「おちゃんぽ いく」が口癖の1歳息子 雨の日の懐かしい思い出【ほっこりする話】

雨が降ると思い出す、息子とお散歩に行った思い出。雨と戯れニコニコする息子と、それを微笑ましく眺める私の姿も今となっては遠い昔のことになってしまいました。

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お散歩大好きな息子と雨

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 長男が1歳のときの話。自分の足で歩くのが楽しい時期だった息子は
 「おちゃんぽ(おさんぽ)いく」というのが口癖で、休みの日は近所をのんびりとお散歩するのが定番でした。

 ある雨の日のこと。今日はお散歩に連れて行けないなぁ、と児童館に行くことに。しかし息子を車に乗せようとすると
 「おちゃんぽ~」といつものリクエストが。
 「今日は雨だからお外行けないよ?」と言っても「おちゃんぽ」コールが止まりません。

 そういえば息子はまだ水たまりの楽しみを知らないかも? と思い始めた私。水たまりではしゃぐ息子の姿も見たくなり、幸いまだ小雨だったため
 「ちょっとだけね」とお散歩することに。まだ長靴も持っておらず息子はスニーカーでしたが、そのまま歩き出しました。

水たまりではしゃぐ息子

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 お散歩をし始めると、近所の駐車場に水たまりを発見。
 スニーカーがびしょびしょになってもいいや、むしろ思いっきり濡れておいで! とまで思っていた私は
 「ほら、あそこに水たまりがあるよ」と息子に教えました。すると息子は最初のうちは、おそるおそる足を踏み入れましたが、すぐに感触が面白いと感じたようで、ニコニコ顔に。

 お風呂のときも感じますが、子どもって本当に水と戯れるのが好きですよね。水たまりに入った息子からも、足が濡れる感触や、バシャバシャという水の音などを、全身で楽しんでいる様子がよく伝わってきました。

 水たまりの中で足踏みしながら「みてみて! おもしろいよー!」と言わんばかりの笑顔を私に向ける息子の、愛おしいことといったら…。生まれてまだ1年ちょっとしか経っていない息子には、とても新鮮な感覚だったのでしょう。

 水たまりをバシャバシャと出たり入ったりするのを繰り返すうちに30分は経っていたと思います。息子はまだ遊びたそうな様子でしたが、雨が強くなってきたので帰ることにしました。

 家に帰って見てみると、靴もズボンもびっしょり。でも、息子が楽しい時間を過ごせたと思うと、何てことはありませんでした。大人は憂鬱に感じる雨でも、雨の音や感触を全身で味わえる子どもの感性をとても尊く感じるひとときでした。

取り戻したい、あの頃の心のゆとり

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 月日は流れ、小さかった長男ももう小学校1年生。その後生まれた次男も3歳になり、やんちゃな男の子2人のお世話に追われる日々です。

 毎日、私の仕事が終わると、駆け足で学童と保育所に子どもを迎えへ行き、家に帰ってからは慌てて夕飯の用意。夕飯が終われば、お風呂を済ませて
 「早く寝なさーい!」と寝室へと急かし、子どもたちとゆっくり向き合う時間がありません。

 長男と雨の日にお散歩した当時のことを思い出すと、最近は余裕がなく家事や仕事にとらわれ過ぎていたことに気付かされます。
 長男は小学生になったものの、水たまりで遊んでいたときのような、はしゃぎたい感覚があるはず。3歳の次男ならなおさら、汚れることを気にせずいろいろ楽しみたい時期だと思います。

 たまにはゆっくり話す時間を作って、今度雨が降ったら家に閉じこもらず、息子たちとお散歩に出かけてみたいと思います。あの頃の心のゆとりを取り戻せるように…。

(ファンファン福岡公式ライター/れな)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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