、指導員の先生方が一斉保育でドッチボールやリレー、室内ゲームを行ったりと全体で楽しめる主活動を行う工夫もされているでしょう。
夏休みは水遊びやプールなど季節ならではの遊びをすることも。イベントとして夏祭りをする時には子ども達も準備段階から参加して楽しむ様子がみられるかもしれません。
夏休みの学童保育の持ち物
夏休みの学童保育は、昼食も食べるので持ち物が多め。休み期間はランドセルではなくリュックでもOKという学校も多いので、夏休み前に必要な持ち物が揃っているか確認しておくとよいでしょう。
持ち物リスト
□お弁当
□水筒
□学校の宿題
□自主学習道具
□筆記用具
□ハンカチ
□ティッシュ
□連絡ノート
□水遊び道具
□予備の着替え
夏休み中は学校給食がないのでお弁当を持参することが多いでしょう。学童保育によっては事前申し込みでお昼のお弁当を購入できる場合もあります。その際はお弁当代をプラスで学童保育費と一緒に納めます。
毎日の学習時間には学校の夏休みの宿題の他、自主学習用に市販のドリルや塾の教材を使用することも可能。1学期の復習をしっかりと行えるようにドリルなどを事前に準備しておくこともおすすめです。
夏場は汗をかくので汗拭きタオルや着替えもあるとよいですね。水遊びやプールをする際には忘れ物があると参加できないので確認をし、プールカードや連絡ノートに記入漏れがないよう気をつけましょう。
夏休み学童のメリット&デメリット
一カ月以上の長い夏休み、学童保育を利用することで子ども達にとってはどのような影響があるのでしょうか。良い面悪い面など親目線で心配なことなどをまとめてみました。
メリット
規則正しい生活が送れる
夏休みは学校がなくなり、夜更かししたり朝遅くまで寝たりと生活習慣が乱れがちになります。しかし、学童保育を利用している子は決まった時間に起きて、きちんとお昼ご飯を食べて健康的に体を動かすことで規則正しい生活が送れますね。
沢山体を動かすことで夜もしっかり睡眠時間を確保でき、子どもの成長にもよいでしょう。
子どもが一人にならない安心感
仕事や介護などで一日家を空けてしまう親にとって、子どもが一人で留守番するのは心配です。学童へ行けば、指導員の先生がきちんとみてくれて安全に過ごせるのでその安心感は最大のメリットと言えるでしょう。
集団生活の中で成長がみられる
学童保育は1年~6年までの縦割りクラスで運営されています。子ども達は、自分と異なる年齢の人たちと関わる中で協調性や社会性を育みます。
時にケンカをしながらも、相手を思いやる心を養ったり、自主的に好きな遊びを見つけて主体性を養うなど夏休みは成長するチャンスでもあります。
デメリット
友達とのトラブルが増える
保育時間が長い夏休みは、お友達とグッと仲良くなれる一方、トラブルも多くなりケンカが増える傾向も。遊び方や意見の違いが大なり小なりでてくるのはしかたがありません。
トラブルになった時には、指導員の先生が仲介に入ってくれたりもしますが、子どもの様子が気になる場合はお迎え時にきちんと経緯を聞いておきましょう。
トラブルが悪化しないように、子どもの気持ちを汲み取りながらお家でもケアしてあげたいですね。
疲れがたまる
夏場の学童は体力消費も大きく、高気温の中での登下校だけでも疲れがたまります。また、きめられたルールの中で自由時間はあれどゆっくりと一人で過ごすことができなくなり、気持ちも疲れてしまうこともあるでしょう。
家に帰ってきたら早めの就寝を促し子どもの体調管理にもより一層気をつけてあげましょう。
家で過ごす子ども達がうらやましくなる
夏休みの過ごし方は学童組と在宅組で全く異なります。お家で過ごす子の中には友達とプールへ行ったり、お家を行き来して過ごす・家族や祖父母と旅行へ行くなど普段体験できない充実した生活を送る子も沢山いますね。
そのような話を聞くと、毎日登下校している自分との差を感じ羨ましくなって学童へ行きたくなくなることもでてくるかもしれません。
夏休みの学童を嫌がってしまったら?
お子さんが夏休みの学童に行き渋るようになったらどうしたらよいでしょうか。お子さんが高学年などで一人で留守番できる場合は少しお休みさせるなどもできるでしょうか、1年生2年生だとそれも心配ですよね。
まずは行きたくない原因は何なのかを知ることが大切。原因も一つとは限りませんので、子どもの話に耳を傾け、学童の指導員の先生に様子を聞いてみるなど保護者と先生とコミュニケーションを図りましょう。
子どもの不満や不安な気持ちを否定せず受け止めてあげて、解決策を考えましょう。休日は家族で夏ならではの体験を楽しむなど子ども達の思い出に残る休日にしてあげたいですね。
【参考文献】
・放課後児童クラブ入会のご案内_令和6年 4_ol (fukuoka.lg.jp)