地域とともに歩んだ小倉競馬が90周年【場長インタビュー】

 九州で唯一、中央競馬を開催し、地域のランドマークの一つとなっている小倉競馬場。これまでの歩みを小倉競馬場場長 嶋岡浩之氏に聞きました。(取材/西日本新聞社北九州本社代表 甲木正子)

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親しみある施設として

提供:小倉競馬場

長い歴史を有する小倉競馬場。これまでの歩みを教えてください。
 1908年、戸畑競馬場で、当時の東洋競馬会による第1回競馬が開催されたのが現在の小倉競馬場のルーツです。1919年、三萩野競馬場に移転。1931年、現在地の北方に移転し、当初は「北方競馬場」と呼ばれていましたが、その後「小倉競馬場」という名称に変わりました。北方で初めて競馬を開催した年から起算し、今年で90周年になります。

―複数回移転し、それが全て北九州内。地域と縁深い施設ですね。小倉競馬場は、競馬のコースだけでなく、日本庭園など多彩な施設が敷地内にあり、それも魅力ですね。
 競馬はもとより、多くの人に親しんでもらえるよう施設の充実に努めてきました。特に2018年にリニューアルオープンした「キッズプラザ」や「わくわく子ども広場」は、広々とした場所で遊べるとファミリー層に大好評です。

―日本庭園も人気と聞きます。
 日本庭園は開設当初から変わらずにある落ち着いたエリアです。小倉競馬場は「変わっていくもの」と「変わらないもの」がバランスよく同居し、温かい雰囲気のある施設だと感じています。

―地域との連携についてはいかがでしょう。
 地域の理解があってこその競馬場です。地元の皆さんに親しまれ、憩いの場となる施設を目指しています。また、災害などの有事の際には「広域避難所」としての役割も担っていますので、行政の方々と連携し責任を果たせるよう取り組んでいます。

小倉のレースの魅力

提供:小倉競馬場

―地元の名前を冠した「北九州記念」などの重賞競走もあります。小倉のレースの魅力を教えてください。
 小倉競馬場は、観客席からコースまでの距離が近く、レースの迫力をより近くで体感できるのが大きな魅力です。圧倒的なスピードでゴール板を駆け抜けるサラブレッドの姿は圧巻です。ジョッキーからも「小倉は乗りやすい」という声が聞かれます。コースの形態が平坦・小回りなので、逃げ・先行の馬が有利とよく言われますが、意外と差しや追い込みも決まるんです。

愛される施設目指し

提供:小倉競馬場

―コロナ禍により昨年初めて無観客開催となりました。今年の状況はいかがでしょうか。
 今年7月、1年半ぶりに有観客で競馬を開催することができました。しかし、ネットで事前予約されていた3,000人限定の入場でしたし、大声を出さない静かな観戦や密回避の協力など制約も多く、大変不便をおかけしています。皆さんの理解、協力に感謝している次第です。

―待ちに待った開催競馬場での観戦。皆さん、喜ばれたでしょう。
 ゴールした瞬間の拍手がすごかったんです。大声を出せないため、力いっぱい拍手してくださってとても感動しました。来観者あってこその競馬だと改めて感じました。

―今後に向けた取り組みは。
 これからも北方の地で100年、150年と地域の方々に愛され誇りに思ってもらえる競馬場になれるようスタッフ一丸となって取り組んでいきます。今後とも小倉競馬場への支援をどうぞよろしくお願いします。

小倉競馬場 場長 嶋岡 浩之(しまおか・ひろゆき)

1962年生まれ。熊本県出身。1980年、日本中央競馬会(JRA)入会、福島競馬場副場長、コンプライアンス推進室上席調査役を経て、2021年3月から現職。

 提供:小倉競馬場

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