春があっという間過ぎ去り、初夏を迎えた今日このごろ。入園、入学、新入社員と、この春から新生活が始まった方も多いのではないでしょうか。実は、わが家もこの春から新生活を迎えました。夫が新卒から17年間勤めていた会社を退職し、転職したのです。
目標に向かって働く夫
夫は新卒から17年間飲食業の会社に勤めていました。誇りを持ち、目標に向かって毎日必死に働いていました。そこから結婚して子どもを授かったタイミングで、夫が昇進。目標としていた商品企画部への配属も決まったのです。
以前配属されていた営業部は飲食店ということもあって早朝5時に家を出て、深夜0時過ぎに帰ってくるというとても不規則な生活をしていました。それが本社に配属されたので規則正しい生活になりました。夫が自分の携わった仕事の話を楽しそうにしている姿が私もうれしかったです。
生活が一変
子どもも生まれてこれから新しい生活というとき「新型コロナウイルス」が流行し、自粛生活がはじまりました。
夫が勤めていた飲食業は大きなダメージをうけることに…。お客様が自粛をすることで売り上げが伸びません。すると人員削減が発生します。その影響で、多くの社員は出向という形で他の企業の仕事に行き働くことになりました。本社の人員削減により夫は再び営業部に配属。
「また、お店勤務になっちゃった。まあ、こればかりは仕方がないね!」と気丈に話しますが、夫は相当辛かったと思います。
それから再び早朝から深夜まで働く生活。休日もなかなか取れず、アルバイトやパートの人が欠勤になると夫が穴埋めをするために働いていました。子どもは
「今日もパパおしごと?」
「いっしょに遊びたかった」が口癖に。
夫は、家族のために必死に働いてくれているのですが、私もその間に2人目の妊娠、出産をしました。慣れない2人育児、常にワンオペ状態。
「お休みはいつ取ってくれるの?」
「飲食店なんだから、簡単に休みが取れるわけじゃないんだよ!」とお互いに余裕がなくなり喧嘩も増えました。
私のひと言から始まった夫の転職活動
ある日、夫が会社の人と深刻な雰囲気で電話していました。
「どうしたの?」と聞くと、夫が
「俺の店が撤退リストに入ったみたい」と会社の現状やお店のことなど話してくれました。
「… 転職しちゃえば? 下の子の幼稚園入園まであと1年半、貯金もあるんだし、こんな生活辞めて、今しかない家族の時間を作ろうよ!」と私は、後先も考えずに発言してしまったのです。
すると夫は、何か吹っ切れたかのように
「うん、家族との時間を増やしたい! 転職活動してみるよ!」と言ってすぐに転職サイトに登録を。
今まで、会社を退職することなど全く考えていないと話していた夫。しかし、「転職する」とすぐ行動に移したので、見ていた私も「夫が決断したことなら大丈夫、なんとかなる」と思いました。
家族に笑顔が
ここから半年間の転職活動がはじまりました。働きながらだったので、休日はほぼ面接に費やしていました。夫は課長職であること、17年間会社で勤めていたということもあり、書類選考は通りやすく面接を受けることができました。
しかし、現実は厳しく1次面接で不採用通知、最終選考までいって不採用通知がくる日々が続きました。半年ほど続けた転職活動、夫は諦めず家族の笑顔を見るために働きながら転職活動を続けました。
そして、1社内定をもらえたのです。役職も変わらず、条件も満足できる会社でした。現在は、その会社で毎日一生懸命に働いてくれています。
朝は子どもたちと朝食を食べ、子どもたちが寝る前に帰宅する日もあります。休日は勤務先から連絡が来ないので、呼び出される心配もなく家族の時間をつくることができています。
今までは帰ってくる時間が深夜だったのでお互いに話しをする時間がありませんでした。しかし、環境が変わったので子どもの話を共有できる時間や、お互いの近況を話す時間も増えました。
私の一言で始まった夫の転職活動。家族のために転職を決心してくれた夫。夫は
「家族で過ごせる今が本当に幸せ」と言って、休日は子どもたちと全力で遊んでくれます。子どもたちの笑顔も増えて、あの時転職を後押しして良かったなと思っています。
(ファンファン福岡公式ライター/mii24)