ある日の夕方、突然「ピンポン」となったインターホン。出てみると、何と警察官が…。訪問理由が分からずよくよく話を聞いてみると、どうやら隣の奥さんに通報されたようなのです! その驚くべき理由とは。
突然鳴ったインターホン
ある日いつものように夕飯の支度をしている時でした。普段はこんな時間に鳴らないインターホンが鳴りました。
「は~い。どちらさまですか?」
「〇〇警察署のものです。」
え? 警察? 何かご近所で事件でもあったのかな?
心当たりがなかった私は、特に何も考える事もなくドアを開けました。するとそこには、警察官2人と陰に隠れるように隣の奥さんが立っていました。
「どうされたのですか?」
「あの~、(私の)家の音、お宅に聞こえますか?」にこやかな笑顔で隣の奥さんに、突然言われたのです。
閑静な住宅街の一角。隣接しているとはいえ、戸建て住宅に引っ越してきた私には隣の家の音が聞こえるとは感じられません。そして、それまであまり面識のなかった隣の奥さんが突然訪ねてきた理由に思い当たる事がなかったのです。
「え?… いえ特に音は聞こえたりしませんが…。」私の答えに隣の奥さんが機嫌を損ねた様子はありません。
何が言いたいのか、どうして警察が来たのかも分からず困惑していると、
「それでは、奥さん少しお待ちください。」と言われ、ドアを閉められました。
警察官の話を聞いてみると…
再度鳴ったインターホンに玄関ドアを開けると、今度は警察官だけが立っていました。
「あの、どういった事なのですか?」状況が分からず説明を求めると、警察官は困ったような表情で話してくれました。
「実はですね…」聞くと、隣の奥さんが警察に電話をしてこちらに来てほしいと言われたそうです。どうやら、わが家から聞こえる生活音に我慢がならなかったようで、仲介役を頼まれたとのことでした。
晴天の霹靂とはこのこと!
それまで特に大きな物音を出して暮らしていたつもりもなく、何か問題を起こしている認識も全くなかったからです。
「それは… すみませんとしか言えないのですが…。これから気をつけて生活するようにします」
「こういうトラブルは結局、当事者同士で話してもらうしかないので、あまり仲介出来ないんですけどね。ま、色んな人がいますから…」警察官も、申し訳なさそうに言いながら帰っていきました。
トラブルの原因は?
その後帰ってきた主人に話をすると
「騒音を起こした覚えもないのに警察を呼ぶなんて!」と怒り心頭。
元々お隣の奥さんは挨拶をしても返してくれないような所もあり、一気に心証が悪くなったようです。
当時の主人は仕事が忙しく帰宅時間も深夜遅くになっていました。
帰ってきてからシャワーを浴びて浴室の換気扇をつけるのですが、私が思うにその音がうるさかったのではないか… ちょうど浴室が隣の部屋と隣接しているのが原因だったと思うのです。
自分では問題に感じていない事でも、人によっては我慢のならない騒音に感じるんだな、とビックリしました。
でも、まず一言「お宅の音が煩くて困っています」と注意してもらえてたらな、と思ったのも事実です。突然、警察官に訪問された私は、何も心当たりがなかっただけにその奥さんの行動に恐怖を感じてしまったものです。
今でも隣の奥さんはこちらを避けて行動していて、顔を合わせても挨拶も無視されたままです。ご近所さんとは円滑な関係を築いて行きたいとは思いますが、当たり障りなく過ごす事も大事ではないかとも思ってしまうのは、ちょっと世知辛い世の中ですね。
(ファンファン福岡公式ライター/ハギワラヤヨイ)