私たち夫婦は、結婚当初から「子どもが欲しいね」という話をよくしていました。しかし妊娠発覚時、喜んでくれると思っていた夫は、あまり喜びの反応を見せなかったのです。つわりでつらい時期も、会社の飲み会や上司との付き合いで家を空けることが多く、私は悲しみを感じていました。しかしその後に明かされた、夫が隠していた事実に私は驚き涙してしまったのです。
念願の妊娠発覚、しかし夫は無関心
結婚して1年半。体調の変化があり、「もしかしたら…」という思いで、妊娠検査薬を使ったところ、なんと陽性! 私はとてもうれしくて、夫にすぐ連絡しました。
しかし夫は、喜ぶどころかむしろ不安そうに
「よかったね」と一言。
まるで他人事のようで、笑顔もありませんでした。妊娠が分かる前は、公園や街中で赤ちゃんを見ると
「赤ちゃんかわいいね」
「いつか家族で出かけられたらいいな!」なと楽しく理想を語り合っていたのでとても意外でした。
つわりがひどく、毎日ぐったりするようになった私。しかし夫は病院に付き添うこともなく、エコー写真を見せても特に質問などもなく、とにかく反応はあっさりしていました。
夫の飲み会が急増
つわりがひどくなり、私は食べ物もほとんどとれない日々。とにかく体も心も、とても元気とは言えない状態でした。そんななか、年末ということもあり、夫は友人や会社の人との飲み会、親睦会が増えました。
つわりで精神的にも体力的にも弱っており、「なんでそばにいてくれないのだろう」「やっぱり妊娠したことを、夫は心から喜んでいないのかな…」と思い、いらだちや寂しさを感じていました。
帰宅した夫の行動にびっくり!
妊娠が分かって3カ月。ある飲み会の日でした。
いつもだったら楽しくお酒を飲んで朝帰りになる夫が、なんと突然20時過ぎに帰宅。なおかつ、お酒も飲んでいなかったので私は驚きました。
不思議に思った私の目に映ったのは、何かがたくさん入った重そうな袋。
「それ何?」と聞くと、夫がそっと出したものは、赤ちゃんの名付け本や妊娠・出産についての4、5冊の本でした。
「どうしたの?」と聞くと、夫から思いがけない言葉が。
「今まで、妊娠してる体の変化にとまどったり、これから父親になる不安があったり、自分に何ができるかわからなかった… つい飲み会に逃げてた、ごめん」と言われました。
実は夫は以前から、職場の妊娠経験のある女性に父親になる不安を相談していて
「何をしていいのかわからないなら、そばにいてあげたら?」
と言われていたそうです。それでも平気で飲み会に来る夫に痺れを切らし、ついにその女性から
「いい加減、奥さんのことをしっかりみてあげなさい!」と怒られ、自分がしていることに対し反省をしたそうです。
その結果、「まず時間を作って私の話を聞こう、そして辛い私に寄り添う選択をしよう」と決めてくれたのです。
実は心の中で赤ちゃんと私について色々考えていてくれたんだ! と私は感激し、涙が溢れました。
男性にはわからない、妊娠中の女性の気持ち
私自身、妊娠発覚後の夫の態度に対しては、勘違いしていました。
普段は優しくて、なんでも共感してくれる夫が、妊娠に対しては全く興味がない、喜びすらないと。
そして赤ちゃんがお腹にいることに関して、「ただ私だけが赤ちゃんのために生きている」と感じていました。でも、夫の本音はそうではなく、むしろ寄り添いたかったのに、どうしていいかわからなかったのです。
妊娠、出産は女性の体に大きな変化をもたらします。しかし男性はその変化には気づけません。だからこそ、「何がつらくて、どうして欲しいのか」女性から男性にしっかり伝えると、男性にも理解しやすいんだな、と実感しました。
その次の春。立ち会い出産で元気な男の子生まれました。今では夫も進んで育児をしてくれるパパになり、私たちが描いていた理想の家族になれました。守るべき家族が増え、より深い夫婦関係を築くことができたと感じています。
(ファンファン福岡公式ライター / nikoママ)