生後4カ月の娘はよく泣きます。抱っこであやしている私に、義母は「抱き癖がつく」と一言。イライラしている私の救世主となったのは、いとこの一言でした。
抱っこは悪いこと?
娘が産まれて4カ月程経った頃の話です。その日私たち家族は、夫の叔母の家へ遊びに行っていました。というのも、夫のいとこ(Aさん)が久しぶりに帰ってきていたからです。皆が集まると聞き、集まりが大好きな義母は飛んでやってきました。
Aさんにも、わが家と同じように、4カ月の娘がいます。お互い1人目の子どもということで話も合い、育児の悩み等を相談しあっていました。
生後4カ月はまだまだ大変な時期。私の娘は産まれた時から寝ない子で、激しい時には夜も15分ごとに起きてギャン泣き…。人見知りもあり、1日中泣いているのではないかというくらいよく泣く子でした。
Aさんと話をしている時にも、初めは布団の上でご機嫌だったのですが、しばらくすると泣きはじめる娘。ミルクも飲んだし、オムツも汚れていない。きっと抱っこだろうと思い抱き上げると、すかさず義母がやってきて
「もう抱っこ? 抱き癖がついてるんじゃない?」と半笑い。イラッとしましたが、無視して抱っこを続けました。
抱き癖がつく?
そうしているうちに、Aさんの娘も泣きはじめます。
「どうしたのかなあ」と抱っこするAさん。それを見た義母が
「最近の人ってすぐ抱っこするのね。だから抱き癖がつくのよ。私の時なんか抱っこする暇も無かったわ!」と吐き捨てるように言いました。
するとAさんが
「今は抱き癖なんて言葉使わないよ。泣いたら抱っこ。いっぱい抱っこしてあげたらいいって、保健師さんからも言われてる」と言いました。否定されたと思った義母は、何か言いたげな顔をしていましたが、その場では黙っていました。
でも自分の姪に言われたことが腑に落ちなかったのでしょう。その後私の側に来て
「今の子は子どもを甘やかしすぎよ! あなたも抱っこばかりして… 家でもそうなの? 家のことは出来てるの?」等、抱き癖とは全く関係ないことまで、憂さを晴らすかのように嫌味をぶつけてきます。
私が
「抱っこで安心してくれるなら、抱き癖がついたっていいです」と言うと
「これから困るのはあなたよ? 少しは泣かせて肺を鍛えなきゃ。ずっと抱っこしてたら何も出来ないじゃない。そうやって甘やかすからすぐ泣くのよ。ほら、もう抱き癖がついちゃってるわ!」1人ヒートアップしている義母を見て、Aさんがやってきました。
Aさんの一言にスッキリ!
「それは違うんじゃない? 抱っこして泣き止むなら、それでいいじゃん」義母はまだモゴモゴ言っていますが、Aさんは続けます。
「抱き癖って言うのは、昔の人が勝手に言ってるだけらしいよ! 抱っこしてたら家のことしてもらえないからって、姑さんが言った言葉なんだって」と淡々と言う従姉妹。
「おばさんもそんな姑にならないように気をつけてね」と、とどめの一撃!
私は「よく言った」と心の中で大拍手を贈りました。その言葉を聞いた義母は、すっかり意気消沈。いつも嫌味しか言わない義母のこのような姿は初めてでした。
その後、義母から抱き癖について何か言われることは無くなりました。そしてAさんとは、育児のことはもちろん、義母のことでも連絡を取り合うように。
「何かあれば私がおばさんに言ってあげる」と心強い存在となっています。
抱き癖には諸説あるようですが、抱っこもいつまでもできるわけではありません。できるうちにしっかりしてあげたいと思っています。
(ファンファン福岡公式ライター / こんぺいとう)