家族4人でテーマパークに向かう車中、トイレに行きたくなった7歳の息子。しかし、そこは渋滞中の首都高速。一般道に降りるまで必死にこらえる兄を尻目に、2歳の妹がドヤ顔で放った言葉は、両親を大爆笑させる “ごもっとも” な内容でした。
渋滞する高速道路 トイレに行きたい!?
それは息子が7歳、娘が2歳のときの話です。娘が生まれてからしばらく遠ざかっていたテーマパークに、家族4人になって初めて遊びに行くことになりました。その日は少し早起きをして家を出発。スムーズにいけば、わが家から車で1時間ほどの道のりです。子どもたちは前の晩からウキウキモード。どのアトラクションから行こうか、お昼は何を食べようか、と車内でも大はしゃぎでした。
ところが、テーマパークが近づくにつれて、道が混み合ってきました。時計を見ると、到着予定の時間はとうに過ぎています。これは困ったな… と考え始めたそのときです。
「トイレに行きたい」と息子が言い出しました。この状況下にある家族連れにとって、最もありがちで、最も聞きたくないセリフです。
「あちゃー!」と夫と私は口を揃えました。楽しい雰囲気だった車内は一転、緊張感が漂い始めました。
動揺する両親、緊迫する車内
トイレと言われても、ここは首都高速。すぐに車を降りて行ける場所ではありません。ましてや渋滞中。あとどれくらい待てばいいのかもわかりません。
「早く言ってくれれば、さっきの料金所にトイレあったのに」と夫は言いますが、もはやUターンもできません。
「もう少しで高速の出口があるから、それまで我慢できる?」と夫に聞かれ、
「大丈夫だと思う」と答えた息子。私は息子の気を紛らわせようとわざと明るく振る舞いますが、車は20~30分動かないまま、しだいに息子の口数が減り、ついに押し黙ってしまいました。
これは限界が近いと察知した私は、ふと思い出しました。
「そういえば、携帯トイレ、買うって言ってなかったっけ?」
子どもと一緒のドライブには必要かも、と前に夫が言っていたのを思い出したのです。
「あ~、結局買わなかったんだよね…」
ひと筋の望みがいともあっさりと消え、再び車内に沈黙が流れます。
妹のドヤ顔コメントに大爆笑!
そのときです。後部座席のチャイルドシートで私たちの会話をじっと聞いていた2歳の娘Cが、口を開きました。
「Cちゃん、どこでもおしっこできるよ」
えっ…?
横に座っていた娘を見ると、得意満面の笑みで自分のお腹をポンポン叩いているではありませんか。そうです。娘は目下トイレトレーニング中。吸水パンツを履いているので、いつでもどこでも、おしっこができるのです。
その涼やかな言い方とドヤ顔に、私は思わず吹き出してしまいました。夫も
「さっすがCちゃん。その通り!」と大笑いしています。一方、息子は
「ふざけんなっ!」とご立腹。小さな妹に
「お前はおむつしてるからだろっ!」と、鬼の形相でツッコミを入れています。
妹からの思わぬ一言に奮起したのか、高速を降りるまで我慢した息子は、コンビニでようやくトイレを済ませることができました。それまでの間、息子の手には私が万が一のときにと渡した妹の吸水パンツが、しっかりと握りしめられていました。
そんな朝の大事件も忘れて、私たちは閉園までテーマパークを満喫。後日、わが家の車に携帯トイレが常備されたのは言うまでもありません。子ども連れのお出かけにトイレのアクシデントはつきもの。いつ訪れるかわからないピンチに、親は日頃から備えておかないといけませんね。
(ファンファン福岡公式ライター / 繭子)