わが家の4歳の娘と2歳の息子は、私の顔のある部分を触りながら寝る習慣があります。ある夜、2人はいつもどおり眠りにつきましたが、息子が夜中に泣きだしてしまったのです。「具合が悪いの?!」と飛び起きた私でしたが、息子の次の一言を聞いて大爆笑してしまいました!
〇〇を触りながら寝る子どもたち
始まりは、娘が1歳3カ月の時の断乳初日。息子はまだ生まれる前です。
授乳で寝る習慣がついていた娘に
「もうおっぱい無いよ」と伝えると、不思議そうな顔をしながら無言で布団へ。
私が添い寝をすると、娘は私の顔に手を伸ばします。断乳初日は、私の顔じゅうを触りながら30分ほどで眠りにつきました。翌日も同じ動作をするので、顔を触っていると安心するのかな? と思っていました。
しかし一週間経つと、触る場所に変化が。左頬の耳の下近くにある、直径3mmほどの「ほくろ」に集中しているのです。
自分でも触ってみると、少しぽこっとしています。娘はこの触り心地が気に入ったのかもしれません。ほくろを集中的に触り始めてからは、10分ほどで眠りにつくようになりました。
断乳した息子まで!
息子が生まれ、1年弱でベビーベッドを卒業すると、3人並んで布団で寝るように。娘が寝た後に息子を授乳で寝かしつけていたので、娘が寝る時の光景を息子は毎日じっと見ていました。
そんな息子が2歳になる直前、断乳をすることに。断乳初日の夜、私を真ん中に、3人で同時に布団へ入ります。すると息子が、授乳している時は全く関心を示さなかったほくろに手を伸ばしたのです!
独占していたほくろを触られて怒った娘が
「〇〇(息子)は触っちゃダメ!」と息子の手を払いのけると、息子は
「やだ!」と言い、再び手をほくろへ。私が
「ケンカしないで!」と止めるも収まらず、力尽きて眠るまでの約15分間、2人が泣き叫ぶ事態になってしまいました。
これが毎晩続くのは何とか避けたい…。そう思った私は、翌夜にある提案をします。
右頬のほぼ同じ位置にあるひと回り小さいほくろを指差しながら
「〇〇(息子)はこっちね」と息子に言ってみたのです。すると息子は
「うん!」と大喜びで、右頬のほくろを触り始めます。
その日から娘も息子も各々のほくろを触りながら10分ほどで眠りにつくようになり、騒動は無事に収まりました。
夜中に泣き出した息子… その理由は?
息子がほくろを触り始めて半年後のある夜。その日も2人はいつもどおり眠りにつきましたが、息子が深夜2時頃に声を上げて泣いています。
息子は深夜に体調を崩したことが2、3度ありました。その時は胃腸炎で嘔吐し、夜間救急を受診したことも…。
嫌な予感がして飛び起き、息子の肩を軽く叩きながら
「どうしたの?」と話しかけます。涙をすすりながらの返答で
「ない…」しか聞き取れず、
「何が無いの?」とさらに聞くと
「ほくろがない」と言うのです!
えっ? ほくろ…?! どうやら夜中に目が覚め、ほくろを見つけらず泣いてしまったよう。私は一瞬ぽかんとしますが、体調不良でないことが分かり緊張が解けます。
「ほくろはここにあるよ」と手をほくろの位置に持っていくと息子はぴたりと泣き止みました。ほくろを触ること約5分、息子を見ると、安心感にあふれた顔で寝ています。
ほっとすると同時に、息子が泣きながら「ほくろがない」と言う姿を思い出し、笑いがこみ上げてきて止まりません。声を押し殺しながら3分ほど笑いきったところで私も眠りにつきました。
朝になり、別室で寝ていた夫に報告すると
「俺も聞きたかった!」と笑っています。息子には
「昨日の夜、ほくろがないって泣いたの覚えてる?」と聞いてみると、きょとんとした顔で私を見るのみ。
覚えていない様子なので、もう少し大きくなったらまたこの話をしようと思っています。
娘が初めてほくろを触り始めてから3年以上経ちますが、今もこの習慣は継続中です。夫が寝かしつけようとするも、子どもたちが
「ママじゃなきゃイヤだ!」と抵抗するので、
「ほくろを俺に移籍しないと無理だね」と諦めて私と交代する結果に。
娘は触る力が強くなり、引っ掻かれた時は左頬のほくろから出血したこともあります。そろそろ2人ともほくろを卒業させようかな… と考えているところです!
(ファンファン福岡公式ライター/坂 真琴)