<義母が作るお花見弁当>ひ孫の「まずい!」発言に義母が大激怒

桜が咲く春は何だかワクワクして楽しい気分になりませんか? お花見や行楽は楽しいイベントのはずですが、私はこの時期になると憂鬱でなりません。それは毎年恒例のお花見で食べる義母のお弁当が美味しくないからです。心躍る春なのに、モヤモヤと考えて過ごす毎日を皆さんはどう思いますか?

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恐怖の桜の開花予想

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 テレビやネットで桜の開花予想が始まる頃、毎年義母から今年のお花見へのお誘いの電話があります。お互いの近況の報告や挨拶はなく、いつもいきなり本題のみです。
 「今年の桜の開花は○月○日やで。お花見はどうする?」
 「どうすると言われても、仕事が忙しいからまだわかりません」
 「娘の予定もありますし…」

 何とか断ろうとあれこれ理由を言いますが、全く聞く耳を持たない義母。いつも夫に電話を代わろうとしますが、桜の開花予想の話が途切れないため、なかなか代わることができません。

 毎年結局、開花予想日以降の土曜日はすべて開けておくように言われて、電話は終了してしまうのです。

義母の作るお弁当

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 毎年恒例のお花見のお弁当は義母の手作りです。ですが、何事にも大雑把な性格の義母。細かいことをまったく気にしないんです。そんな義母の作る料理が私は本当に苦手です。

 とても塩辛いちらし寿司や、まっ黒の唐揚げ、甘すぎるだし巻き、ニンニクたっぷりのかたいステーキ。おまけに小さく切らないため、ものすごく食べにくいのです。味も見た目も残念なお花見弁当に、食欲がわくはずもありません。

 私と娘は小さく小さく切りながら、お茶で流し込むようにして食べていきます。普段はお酒を飲みながら食事をする義父と夫ですが、この日は話すことなく黙々と箸を動かします。義母は、そんな私たちに
 「早く食べ!」と笑いながら紙皿に取り分けてくれます。

 残り少なくなったお弁当をかき集め、無言で素早く食べる義母。これで毎年のお花見は終了です。桜を愛でることもなく、その後は近くの喫茶店でコーヒーを飲んで帰るのが恒例行事となっています。

正直なひ孫たち

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 ある年の花見は、義姉やその子ども達、更にひ孫達とで大人数でのお花見となりました。幼稚園児のひ孫の参加は初めてのため、いつも以上に張り切っていた義母。毎年かかってくるお花見の誘いの電話の声もとても弾んでいました。

 お花見当日。ひ孫たちと嬉しそうに話す義母を見て、イヤイヤ来た自分に申し訳なさを感じてしまいました。その時のお花見弁当は、開けてビックリ! 幼稚園児でも喜びそうなお弁当でした。小さく切った唐揚げや、ウインナー、ゆで卵。そして一口サイズのおにぎり。

 「義母も頑張ったんだ」そう思い一口食べましたが、味はいつもの通りの残念な味。私と娘は目配せして、何も言わずにゆっくりと少しずつ食べ始めました。

 やんちゃなひ孫達はなかなか食べず、木の下を走り回ったりと遊びに夢中な様子。そんなひ孫達に料理を取り分け、食べさせようとする義母。微笑ましい光景でしたが、一口食べたひ孫たちが言った言葉が
 「何これ…。まずい!」

 はじめは苦笑いの義母でしたが
 「まずい、まずい」と連呼するひ孫達に
 「そんなに不味かったら食べるな!」と最後はぶち切れたのです。

その後のまさかの電話

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 まだ残っている料理を重ね、さっさと帰り支度の義母。
 「子どもが言うことだから…」とやんわり伝えても聞いてはくれません。大声で
 「帰る、今すぐ帰る!」と話す義母を、隣で宴会中の方もチラチラと見ています。大人しい義父を引き連れて足早に帰って行く義母。

 気まずい空気の中、義姉の
 「帰ろっか…」の言葉でその日は解散しました。怒涛のお花見から2日後、夕食を終え家族でくつろいでいると義母から電話がありました。

 いつもと同じ明るい声で
 「お花見どうする?」
 「この前集まったじゃないですか?」と私。
 「あれは、花見ではない。本当の花見はいつにする?」

 あのお弁当が頭にあるのでしょう。夫も娘も私の会話を不安そうに聞いています。一方的に
 「土曜日は空けておいて!」と言われて電話はきれました。

 気落ちしてリビングを出る夫と娘。1回でも十分なお花見が2回もあるなんて! やっと終わったお花見なのに、もうウンザリです。あれこれと断る理由を探しながら、毎年桜の時期を過ごしています。

(ファンファン福岡公式ライター/濱本 操)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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