結婚当初から義両親の言動に不快を感じ疑問に思うことは多々ありました。それでも夫の両親だから受け入れなければと我慢していた日々。正直、距離を置けないかと思うことも… まさか出産後の幸せいっぱいの産院で、義両親と疎遠になる出来事が起こるなんて思ってもいませんでした。
義両親は愛煙家
義父は愛煙家です。いつでもどこでも、妊婦の前でも平気で喫煙する人なので、生まれてくるわが子だけは守りたくて、出産予定日が近くなると何度も義父へ
「赤ちゃんを見に来るときは絶対にタバコを吸わないで欲しい」と伝え、義母にも
「吸わせないで」とお願いしていました。
夫は
「父は、そこまで非常識ではない」と疑う様子もなく言うのですが、妊婦の前で喫煙するのに? と私の不安は消えず… それでも、ここまでしつこく言えば大丈夫だろう。孫の健康を考えて行動してくれるはずだ。と義両親を信じることにしました。
無事出産を終え、義両親が産院へ来くる日。約束の時間になりドアが開いた瞬間…
義両親の姿が見えるより先にタバコ臭さが部屋へ流れてきました。
楽しみにしていた私の気持ちは完全に消え失せ、夫の顔も引きつっています。唖然とする私たちの姿は、義両親の目には映らないようで、タバコ臭い義父と
「ヤッホー!」とテンションの高い義母が部屋へ入ってきました。
義両親は退場!
さすがにすぐに追い返すわけにもいかず、義両親を部屋へ迎え入れたものの… 部屋に漂うタバコ臭さに、孫のことはどうでもいいのかと怒りと悲しみが入り交じり、胸が苦しくなりました。
とにかく一刻も早く帰ってもらう方法はないか考えていると
「抱っこしてもいい?」と義母が赤ちゃんを抱き上げました。
夫が、病室の雰囲気を和ませるように
「おばぁちゃんだよ」と赤ちゃんに語り掛けると、
「私、おばぁちゃんなんてイヤ! おばぁちゃんて呼ばないで!」
普段から若いと言われることをよく自慢していた義母は、“おばあちゃん”と呼ばれることが嫌だったようで、凄い形相で怒鳴るように言い放ったのです。
義父に喫煙をさせ来院した挙句、この人は何を言っているのかと義母の発言にあっけにとられていると
「はい、あなたも抱っこしたら?」そう言って、義母はタバコ臭い義父に赤ちゃんを抱かそうとするではありませんか。
やめて! と言いかけたところで、夫が義母から赤ちゃんを奪い
「もう帰ってくれ!」と怒りか呆れか何とも言えない表情で、部屋から出ていくよう2人に言いました。
義両親は
「わざわざ来たのに!」と怒っていましたが、
「タバコ臭い人間はここに来る資格ない! それと、おばあちゃんじゃないなら他人だからな!」と激怒する夫に目を丸くし、何も言い返せず帰っていきました。
10分ほどの出来事でしたが、タバコ臭い義父と意味不明な義母に私の気持ちは急速に冷めていきました。義両親が帰った病室で、私たち家族は義実家と距離をおくことを決めました。
唯一の救いは、夫が私と同じ気持ちでいてくれて、わが子を守ってくれたこと。疎遠になったおかげで連絡なしの突撃訪問が無くなり、産後をゆったりと過ごせたのも不幸中の幸いかも。
その後…
「産後の恨みは一生」とはよく言ったもので、10年経ってもあの日のことを鮮明に覚えている私。
義両親はその後謝罪し禁煙を成功させ、私も育児に慣れ余裕が生まれたことで、子どもに祖父母の愛情を感じてほしいと思うようになり、関係は修復されつつあります。
一生恨むことはしませんが、一生忘れることはありません…。
(ファンファン福岡公式ライター/渡山笑名)