夏休みに3泊で、大型レジャー施設へ行くことに。子どもたちは目を輝かせて、その日を待ちわびていました。そしてハイテンションで迎えた当日。のはずが、初日から子どもたちが「もうホテルに帰りたい」と。そして2日目からは夫が無言。私たち家族に何が起こった!?
夏休みの旅行先
多忙な夫が珍しく、
「今年の夏休みは3泊で大型レジャー施設へ行かない?」と提案してきました。子どもたちは、この提案に飛び上がって大賛成。レジャー施設には、子どもたちの好きそうなゲームの世界やアニメ、映画の世界が広がっています。
インターネットで動画やサイトを毎晩チェックながら、まだかまだかと指折り数えてその日を待っていました。
当時、長男は小学校3年生。次男は年長さんです。私には行く前から心配なことがありました。それは、「子どもたちが長時間の待ち時間に耐えられないのではないか」ということです。
私たちは普段、長蛇の列に並ぶ機会がありません。というより、待ち時間があるとわかれば、あっさり別の店へと予定変更するのが、わが家の暗黙の了解なのです。
この待ち時間対策のため、携帯椅子やタブレット端末を持ち歩くことにしました。子どもたちが待ちくたびれたら、椅子に座らせて、インターネット動画を見せて気をまぎらわせる作戦です。
待ちに待った当日
早朝に自宅を出発し、飛行機に乗り、ホテルに到着。そこから、電車を乗り継いで目的のレジャー施設へ向かいます。早朝に起床した子どもたちは、すでにややお疲れモード。
それでも、初めて見るもの、初めて乗るアトラクションに大興奮です。数個のアトラクションに乗り終わったあと、次男が
「もうホテルに帰りた~い」と言い出しました。恐れていたことが始まる予感です。
最初はがんばって、待ち時間をやりすごしていた子どもたちも、「アトラクションに乗りたい」よりも「疲れ」の比重が高くなってきました。そのうちに、長男がふてくされたり、反抗的な態度をとったりするようになったのです。
なんとかなだめて、1日の観光を終え電車に乗ると、今度は次男が電池切れ。満員電車の中で熟睡し始めました。そのまま、20kg超えの次男をかついでホテルに戻ったため、汗びっしょり。私のTシャツはすっかり色が変わっています。
子どもたちのご機嫌とりと、荷物の重み、旅の疲れで私も初日から疲労困憊でした。
誰も早起きできない
翌日。当初の予定では、朝6時に起床し、レジャー施設へ7時半に到着することになっていました。ところが、初日から家族全員の疲労がピークを迎え、早起きする気力が誰1人残っていなかったのです。
夫が
「今日は早い出発やめよう」と。ホッとしたのもつかの間、初日の疲労が一晩では解消できなかったようで、いつもやかましい子どもたちが、朝食中に無言。そして、もう1人無言の人がいました。夫です。
私たち2人は電車でもアトラクションの待ち時間中でも、子どもたちに椅子や席を譲っていたために、観光中はほぼ立ちっぱなしで過ごしていました。その疲れが、どっと押し寄せてきているのです。
すでに購入済みのチケット代の元を取らなくては、と何とかホテルを出発。家族全員気力はなく、途中、休み休みの観光をなんとか終えました。
体力の限界を迎えた最終日
最終日は、新幹線に乗って隣町へ遠出です。こちらは小規模のレジャー施設で、敷地は適度な広さ、長蛇の列もなく、子どもたちにはちょうど良い規模でした。無邪気に遊ぶ子どもたちを遠い目で見守る大人… そうです。私たち夫婦は、そろそろ体力の限界を迎えていました。
この後に「城と公園を見たい」と言っていた夫も
「やっぱりやめるわ…」と。子どもが
「もう1回やりたい!」と指差すアトラクションも
「もう終わりでいいんじゃない?」と半ば強引に却下していました。
その翌日、やっと帰路につきました。子どもたちは
「アレが楽しかったね」
「もう一回行きたいね」などと話し合っていました。しかし、それを聞いた夫は
「この先10年はもう旅行しない…」と、ボソッとつぶやいたのを私は聞き逃しませんでした。
(ファンファン福岡公式ライター/ダイワ エノ)