コロナ禍で唯一よかったこと! それは義父母抜きの立ち会い出産

 女性が命懸けで挑む出産。あなたなら、誰に立ち会ってほしいですか? 夫や実母、もしくは一人で? 希望は人それぞれですが、夫の親にいてほしいという声はあまり聞いたことがありません。むしろ「陣痛中、義母に気を使って疲れた」「義母が分娩(ぶんべん)室に入って嫌だった」なんて耳にすることも…。数年前の2月末、私は第3子を出産しました。義父母抜きの立ち会いで、貴重な経験をすることができました。

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コロナ禍での出産 病院からうれしいお達しが!

出典:GordonGranda – stock.adobe.com

 数年前の2月末、新型コロナウイルスの感染者数が日本でも増え始めた頃のことです。外出自粛が求められ、世間にはピリピリとした空気が広がっていました。

 そんな状況でも、日に日に私のおなかは大きくなり、出産日は近づいてきます。お世話になった病院は、完全無痛分娩ができる産婦人科として知られていて、通常は出産準備室や分娩室に親族が入室できます。そのため、第1子と第2子の時は、義父母も出産に立ち会っていました。確かに麻酔が効いているので、陣痛でのたうち回るようなことはありませんが、内心では義父母に見守られているのが嫌で嫌で…。いろいろと気を使わなければいけないからです。

 今回も、義母から
 「いよいよ出産ね! 応援に行くわね」と言われていました。しかし出産日の2日前に、病院から「新型コロナの影響で産婦人科病棟に入室できるのは夫と実子だけ」とお達しが出たのです。  
 「やった! 出産時はもちろん、入院中も義父母は来ない!」と踊りだしたくなるほどの喜びを隠しながら、夫には
 「残念だね。でも年配のお父さんとお母さんが、万が一コロナに感染して重症化したら大変。出歩かない方がいいわ」と話して、義父母を説得してもらいました。

ずうずうしい義父も出しゃばりな義母もいない、快適出産

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 そして迎えた出産当日。第1子、第2子出産の時に、あぶら汗を流している妊婦のすぐそばで、お弁当をむさぼり食っていた義父はいません。
 「私が腰をさするわ!」と余計な世話を焼く義母もいません。夫と子どもたちだけで出産に挑むのは、何と快適なのでしょう!

 おかげでストレスを一切感じることはなく、子宮口が広がるまで、家族だけでゆっくり過ごせました。いよいよ分娩台に上り、いきんでいる間も、聞こえてくるのは、夫や子どもたちの
 「ママ頑張って!」の声だけ。前回、義母から
 「なかなか出てこないから、この子は強情だ」と言われて、分娩台の上でイライラしたことも、遠い昔の話です。

 家族に応援されながら20分ほど格闘し、ようやく元気な赤ちゃんが誕生しました。
 生まれたばかりの赤ちゃんを見て、子どもたちは
 「ちっちゃい! 何か白いのでベタベタしているよ」と驚きながらも、うれしそうです。
 「白いのは、胎脂だよ。へその緒は、赤ちゃんとママをつないでいたの」と話して、子どもと一緒に胎盤を見せてもらったのは貴重な経験になりました。

 わが家の場合、不謹慎かもしれませんが、コロナで唯一よかったのは、家族だけで出産を経験できたことだと断言したいと思います。

(ファンファン福岡公式ライター/tsukuko)

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