親にとって子どもは平等にかわいいですが、実際は平等にするって難しいですよね。今回は、平等にしてきたつもりが、次男の不満が溜まっていた! という話をしたいと思います。
兄弟は平等に
長女だった私は、「お姉ちゃんなんだから」と言われ、なんでも妹が優先。
1つしかないお菓子を食べさせてもらえるのも、テレビのチャンネルを決められるのも妹で、いつも私は我慢でした。その経験から『将来子どもができたら、兄弟平等に接する』と心に決めていたのです。
長男と2歳差で次男が生まれましたが、「お兄ちゃん(弟)なんだから」という言葉は一度も使ったことはありません。
お下がりは次男に確認し、汚れや好みの面で不満だった場合は買い直し。何かを選ぶ順番も毎回変えるなど、兄弟で差が出ないように試行錯誤しながら子育てをしました。
長男が中学3年、次男が中学1年のときのこと。次男が
「欲しいゲームがある」と言うので
「お年玉使って買ったら?」なんて何気なく答えると、
「兄ちゃんばっかりお金を使ってもらってるじゃん。兄弟差別!」と言い出します。
私が気を付けてきた“兄弟差別”という言葉が次男の口から出て、思わず
「平等にしてるじゃない。どこが差別なのよ」と言いました。“平等”という私のひと言を聞いて、今度は次男がヒートアップ。
「差別だよ! お母さんはお兄ちゃんにばっかりお金使ってる!」
13年兄弟平等を心がけてきたので、黙っていられません。
「どこで差別してるっていうの!?」つい熱くなりながらも次男の不満を聞くことに…。
次男の不満
次男の言い分はこうでした。
・お兄ちゃんはピアノと体操を習ってたけど僕は体操だけ。習い事にかかっている費用が僕よりも多い
・お兄ちゃんは毎月塾にも通っている
・新しい服も買ってもらっている
・お年玉もお兄ちゃんより少ない
・僕はお兄ちゃんより総合的にお金をかけてもらっていない
いやいや! ピアノやってたのに練習が嫌だって辞めたでしょ? 塾も「ゲームしたいからまだいい」って言ってたし! と、正直言い返したくなるようなことばかり。とはいえ、平等じゃないと感じているのであれば誤解を解かなければいけません。
次男を座らせて、私の思いを伝えました。
「平等って、お金だけじゃないよね。かかった金額が平等になるように、もう片方に払わなきゃいけないのってお母さんは違うと思う。長男が高卒で働いて、次男が大学に行ったら、大学4年間の費用を長男に払わないと、兄弟平等じゃないの?」
次男はハッとした表情をしました。
「お母さんは、どっちにいくらかかってるって考えたことないよ」
「うん…」
「今はお兄ちゃんの方がやりたいことが色々あって、習い事や塾で費用がかかっているけど、次男にも本気でやりたいことがあるなら、そのときはお兄ちゃんより費用がかかっても構わないと思ってる」
「…」
「どっちもかわいい息子たちだからね。もしかして、自分がかわいがられていないと思った?」
そう尋ねると、
「うん…」と言った次男の目から涙がポロリ。愛情は目に見えないため比べるのは難しいですが、お金は目に見えてわかるので、次男にとって比べやすい目安だったのかもしれません。
次男の気持ちがわかる旦那
夜、私がこの出来ごとを話すと、旦那がクスクス笑いながら言いました。
「だからお年玉、選択式にしたんだよね」
そう言われ、今年のお正月、お年玉を渡すときのことを思い出しました。
旦那は金額に差をつけた袋を用意し、息子たちに、どっちをもらうか自分達で相談して選ぶように言ったのです。
「えー!」と言いながら真剣に相談していた息子達。その結果、次男が多い方をもらって大喜びしていたのを思い出しました。
「俺も次男だから。いつも兄貴ばっかり金額高くてずるい! って思ってたから、今年はああやって渡してみた」と旦那。
なるほど! 長女の私にはそういう視点がなかったため、とても感心したのでした。
その後、今まで以上に気を付けているので“差別”と言われることはなくなりましたが、
「僕の方が多くお手伝い頼まれてる!」と時々口をとがらせている次男です。兄弟平等って難しいですね… みなさんのお宅は、兄弟差別での不満、出ていないですか?
(ファンファン福岡公式ライター/さとう なつこ)