【無痛分娩は楽なの?】 予想と違ってビックリ! 高齢初産体験談

無痛分娩というと「痛みなく楽に出産できる」というイメージを持っていませんか? 陣痛で苦しまずにすむし産後も楽ですよ、と言われてのぞんだ硬膜外麻酔での出産。「無痛」と期待し過ぎたためか、高齢初産のためか、実際の出産は想像とは違うビックリの連続でした。

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無痛分娩を選んだ理由

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 私は、出産時に無痛分娩を選んだのですが、「陣痛の痛みがなくて、ゆったりした気持ちで赤ちゃんに会える出産!」だと思っていました。

 なぜ無痛分娩を選んだかというと、理由は2つあります。まず1つ目は、高齢初産だったためで、産科医や先輩ママたちに「無痛分娩だとお産の疲労が少ない」と言われました。2つ目の理由は、海外出産だったため無痛分娩が一般的な選択肢でした。

 期待度が高かった無痛分娩。出産時の麻酔は、眠ってしまうような麻酔ではなくて、背中に入れたカテーテルを通して麻酔薬が投与される硬膜外麻酔でした。陣痛の時のおなかや腰の痛みが軽減されるものです。

 事前に麻酔科医の先生と面談をしていたので、だいたいの流れはわかっていたのですが、「麻酔が始まるまでの道のりが長かった…」私の場合、前駆陣痛が数日間続いていました。そして、本陣痛の兆候らしいものが始まってから麻酔まで、さらに22時間近く我慢!

 「どうしても我慢できなくなるまで我慢してね!」と助産師さん。心の中で、
 「こ、これは…、無痛、じゃないよね?」と、思いながら歯を食いしばって頑張りました。

想像していたのと違った!

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 「陣痛の痛みがなくて、ゆったりした気持ちで赤ちゃんに会える出産!」とバラ色の幸せ出産を想像していた私。

 ところが、実際に体験してみると、全然「無痛」ではありませんでした。麻酔を入れるまで耐える時間も長かったし、「陣痛緩和分娩」という呼び名にした正しいのではないかと思います。

 そして我慢に我慢を重ねているうちに、トイレも限界。ようやくたどりついたトイレの個室で、今まで経験したことのない痛みがやってきて立ち上がれなくなりました。外で待っていてくれた看護師さんが助けに入ってくれなかったら、気絶していたと思います。

 そこからは車椅子で運ばれて、ようやくカテーテルを入れることになりました。麻酔薬が入ると、痛みがいったんは引いて行きましたが、それでも時間と共に痛みは戻ってきてどんどん強くなります。同時に、身体中がかゆくなりました(麻酔の副作用だそうです)。

 その間、「無痛じゃない、無痛じゃなーい!」と心の中で叫び続けていました。

無痛分娩のよかったところ

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 私の経験では、決して無痛とは言えなかったわけですが、やはり出産に入る最後の数時間の痛みが緩和されたことは大きなメリットだと思います。

 痛みに波があるとはいえ、本で学んだ呼吸法を行う余裕もありましたし、医師や助産師さんとも会話ができていました。歯科医のクリーニングだけで「しみる!」「痛い!」と大騒ぎしてしまう私。もし麻酔なしで分娩していたら、医師との会話どころか、本当に気絶していたのではと思います。

 そして、陣痛で体力を使い切らなかったから産後の回復が早かったのかな、とも思います。
 私の場合は、退院後スーパーで食料の買い出しをしてしまうくらい元気でしたし、自宅でもすぐに掃除に洗濯にと動き回ることができました。

 無痛分娩のデメリットのひとつは、「開始まではちゃんと痛い」ことです。「これは本陣痛?」と思う痛みが始まってから出産まで28時間でしたので、かなりしっかりと痛い思いをしました。

 それから、麻酔を使うために、病院に入ってから産後数時間まで飲食一切禁止だったのも辛かったです。真夏でしたので喉が渇いて…。よくドラマで見る、「力をつけるためにおにぎり食べて!」などというシーンはありませんでした。

どちらにしろ出産は痛いもの!

 最後に、もし誰かに「無痛分娩は楽だったのか」と聞かれたら、私はイエスと答えます。
 痛かった、痛かったと言っておいて笑われそうですが、硬膜外麻酔を使ってもらったことでやはり楽に出産できたと思うからです。おかげさまで、高齢初産でも出産も回復もスムーズでしたし…。

 ただ、経験してみて言える正直な感想は、「想像するほど無痛じゃない」ということ。やはり、「お産は痛いもの」というのは本当でした!

(ファンファン福岡公式ライター/吉野まのん)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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