これは、娘が産まれて3カ月ほど経った頃の話です。生後100日経つので、義両親と私たち家族で、お食い初めをしました。お店は義母が予約してくれて、テーブルの上はたくさんのごちそうでいっぱいに。しかしここから、義母の「かわいそう」攻撃が始まるのです…。
かわいそうだから… と始まる食事会
娘の100日のお祝いに、義母が予約してくれた料亭へ行きました。
3カ月の娘はミルクを受け付けず、母乳で育てていました。この時もお腹がすいてぐずっていたので、食事の始まる前に授乳をしていました。
その様子を見ていた義母が
「お腹がすいたのね、かわいそうに。母乳だけじゃお腹もすくわよ」と憐れむような目でこちらを見てきます。その後すぐ
「かわいそうだから早く食事を」という義母の一声で食事が始まりました。
どうしても食べさせたい義母
お食い初めでは、子どもに料理を食べさせる真似をします。料理を娘の口元へ持っていくと、娘は口をパクパクさせており、その姿がまた可愛く、私たち夫婦は写真を撮っていたのですが…。
その姿を見た義母に
「かわいそうに、お腹がすいてるのよ。早く食べさせてあげなさい」と言われました。
私が
「まだ離乳食も始めていないので…」と言うと
「食べられるものだけあげたらいいじゃない!」と一言。
義母は自分の食べていた茶わん蒸しを差し出してきました。
「これなら食べられるでしょ? 歯がなくても大丈夫よ」
「いや、まだ何も食べさせたことがないですし、アレルギーも心配なので」と言うと
「かわいそうに! 今の人はそんなだからアレルギーも増えるのかしら」と言う義母。義父も
「茶わん蒸しくらいどうってことないだろう」と呆れたように言ってきました。
離乳食のことやアレルギーのことを、夫も一緒に伝えてくれたのですが、聞く耳を持たない義両親。そんなやり取りが聞こえたのか、お店の方がテーブルへやってきました。
気を利かせた店員さんの言葉
その店員さんは女性で60代くらい、義父母と年齢が同じくらいの人でした。私の娘を見て
「かわいいねえ。あと2、3カ月したら離乳食も始まるかな、大変になるね」と笑ってくれました。
「私にも娘がいるんだけど、ちょうどこのくらいの時、おばあちゃんが勝手に茶わん蒸しを食べさせて、口の周りが真っ赤になったんだよ。昔は離乳食も早めがいいって言っていたけど、子どもの様子を見ながらゆっくり始めた方がいいよね~」
この言葉を聞き、義両親は黙っていました。これが本当の話かどうかは分かりません。しかし、少しスカッとした瞬間でした。
義母が口を開けばまず出るのが「かわいそう」という言葉です。娘が産まれてから、義実家へ遊びに行くたびに言われるようになりました。母乳だけでかわいそう、食べさせてもらえなくてかわいそう、何でもかんでも「かわいそう」です。
今でも、風邪をひかせてかわいそう、靴下をはいていなくてかわいそう等、かわいそう攻撃は続いています。
しかしこの後、義母が娘に食べ物を勧めてくることはありませんでした。お店の人の言葉が効いたのでしょうか。幸い娘はアレルギーもなく、すくすくと育っています。
私の義母は基本的に孫に興味はなく、可愛がるそぶりはありません。しかし私の育児は気になるのか、よく口出しをしてきます。孫に興味がないのであれば、私のことも放っておいてほしいのですが、そんなことは口が裂けても言えません。昔の育児と今の育児、変わっていることもたくさんあるので、そこの理解も深まれば良いなと感じています。
(ファンファン福岡公式ライター / こんぺいとう)